Past Masters Volume One / The Beatles * 1988 EMI


天下無敵、バリバリのロックンロールバンドであったビートルズ。元々、ルースターズ、クールス、横浜銀蝿(あ~恥ずかしい)なんかから入ったので、ロケンロールなビートルズはスンナリ受け入れることができ、2ndなんかいっときアホほど聴き狂ってました。先に洋楽にかぶれたの兄貴のオカゲで1銭の金も払わず殆ど全てのビートルズ音源を聴けましたが、ロケンロールなビートルズはなぜかシングル盤が多かったもんです。何年かしてビートルズCD化!となった際、UK仕様のオリジナル・アルバムに準拠したため、ほりだされたシングル曲を単純にまとめたのが本作。実に無愛想なアルバム・カヴァーですが中身は濃いです。個人的には「アルバム曲よりよう聴いてたんちゃうか」って記憶するくらいのロケンローなビートルズが満載で、"R&R Greats"って副題でもつけたいくらいの熱き初期の名演が楽しめます。
もちろん'62年デビューシングル「Love Me Do」のリンゴ・ドラム・ヴァージョンでスタート。以降甘酸っぱくキャッチーなオリジナルR&Rが連発で「From Me To You」、「Thank You Girl」、「I'll Get You」と秀曲が連なりますが、オリジナル・アルバムには入らなかった世界的大ヒット「She Loves You」、「I Want To Hold Your Hand」もビシ~っと収録です。永ちゃん&ジョニーのキャロルが何処を目指してたかがよーく分かります。ビートルズはR&RオリジネイターやR&Bの優れたカヴァーも有名ですが後半はリトル・リチャード「Long Tall Sally」、ラリー・ウィリアムス「Slow Down」、カール・パーキンス「Muchbox」とセンス良すぎの名カヴァーが堪能できます。特にジョンが敬愛していたラリー・ウィリアムスの「Bad Boy」なんか荒々しいヴォーカル&サウンドが最高で、今聴いても初めて聴いたときと同じくらい興奮できます。また「I Feel Fine」、「She's A Woman」と武道館公演でお馴染み曲も収録。そして最後はポールの絶叫Voもシビれる「I'm Down」。殆どリトル・リチャードの曲といっていいくらいの影響が伺える秀逸オリジナルです。初期3年間の凄まじい破壊力で迫るロックンロールはたまりませんが、こんなんばっか演ってたら決してあそこまでのモンスターバンドにはなってなかったかもしれません。でも、これらがあってこそ後の名作も生まれたと思えます。
「やっぱ基本中の基本。Rock'n Rollがカッコよく決めれんとぱっちもんです!」
Bad Boy
I'm Down
samyu