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音系戯言

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筒美京平自選作品集 50th Anniversary 〜City Pops〜 * 2018 Universal Music

universal edition

  この前に昭和がヘチマとかなんやら記したら、今度は昭和〜平成の音楽界の巨匠、筒美京平氏が永眠。知らない間に殆どの日本国民がこの人のメロディを口ずさんでたのでは?と思うほど稀代のヒットメイカーとして活躍された方です。近年、世界中からもてはやされるジャパニーズ・シティ・ポップの礎を築いた人だと確信します。たとえしょうもない歌手でも、実績のない新人アイドルでも筒美京平の手にかかれば、かなりの確立でヒットさせたマジシャンみたいな人。その裏では、洋楽のポップスからモータウン等のソウル・ミュージック、ディスコも研究し尽くした努力家だったといいます。凄いのは、まんまコピーでは全くなく、日本人の感性に合うようにしっかり楽曲をプロの仕事で作曲・アレンジしていったことです。2年前の2018年に活動50周年を機に編纂された自選の名作集で功績を称えたいです。
 この50周年記念盤、レコード会社別にテーマを変えて組まれたモノで、Victor編での桜田淳子“リップ・スティック”や斉藤由貴“卒業”とか、Clumbia編の平山三紀“真夏の出来事”や堺正章“さらば恋人”等も重要曲ですが、今も評価される礎となったこのシティ・ポップ編が凄すぎる内容で、あらためて敬服します。サザエさんのテーマまで筒美作とは知りませんでしたが、GS時代末期70年の町田義人が歌うズー・ニー・ブー「ひとりの悲しみ」は初期の大傑作。これは翌71年、尾崎紀世彦「また逢う日まで」として改作され大ヒットしています。井上順「お世話になりました」、矢野顕子のデビュー作ザリバ或る日」等を経て、ディスコやフィリー・ソウルも巧みに消化。自身の変名バンド(後藤次利、鈴木茂、林立夫等が参加)で発表したDr.Dragon & The Oriental Express「セクシー・バス・ストップ」Kyohei Tsutsumi And His 585Band 「ヒットマシーン」などマニアックな仕事もしています。その後が黄金期とも言える才能爆裂期で、大橋純子がブレイクした「たそがれマイ・ラブ」、野口五郎の歌唱力を存分に活かした「グッド・ラック」と、78年に名曲を矢継ぎ早にリリース。今もシティ・ポップの最高峰として君臨する傑作です。80年代も宮本典子「ラスト・トレイン」稲垣純一「ドラマティック・レイン」、「夏のクラクション」と安定感あるヒット曲を連発。90年代は珍しく中島みゆき歌う「兆しのシーズン」、健在ぶりを見せつけた小沢健二とのコラボ大名曲「強い気持ち・強い愛」、野宮真貴が歌うピチカート・ファイヴ「恋のルール・新しいルール」など、枯渇することのないクールな才能を顕示。R&Bデュオ、DOUBLEの98年シングル「Desire」も筒美作品でした。最後に収められたJR東海とのタイアップで、TOKIOの大ヒット「AMBITIOUS JAPAN!」は私の息子たちまでもが馴染んだ2003年作。ジャニーズでは、近藤真彦の最高傑作“情熱・熱風・せれな~で”や、少年隊が放ったクオリティの高い初期作“ABC”や“デカメロン伝説”、“君だけに”などイイ曲と思ったのは全部この人の作品。ずっと皆の近くにいた偉大な作曲家でした。
「どの世代にも受け入れられるメロディを創り上げることができた本当の才人。R.I.P.」

小沢健二「強い気持ち・強い愛」


宮本典子「ラスト・トレイン」


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