The Hits・The B-Sides / Prince * 1993 Paisley Park

私の仕事仲間でもチョイチョイ存在するくらい熱狂的信者が多いプリンス殿下。「1999」あたりが最初の接点ですが、当時は黒いミック・ジャガーとか言われたりして黒人アーティストがロックなんて・・と偏見の中、冷やかに見ておりました。それから出てきたシングル曲が「When Doves Cry」で、これは実にブラックとしてのアイデンティティを感じる興奮の一撃でした。その頃ファンクとかソウルとか殆ど意識してませんでしたが、今も色褪せない何ともCoolなファンクはとても新鮮でここいらから一際気になる存在となりました。実は現在のBlack Musicの基礎を作ったとさえ思える力作連発の時期がこのヒット集でして、'90年代以降の他アーティストにも影響しまくりだったのがよ~く分かります。シンボルマークに変身しはる前の'80年代の集大成といえる3枚にまとめられた本作は、信者からしたら邪道かもしれませんがエエ感じでまとまってます。
購買の決め手となったのは、1枚目に収められたシンニード・オコナーの歌った「Nothing Compares 2 U」のセルフカヴァーで当時コレを買わな聴けませんでした。Rosie Gainesとの熱いデュエットとなるライブは鳥肌モンでオリジナルの清い感じから、より黒くセクシーにパワーアップしていて言う事無しです。他にも1枚目は素晴らしいメッセージを持った「Pop Life」、チャカ・カーンで大ヒットした「I Feel For You」、メロウな新録「Pink Cashmere」等がお気に入り。セクシャリティーな2枚目は初期の秀作でファルセットもカッコいいファンク「Head」、誰もがとろける傑作バラード「Do Me Baby」、不朽の哀愁名作「Litte Red Corvette」、TLCもカヴァーした「If I Was Your Girlfriend」、Bassレスながら斬新なファンク・ヒットとなった「Kiss」、JBスタイルの強烈ファンク大傑作「Sexy M.F」、Hip Hopの影響も感じる新録「The Pope」とこちらも当然ながらエエ曲だらけです。本編ラストは代名詞のバラード「Purple Rain」。この曲は最初は大袈裟すぎて嫌いだったものの、ライブやビヨンセとの共演とかで見るにつれ「なんとエエ曲や」と再認識しております。そして3枚目はB面集ながらクオリティの高さに驚かされます。D'angeloがやった「She's Always In My Hair」、Alicia Keysがカヴーした「How Come U Don't Call Me Anymore」、美しすぎる「I Love U In Me」など決して無視できん曲がこちらに収録。
「斬新でいて先人のリスペクトも忘れん音は完璧。やはり只者やないです。」
Nothing Compares 2 U
まる