Dynamite Soul / 和田 アキ子 * 1996 Wea

ジャパニーズ・ソウルの先駆者である芸能界の大御所「和田アキ子」の'68~'75年録音の黒いセレクト盤。歯に衣着せぬ発言で物議を醸すことも多い人ですが、それだけ実績や実力もあるのも事実です。古くはSam & Dave、最近ではm-floまで共演していて壮大なバラードからパンチの効いたR&Bまで我がの世界でしっかり表現する力量は誰もが認めるところ。歌詞のリズムへの乗せ方はちょっと独特ですが、ハスキーで声量ばっちりの直線的な歌い方はパンチ力抜群で実にカッコいいです。有名ヒット曲での感動的なバラードも素晴らしいですが、ジャケもイカしたこの盤は初期のソウル・モードに絞ったDJコモエスタ八重樫氏の選曲も絶妙なリマスター好編集盤です。
アルバムはスタックス・ジャンプ・ナンバー風の「ボーイ・アンド・ガール」で軽快にスタート。続く「バイ・バイ・アダム」や「ハート・ブレーク・ドール」もキャバレー歌謡ソウルって感じでアッコさんの歌唱も迫力満点です。そしてルーツが垣間見れるライブ音源もJames Brownの「パパのニュー・バッグ」、BS&Tの「スピニング・ホイール」、チェイス「黒い炎」と何れも最高ですがオリジナル・ヒットでスタジオ・テイクもダブル収録の「どしゃ降りの雨の中で」は初期の大ヒットでオルガンもクールに光る哀愁ソウルで間違いなく代表作。また似た構成の姉妹作「クライング・ベイビー」も実にクールな逸品。他にもビッグ・バンドとも相性バッチリな「夏の夜のサンバ」やモノマネでも御馴染みの「古い日記」、ニューソウル風味も加わった細野晴臣作曲「見えない世界」など若干レトロな展開も逆に新鮮に聴こえます。こんな人が今もメジャーな世界で君臨してるのが何とも頼もしい限りです。
「天王寺が誇る、ゴッド姐ちゃん。皆リスペクトしてまっせ」
おんが
見えない世界、大好きです