Autumn '66 / The Spencer Davis Group * 1966 Fontana

「Gimme Some Lovin'」です。何やゆうても。天才少年と言われていたというイギリスの白人スティーヴ・ウィンウッドが歌ったこの黒光りするシングル・ヒットは、ブルース・ブラザーズ始め黒人・白人問わず色んなアーティストにカヴァーされよく耳にしますがオリジナルのコレが一番カッコよろしいです。装飾の多いオーバーダブUSヴァージョンが一般的ですが、以前聴いて体中に電撃が走ったこの初出テイクがやっぱり最高でビンビン・リマスターで聴けるとはありがたいモンです。印象的なBassラインに、グッと切り込むハモンド・オルガン、そして情報無しで聴いたら黒人と間違うくらいソウルフルなスティーヴの歌唱と完璧です。特に歌メロの譜割りは殆どレイ・チャールズのソレであり、何回聴いても背筋がゾクゾクするスリルが味わえる大傑作。その後に出されたスティーヴ在籍最後のシングルとされる「I'm A Man」も素晴らしい出来でトラフィックのメンバーも既に参加したパーカッシヴでセンス抜群のアレンジも光ります。ここまできて気付いたのですが上記2曲は本来はアルバム発売後に出されたシングル曲で、実は本作のボートラです。ウィンウッド兄弟在籍時の3作目にして最後となった本編にも触れておきます。
中身はグループ名のようにスペンサー・ディヴィスがVoをとる曲も一部ありますがメインはスティーヴ主導のR&B曲です。まぁ内山田洋とクール・ファイヴの前川清みたいなもんです。ドン・コヴェイの「Take This Hurt Off Me」、パーシー・スレッジの「When A Man Loves A Woman」とカヴァー系も好調ですが、中でもブッ飛んだのは「Together 'Til The End Of Time」。モータウンの歌姫ブレンダ・ハロウェイのヒットで以前からお気に入りでしたが、ココでもスティーヴの黒い歌唱が素晴らしく冒頭を飾るに相応しい出来。またMG'sのインストみたいなオリジナル「On The Green Light」もCoolなオルガンが光ります。とにかくブルー・アイド・ソウルって言われる人等の中では、ズバ抜けて黒っぽい歌唱のスティーヴが炸裂。
「スティーヴ・ウィンウッド。この時なんと未成年。ほんまかいなっ!て感じ」
Together 'Til The End Of Time
まり
おおっ スティーヴ・ウィンウッド ツボです。