Love Starved Heart / Marvin Gaye * 1999 Motown

モータウンって会社はえげつなくアーティストを酷使してたのか近年になってもアンリリースドもんがジャンジャン出てきますが、そのクオリティの高さには驚愕の連続です。マーヴィンも例に漏れずコンピやら何やらで度々登場ですが、これは'60年代の溌剌デトロイト・モータウンサウンド時代の未発表曲集で「スタボン~」から「M.P.G.」あたりのテイストが好みならバッチリの音が詰まってます。でも本人が死後の発売を考えると本人的にOKテイクなのかどうかは知る由もありませんが、こんだけ内容が良いと本人も「かまへん、かまへん」と言ってる気さえします。マーヴィンといえば「What's Going On」とか「Sexual Healing」ですが、髭を生やす前のハンサム青年期も中々のシャウターぶりで捨て難い魅力があります。
さて中身は1曲目「It's A Desperate Situation」から“よっしゃ~”とガッツポーズがでるナイスチューンで、ヒット曲「You」を彷彿させる高品質さです。コレと「It's A Lonely World Without Your Love」は元々デヴィッド・ラフィンに書いた曲らしいですがマーヴィンも実にカッコよく歌いきってます。また「I Found Something」や「Lucky Lucky Me」、「Hanging On」あたりは初期モータウンサウンドに乗ってやや荒っぽいシャウト・スタイルも冴え渡る良作。「When I Feel The Need」、「Dark Side Of The World」はタミー&マーヴィン作品でおなじみのアシュフォード&シンプソン作の傑作でこの辺なんかなんでお蔵入りやったのがホンマにわからんくらいです。他にも、曲後半にサム・クックのフレーズも飛び出す「Darling You're Wonderful」、オリジナルズとの強力タッグでの「You're The One」、ヴァンデラスをバックに従えた甘酸っぱい「Just A Little Love」など単なる寄せ集めや無いことをまざまざと見せつける素晴らしさです。
「初めてマーヴィンを聴く人がコレであっても問題無しって思うくらい高品質。嘘ちゃいまっせ」
It's A Desperate Situation
samyu