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音系戯言

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This Is It / Melba Moore * 1976 Buddah

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 70年代から80年代に沢山の秀作を残したレディ・ソウル、メルバ・ムーア。60年代ミュージカル“ヘアー”でデビューし女優としてのキャリアもありますが、やっぱシンガーとしての活動に目も見張るものがあります。レンジが広く伸びのある美しい声が魅力で、テクニック的にもトリプル・アクセルを連発することができるほどの技巧派。実績のわりにはイマイチ評価が低いような気もしますが、ディスコ時代からブラコン期にかけて聴き逃すにはもったいない名曲が多数あり。76年発のディスコ・ヒットを含む本作は、春に向かう今なんかジャストフィットです。
 なんといってもタイトル曲であるヒット・チューン「This Is It」が最高すぎます。この時代の売れっ子であるヴァン・マッコイがナイス・プロデュースです。ディスコ期の傑作として有名な曲ですが、流儀はフィリー・ソウルの美味しいところをしっかり感じさせるアレンジ。華麗なストリングスに、ゴージャスなコーラスをバックに、メルバ嬢のハツラツ・ヴォーカルが飛び回る躍動感溢れる大傑作。これからの春を感じる陽気にピッタリ。これだけでは済まないのが本作の素晴らしいところで、次なる「Free」、「One Less Morning」も夢見心地のゴージャスなサウンドにメルバ嬢が華麗にスウィング。この冒頭3連発で本作の勝利が確定です。ただカーティス・メイフィールド曲「Make Me Believe You」のような、元々の尖ったファンクをゴージャスに仕上げたものは、ちょっとしんどい感じ。それよりもディオンヌ・ワーウィック系の「Lean On Me」のようなポピュラー寄りの優しいスロウは光ります。中盤のハイライトともいえる「Stay Awhile」もメルバのスムーズな歌声がナイス・グルーヴに見事ハマる逸品。ウキウキ気分にしてくれます。Radiahのカヴァー「Play Boy Scout」は原曲の卑猥さ半減で平凡なディスコになってるのが少し残念。終盤のスロウ「Blood Red Roses」、ダンス・ナンバー「Brand New」は文句なしの出来。メルバ嬢の艶のある張った声がグッと引き立つアレンジも好感触です。
「さぁ分厚いコートも、いらんようになってきた軽快な季節。リズミカルにいきましょう!」

This Is It


Brand New


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