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音系戯言

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Set Me Free / Esther Phillips ‎* 1986 Atlantic

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 もう来年の段取りに追われる日々。焦ってもしゃあないので、落ち着いて聴くのは大御所中の大御所、エスター・フィリップスです。1950年代に14歳でリトル・エスターとしてジョニー・オーティスの楽団で歌い始め、数々の名唱を残しています。アレサ・フランクリンも敬愛していた激ウマシンガーで、R&Bからブルース、ジャズ、ソウルと幅広くこなしています。70年代Kuduのジャジーなソウルも魅力なのですが、アトランティックに在籍していた60年代を中心としたソウルフルな録音はなんとも魅力的。シングル曲中心にTom Dowd & Dave Crowfordが制作した70年頃の未発表も加えたコンパイルがこちらで、編集モンながら素晴らしき内容です。
 いろんなスタイルを歌いこなすエスターですが、カントリー・スタイルのソウルがなんとも絶品でGeorge Jonesのカヴァー「I Saw Me」なんかは何回聴いてもシビれさせてくれます。グレイトなR&Bジャンプ「Mo Jo Hannah」、ジミー・リックスとデュエットのジョニー・オーティス時代再録「Double Crossing Blues」、ウィリー・ネルソンのカントリー「Hello Walls」と、ここらはやはり名プロデューサーBert Bernsのセンスも光ります。66年のシングル曲「Ups And Downs」や「Tomorrow Night」でのカントリー・スタイルや、Dixie Flyersを従えた「Catch Me I'm Fallin'」でのノーザン・スタイルでも絶妙の歌唱。そして、たまらんのがウィルソン・ピケットの絶唱で知られるボビー・ウォマックの大傑作「I'm In Love」。ここらも含めたトム・ダウドとのアトランティック末期の録音も素晴らしき成果。ヴァン・モリソン作の「Brand New Day」に名曲「Crazy Love」なんかは実に味わい深く聴かせてくれます。リトル・ウィリー・ジョン「Fever」や、アーマ・トーマスCheater Man」がエスターの歌唱で聴けるのが嬉しいですが、パーシー・スレッジの「When A Woman Loves A Man」はなかなかの聴きモノ。シングル曲「When Love Comes To The Human Race」なんかでのサザン・ソウル的なアプローチも本当にグッときます。他もブレンダ・リーをディープに煮込んだ「I'm Sorry」や、ペギー・リー「Somebody Else Is Taking My Place」での上手すぎる歌唱も必聴。Curly Putmanのカントリー・ソウル「Set Me Free」、ヘレン・スミスの名曲「A Woman Will Do Wrong」あたりもドラマティックに仕上げていて最高です。
「本物の歌手って感じがする人。バタつく年の瀬、じっくり聴き入っちゃいます。」

I Saw Me



Mojo Hannah


I'm In Love


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