Golden★Best Early Days / BORO * 2004 Universal
関西が生んだ素晴らしいシンガーBORO。'79年内田裕也氏が惚れこんでデビューさせたそうですが、本当に目のつけどころには敬服します。心の奥底に響き渡る言葉と歌唱は唯一無二で、出世作となったジャパニーズ・ソウルの金字塔ともいえる「大阪で生まれた女」は今聴いても胸が熱くなります。大阪をあとにする女の姿が哀愁たっぷりに描かれていてBOROの魂のこもった歌唱がさらに感動を呼ぶ大傑作です。たまに“青い影”のパクリとか耳にしますがホンマにちっぽけでアホらしい話で、そんなこと言い出したらそもそも“青い影”自体サザンソウルのパクリやと言わなければなりません。コード進行とかアレンジとか世の中に似たようなもんはナンボでも存在するわけで60年代のモータウンとかスタックスとかその周辺の音楽なんか似ていても各々素晴らしい楽曲がいっぱいあるのと一緒です。しかしながらBOROにもっとブっ飛ばされたのはその後に出た「見返り美人」。当時の人気だったヤングオー!オー!(桂三枝やさんま、紳助、のりおなどが出ていたバラエティー&音楽番組)におもむろにメイクして登場した彼はなんとリズムボックス1台を背にギターを抱えて悲しいこの名曲を激唱します。普通、オーケストラやしっかりしたバックバンドをつけて歌うのが普通やと思ってたこの時代に突きつけられたこのアナーキーなスタイルは衝撃的でおかんがご飯を呼びにくるまで1時間は固まって動けませんでした。そんなカッコいいBOROの初期を綴った好編集盤がコレ。
内容はR&Rやブルースを独自の解釈で示した、心に突き刺さる歌唱が印象的な歌が素晴らしい若き日のBOROが堪能できます。前出の2曲は勿論、クールすぎるデビュー曲「都会千夜一夜」、シニカルな詞が凄い「軽蔑」、美しき愛を唄う「たった一日のバラ」、BORO版 I Shall Be Released 「走る階級」、切なさがたまらん「テレフォンナンバー」など言葉ひとつひとつがズシンと重みのある名曲が連なります。そしてストーリーテラーとしても超一流であることが再確認できます。
「今でも関西ローカルではちょこちょこTVで見るBORO。暖かい音楽をいつまでも頼んます!」
大阪で生まれた女
見返り美人
samyu