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音系戯言

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All In Love Is Fair / Nancy Wilson * 1974 Capitol

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 ジャズ・シンガーとしてグラミーも数回獲得した大御所、ナンシー・ウィルソン。本年最後、天へ向かって旅立っていったアーティストの追悼として、代表で取り上げるのはこの人です。聴いていて何とも心地よく、これぞプロっちゅう上手さに酔いしれることのできる稀代のシンガーでした。70年代は名アレンジャー、ジーン・ペイジとタッグでソウル寄りの名唱を数多く残してくれていて、その第1弾となったのがこの74年作。ギターのデヴィッド・T・ウォーカーや、この人も本年惜しくも旅立ったワー・ワー・ワトソン、ドラマーのエド・グリーンの職人芸も味わえる良作で、全編随所でエエ仕事してます。
 中身はスタイリスティックスのカヴァー「You're As Right As Rain」でしなやかなスタート。続く、Betty Everettで知られる「Try It You'll Like It」ではデヴィッド・Tのメロウなギターと、コンガがなんとも気持ち良いグルーヴを紡ぎ出してくれます。ストリングスやフルートも素晴らしい味付けを加える、70年代ソウルの美味しい部分が凝縮されたような曲です。ジーン・ペイジなので、やはり70sモータウンっぽいところもしっかり顔を出す「There'll Always Be Forever」なんかはポップにスウィングするナンシーが華麗すぎます。そして「All In Love Is Fair」はスティーヴィーのあの名作からの曲。相性が悪いわけがなく、この人のために書かれた曲かと思っちゃいます。情熱的な歌唱に派手なアレンジも映える「Streetrunner」もなかなかですが、「Ocean Of Love」のような小粋なソウル・テイストのミディアムは今聴くには心地よさ抜群です。魅惑のジミー・ウェッブ作品「To Make It Easier on You」でも安定感に加え存在感ある歌唱を聴かせてくれます。曲後半でのデヴィッド・T氏のプレイも絶品。ドラムがブレイク・ビートともなったファンキーなテイスト「Tell the Truth」のあとは、〆の大名曲「My Love」の登場。もちろんポール・マッカートニーのバラード傑作であるアノ曲で、”よくぞナンシー、取り上げてくれた!”と言うしかないです。オリジナルの素晴らしさは言わずもがなですが、ココでのナンシーの優雅な歌唱も特筆に値するナイス・パフォーマンス。強弱の付け方、ロングトーンの使い方などプロ中のプロと言うしかない絶品の歌唱がしっかり味わえます。
「誰でもプロになれなかった時代、確かなスキルを持ったアーティストの音。ありがとうナンシー!」

My Love


Try It, You'll Like It



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