All Summer Long / The Beach Boys * 1964 Capitol
いや~なんとも素敵なアルバムカヴァーです。楽しげな浜辺のフォトがいかすビーチ・ボーイズ初期の傑作。レコード会社からの強制労働か親父さんの商魂たくましい思惑か本人たちの溢れ出る創作意欲の賜物か不勉強で知りませんが、年に2枚のハイペースで新録オリジナルアルバムを発表していたこの頃のビーチ・ボーイズ。個人的にはブライアン・ウィルソンが突き詰めた芸術の域と称される名作よりも、マイク・ラブがデカイ顔してブライアンと共にいる和気あいあいのビーチ・ボーイズがなぜか俄然魅力的に映ります。「難しいことはよう分からんけど、俺はやるで」とでも言いそうなマイク・ラブ。その無邪気さみたいなのが絶妙のバランスを保っているように勝手に感じている、この外に連れ出したくなる初期の音の数々は正にエバーグリーンの輝きです。身近な遊びネタなんかを歌にしてるとこなんかも親近感抜群でたまりません。
中身は1位も獲得の大ヒット・エキサイティング・ナンバー「I Get Around」で最高のスタートです。このドライヴしまくるバックサウンドに底抜けに明るいハーモニー、キャッチーすぎるメロディーと完璧すぎます。また、すぐにでもバイクに乗りたくなるマイクのヤンキーVoも冴える「Little Honda」や、一度聴いたら忘れられん軽快に決まるメロディ&コーラスが気持ち良すぎる「Wendy」も印象深い逸品。またお得意スロウも絶好調で、ブライアンのスウィートファルセット炸裂のバラード「We'll Run Away」に、体がとろけるチーズ状態必至の名曲「Girls On The Beach」と非の打ち所無しです。ロックンロール系も秀作連打で、サン・ロカビリー火の玉ロックのフレーズ登場も楽しい「Do You Remember?」に「Drive-In」、「Don't Back Down」とイチロー並みのかため打ちです。また現行盤ボートラは激グレイト・トラック連発で小躍りどころか阿波踊りまで踊ってしまう最高の内容です。まずアルバムの雰囲気に合わんという理由のみでカットされた曲自体大ヒットしてもおかしくないとマジで思ったカールVoの「All Dressed Up For School」、コーラスのワイルドさがたまらん別テイク「Little Honda」&「Don't Back Down」と単なるオマケで片付けられん垂涎の3曲追加。
「つくり込んでる割には、それを感じさせないお気軽さ。まさにプロの鑑!」
Girls On The Beach
I Get Around- Live on Ready Steady Go! 1964
Nob
夏といえば・・・