Sanctified Soul / Various Artists * 2000 Atlantic/Kent

教会から出てナイトクラブ、ラジオで根付いた黎明期のソウル・ミュージック。ピュアな佇まいのストレートなアトランティック音源のパフォーマンスは絶品といえる録音の宝庫です。その中心となった1960年代全盛を極めたサザン・ソウルは、都会的で洗練されたモータウン・サウンドと違った泥臭くストレートな音が魅力です。魂の芯から揺さぶられる熱い歌唱の数々は今もってビカビカに輝いてますが、「ソウルど真ん中」の殆どハチロク(8分の6拍子)で占められたバラード集は隠れた名曲も多数収録の好企画盤です。何せ凄い磁場を形成して引き込まれますのでBGMにはまずなりません。
中身はまず1曲目The Soul Clan 「That's How It Is」でブッ飛ばされます。この聞きなれないグループ、何と当時アトランティック系列に属していた実力派シンガーを集めたドリーム・チームでArthur Conley、Ben E King、Solomon Burke、Don Covey、Joe Texと凄まじいリレー歌唱は頭からおもらし間違いなしの興奮必至です。そして味わい深いDon Covay & The Goodtimers 「I Stole Some Love」、Soul Brothers Six 「Can't Live Without You」と続きますが、その後がまた凄いことです。James Carr「I'll Put It To You」、Otis Clayの珍しいCotillion音源「Is It Over」でもう私はパンパースに履き替えました。他にもJackie Moore、Sam Dees等の要人が次々登場ですが、中でもバリバリなのが次の人等です。ファルセットも要所で絶妙にきめるTed Taylor「Feed The Flame」、ハスキー声がたまらんJudy Clay「The Greatest Love」、オルガンの上にダミ声が冴えまくるHerman Hitson「You Are Too Much For The Human Heart」、大名曲Wilson Picktt「For Better Or Worse」、聴き惚れるしかないRoscoe Robinson「Leave You In The Arms」など悶絶が避けられないディープな録音の数々は圧巻です。編集は顧客信頼度抜群のkent!ツボを北斗の拳並みの連打で突きつつも、美しい音での愛情満点のお仕事はさすがとしか言いようのない編集です。
「良き時代のタイトルどおりとなる神聖な記録。当時のアトランティックの勢いが堪能できます!」
リュウ