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音系戯言

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Moonlight Island / 桑名晴子 * 1982 Tokuma Japan

MOONLIGHT ISLAND



 シティ・ポップの文脈で登場することも多い、日本が誇る女性シンガー桑名晴子。いわずとしれた、伝説ともなりつつある破格のアーティスト桑名正博の妹ですが、兄の七光りで出てきた人なんて言うと間違いなくドツかれそうな超実力派シンガーです。80年代当時の素晴らしい仕事が廻り廻って、今また新鮮な感じです。バックは、気持ち良いギターを奏でる芳野藤丸、松下誠をはじめ、職人バンドAB'sの面々が全面的に参画。鍵盤もサウスの中西康晴や、ベーカーズ・ショップで一緒に演ってた小島良喜など、職人がビシャリ参加。AOR的なサウンドの作品と言われてましたが、今やシティ・ポップの名作。今やっても大注目を浴びそうな、70年代のシティ・ポップを絶妙なリアレンジで演奏した82年の素晴らしいカヴァー・アルバムです。
 まずは渋く小坂忠「ほうろう」からスタートし、細野晴臣「Choo Choo ガタゴト」で藤丸&松下氏のファンキーなカッティング・コンビネーションが展開していく中、晴子さんの兄に勝るとも劣らない激ソウルフルな歌唱が絡みます。大瀧詠一らしいクリスタルズの再構築曲「ウララカ」に続いては、最もシティポップ然としたシュガーベイヴの傑作曲「Down Town」を英語詞でカヴァー。こちらもSHOGUNやAB'sを彷彿させる洗練されたアレンジが魅力です。ブレッド&バターのユーミン作品「あの頃のまま」はメランコリックなスロウ。後半もスロウは絶品で「I Love You」はつのだ☆ひろの隠れた名曲。晴子さんの上手さが光ります。石川セリ「ムーンライト・サーファー」に続く、大滝詠一作の大傑作「夢で逢えたら」が登場。数多あるカヴァーですが、さすが晴子さんのはかなり上位に食い込みます。最後は最大のハイライト、桑名正博の1st(←名盤!)に入っていた名曲「夜の海」が登場。かなりAB's調にシティ・ポップ風に変貌していますが、良い曲はどんなアレンジでも良いっていう見本です。晴子さんの桁違いのヴォーカル・パフォーマンスにも脱帽。
「人間の血流に呼応するアナログ・グルーヴのお手本。粋の極みです!」



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