D & B Together / Delaney & Bonnie And Friends * 1972 Columbia

スワンプ・ロックの代表選手として名前が挙がるデラニー&ボニー。そもそもスワンプっていったい何やねんって感じでしたが、ゴスペルやらR&B、カントリー、ロックンロールをミキサーにかけてコップに注いだようなアメリカ南部の音楽っていう理解をしてます。個人的に好きなのは奥さんボニー・ブラムレットのソウルフルな声で、最初聴いたときマジで黒人にしか聴こえませんでした。経歴も幼き頃から教会でゴスペルに親しみ、アイク&ティナの爆裂コーラス隊アイケッツにも一時所属してたというから納得です。とにかく大好物系の歌い方で一発で一目惚れって感じでした。何しろこの二人、デビューは黒人名門レーベル・スタックスだけあってブルー・アイド・ソウルとしても一級品です。夫婦デュオであったため離婚してコンビ解消となったので本作がラスト・アルバムです。敏江・玲児のように別れても表舞台で活躍するのは大変だったのか、ええユニットであったので残念です。
さて中身ですが新曲やら焼き直しの寄せ集めながら結構いける内容です。「Only You Know And I Know」は元々トラフィックのデイヴ・メイソンの曲らしいですが、疾走感溢れるアレンジでオープニングを軽快に演出します。続くボニー真骨頂といえる、もろゴスペルの「Wade In The River Of Jordan」では聖歌隊も加わった力強い出来。そんな感じで泥かっこええ曲が連発ですが、強力ロックン・ソウルでティナ・ターナーのパワフルな歌も加わる「Sound Of City」、ボニーの劇的な歌唱が光まくるレオン・ウェア作「I Know How It Feels To Be Lonely」、E.クラプトンやデイヴ・メイソンも参加した力強いサザン・ロック「Comin' Home」、アーシーな感じがたまらんカーペンターズの大ヒットの元歌として有名な「Groupie (Superstar)」あたりは唸るしかない品質でもう大満足です。またゲストの豪華さでいうと「I Know Something Good About You」はアレサ・フランクリンにキング・カーティス、ボビー・ウォマック、ビリー・プレストンまで参加した黒いグルーヴがたまらん佳作。また現行リマスター盤は本作以降のソロ曲も追加収録ですが、アヴェレイジ・ホワイト・バンドがバックを固めたボニーの「Good Vibrations」なども中々聴きものです。
「ジョージ・ハリソンもべた惚れしたデュオ。作品は今も輝き続けてます。」
Mr.Pitiful
Roots, Blues & Jazz