音系戯言

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Cookin' / The Miles Davis Quintet * 1957 Prestige

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プレスティッジ期のマイルスはモダン・ジャズの頂点みたいな名演が多いですが、しっかり聴くようになったのは大人になってから。この時代のLPが若き日の親父のコレクションで何枚も家にあったのですがワケのわからん反抗心で昔は殆ど聴きませんでした。しかしヘンな拒絶心が取っ払われた後に聴いてみると自分が理想とするジャズのクールな音がいっぱいで「何でもっとはよ聴かんかったんや」と後悔しきりでした。さてこの時期のマイルスといえば最強のクインテット結成となったもののCBSへの移籍問題の真っ只中で、契約上の不満から育ての親ともいえるプレスティッジと袂を分かつべくの、いわゆるマラソン・セッションの記録だそうです。契約満了の為のやっつけ仕事にしては素晴らしすぎる演奏です。
 内容は聴き応え満点の4トラックでマイルスを含めクインテットのサイドメンの面々の演奏も大充実となってます。まずあまりにも有名な「My Funny Valentine」です。マイルスといえば個人的にまずこの曲が頭で鳴ります。バラードこそが最も本領発揮できる場所と自らを悟った超クールな演奏が聴きモノです。あくまでも冷静に独特のミュートプレイで完全に聴くものを虜にします。イン・テンポ後のレッド・ガーランドのピアノも絶妙の美しさで完璧です。続く「Blues By Five」はフィリー・ジョー・ジョーンズのスイングするドラムスも心地良いですが、マイルスのソロからバトンタッチ後の若き日のジョン・コルトレーンのテナーも聴きものです。ソニー・ロリンズ作のナイジェリアの逆さ読み「Airegin」はBags' Grooveでソニーと演ったときよりテンポアップしてハードに変貌です。クインテットの攻撃的なアンサンブルが鳥肌モンで、ここでもマイルスとコルトレーンは最高のソロを披露で、特にコルトレーンは後のリーダー作で爆裂させる才能の片鱗がうかがえる音数の多いブロウが最高です。そして最後のマイルス・オリジナルとなる「Tune Up ~ When The Lights Are Low」も格闘技かと思うような5人の戦士の緊張感溢れる演奏が凄いです。グイグイ引っ張るポール・チェンバースのベース、スリル満点のマイルスのトランペットとハード・バップの魅力が詰まりきっています。
「今も親父とは絶対リンクしないマイルス。死ぬまでになんで何枚もマイルスを持ってたのか聞いてみなあきません」


Miles Davis & John Coltrane Solo

Comments 4

tmks

両巨匠のぶつかりあい。すごい映像ですね。

2007-07-04 (Wed) 21:04 | EDIT | REPLY |   

ezee

感情移入もテクニックも上手い人の演奏はホントに気持の良いもんですが、そんな人等が集まったセッションは更なる化学反応が起こってたまりませんな。
 しかし100本ノック。最高っすね。ちょいちょいノック受けに行かしてもらいます~

2007-07-04 (Wed) 23:37 | EDIT | REPLY |   

JJ

マイルス、いつ聴いても、本当に飽きませんデスゎ。

Jazzは、そういう意味で、ムードをいつまでも、壊さないですよね。
つくづく、映像見て、バックの演奏者もみとれているのが、わかります。
やっぱり、Jazzは、夜のディナーだなー。

2007-07-05 (Thu) 08:26 | EDIT | REPLY |   

ezee

JJさん 毎度です。
マイルスは鳴っているのを聴くと、1音1音漏らさんとこうと聴いてしまうのです。あの魔力はいったいなんなんでしょう。  
この独特の雰囲気!ほんまミッドナイトの音楽ですね~

2007-07-06 (Fri) 00:19 | EDIT | REPLY |   

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  • CD4枚でこの値段は安いですね。十分に元が取れるジャズの入門版のアルバム・セットだと思います。4枚入りでこの価格!超お得!大人のムード満点のCD!曲と曲名をつなげるためにはいいかも。これってジャズの分類になるの!?というものもあるような・・・。JAZZばかりで
  • 2007.07.21 (Sat) 09:57 | ジャズの日