Best Hit Singles / Twist * 1993 Canyon



アイドル全盛の頃“明星”とか“平凡”とか月刊誌が大人気でしたが、30年程前の幼き頃バリバリのミュージシャンであるCharやサザン、原田真二なんかもそんな雑誌に登場しゴールデンタイムの歌番組にも頻繁に登場する楽しい時代でした。そんなアイドル誌の表紙も飾ってたと記憶するのが世良公則率いるツイストです。ベストテンなんかでも初期サザンと共にしょっちゅう出てましたが、やってる音楽はフェィセズ直系の泥臭いロックンロール。芸能界ど真ん中でロックやってるなか「浮いてる」感じが似ていたと回想するサザン桑田氏も同期のライバルと公言するのが世良公則です。当時のチャートは今のティーンに支配されたようなものでなく、大人びた楽曲が子供向けに交じって存在する健全なものであったような気がします。“愛の水中花”とか“時には娼婦のように”なんかベストテンでっせ。今では考えられません。そんなことで最近ではキムタクによる愛あるコントでもフィーチャーされた世良さんのツイストは当時アイドル的人気爆発で、バンドは短命でしたがヒット曲の数々は最高のクオリティーでした。
世間をあっと言わせたデビュー曲「あんたのバラード」はインパクト抜群でポプコン・グランプリも獲得したアーシーなバラード。そしてザ・ベストテンで10週間も1位に輝いたと記憶する「銃爪(ひきがね) 」はツイスト極太ロックの真骨頂で、ハスキーヴォイスにロッド・スチュワートばりの派手なアクションも実にカッコええもんでした。重たいスロウ「性(サガ) 」は“大人の”男女間描写も絶妙な大傑作で、松浦氏によるドラマティックなGソロも最高です。今聴くと“こんなへヴィー級の曲がよう1位になったな”と思えるもんで改めてええ時代やったと再認識。また「SOPPO」も最高の重く泥臭いミディアムで、神本氏のファンキーなピアノも冴え渡る忘れられん傑作。美しいバラード「Love Song」はサザンの「いとしのエリー」にも決して引けを取らない名曲でツイスト最後のベストテンヒットでした。この後も迫力ライブ「身に覚え」、50's調もイカす「恋のコレクトコール」など出来の良いシングルを出すも再浮上ならず惜しくも解散。
「サザンほど器用ではなかったツイスト。でも茶の間にバリバリのロックを持ち込んだのは間違いなくこの人達でした!」
あんたのバラード
性 サガ
samyu