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音系戯言

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Baby a Go Go / RCサクセション * 1990 EMI

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 RCサクセションのラスト・アルバム。3人で始まったバンドが、途中から派手にやらかして色んな人が出入りして、20年経って結果的に3人でのシンプルな結末。とはいっても、コレが出た時はカーラジオとかで清志郎がプロモーションでよく出ていたのを聴いてて、全然終わりの感じじゃなかったんですけど、なんとなく最後になったって感じ。ラプソディで始まったバンド黄金期のメンバーも新井田耕造、G2が抜け、チャボもソロやら泉谷とも演ってて何か他に演りたそうな感じでしたが、リンコさんがいたらRCは続くと思ってました。本作は屋根裏時代にギターで一時メンバーでもあった春日博文がドラムで参加し、鍵盤もごく僅か、ホーンも無いシンプルな音。アコースティック色の強い原点回帰のような音作りで、当時に清志郎が絶賛していたレニー・クラヴィッツのようなアナログなサウンドを目指したことが、結果的にRCのスタジオ・アルバムで一番古びない鮮度を保ち続ける作品となります。当時は正直あんまり聴き込んでませんが、今聴くと、80年代のディレイが深いデジタリックな音との決別が奏功してます。
 まずは1stカットの60年代フォーク・ロック風の「I Like You」。この少し前に出たタイマーズ“Day Dream Believer”の続編のようなキャッチーさで、本作のアイコン的名曲です。これと同格でハイライトとなっているのは「空がまた暗くなる」。♪大人だろ〜勇気をだせよ〜とインパクト抜群の言葉で唄われます。やたら尖っていた“Covers”の反動からか、ここらの曲を筆頭に牧歌的な感じが漂う優しいアルバム。ゆるい感じで「ヒロイン」、隠れた名曲「あふれる熱い涙」、三宅伸治へのウェディング・ソング「June Bride」、チャボが歌う「うぐいす」と、なんかホッコリする展開です。まだ破廉ケンチがいた時の味わいとなる「冬の寒い夜」は、やはり清志郎が中学の時に作った曲。当時に飼っていた猫のことを歌ってます。一方、ライヴでは披露されていた「Rock'n Roll Showはもう終わりだ」、新井田耕造の置き土産となるボ・ディドリー・ビートの「Hungry」あたりは、従来からのロック色が強い毒気の強い演奏。終盤は、春日“ハチ”博文との共作となる脱力系「忠実な犬(Doggy)」、苦労した清志郎らしく「楽(LARK)」で“険しいこの人生、楽をしたい”と歌い上げて、RCの歴史は終了。実にRCらしい最後の曲となりました。
 後にリンコさんのインタビューを読んで知った、三浦友和氏の仲介でR&R研究所(スタジオ)でセッション寸前だったという晩年の清志郎とリンコさん。今さらですが、このバンド名で“I Like You”の続きが聴きたかったです。
「這い上がろうとしていた気負いもない、自然体のRC。余裕と寂寥が交錯するラストでした。」

I Like You


あふれる熱い涙



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