The Best Of Loma Records / Various Artists * 1995 Warner

仕事場の近所の飯屋に冷し甘ぎつねうどんの大傑作を提供する店があるんですが暑いからといってそればっか食ってたら飽きてきます。そんな中、その店のこれまた名作「たぬきうどん」を久々に食いました。京都の“たぬき”といえばうどんに細切り油揚げとくずあんをかけた非常に心も腹も温まるソウルフルなうどんですが、このくそ暑い最中に食うのも実に乙な物です。そんなことでたまには熱い音楽をってことでLoma Recordsのコンピです。Lomaっていったら当時成功したMotownやStaxに対抗してワーナーが'60年代半ば傘下に立ち上げたレーベルで、大成功とはいかなかったものの素晴らしい音源がうじゃうじゃあります。音的にはノーザンっぽくもしっかりダシが効いたディープなもので聴きごたえ充分です。
収録は2、3分の曲が2枚組50曲と圧巻。冒頭からIke & Tina Turnerの剛速球「Finger Poppin'」で気温10度上昇って感じです。他にも「Tell Her I'm Not Home」等5曲収録のIke & Tinaは泥臭くも直球勝負のR&Bを痛快に決めます。そして女性Voモノは他も充実ですが中でもThe Apollasは伸びのあるリードシンガーがDiana Rossをワイルドにしたようなパンチ力で「Who Would Want Me Now」あたりMotownにも決してひけをとらないグレイトさ。また初期のThe Three DegreesもPopな佳曲「If That Guy Walks Out Of My Life」収録。ソロでは傑作バラード「Stay With Me」やジャニス・ジョプリンにもカバーされた「Try」など実にDeepなLorraine Ellisonに、「Hypnotized」を始めとする短命ながら歴史的名唱を残したLinda Jones等が収録。男性Voではラスカルズのヒットで有名「Good Lovin'」のオリジナルとなるThe Olympicsや、軽快な「You're Such A Sweet Thing」等がエエ感じのThe Marvellos、ヒットナンバー「But It's Alright」が実にカッコいいJ.J. Jackson、サザンソウルな趣が最高な名バラード「Don't Hold On To Someone」のLukas Lollipop等埋もれがちな名曲をしっかり紹介。そして当時権利関係でもめていたJames Brown関連の音源もセント・クレア・ピックニーのSaxをフィーチャーしたBobby Bennett「Soul Jerk」はじめ3曲収録。まぁ全部聴き終わったら汗びしょびしょですわ。
「夏でも良質の熱いモノを体に注入せなあきまへん。腹冷えたらあきまへんやろ?」
Ike & Tina Turner: Finger Poppin' Time
ナルダン珈琲店主
良いですねぇ