Damn the Torpedoes / Tom Petty & The Heartbreakers * 1979 MCA

トム・ペティが急逝。66歳というと、今の時代ちょっと早すぎです。ブルース・スプリングスティーンなんかと同様にアメリカン・ロックの代表選手である人です。先月25日までバンドで40周年ツアーをやってたばかり。。最近も現役バリバリでハートブレイカーズと共にアルバムも出してたのに、すごく残念です。今年はJ.ガイルズといいアメリカのロックを輝かせた立役者が次々にこの世を後にして寂しい限り。トムに関しては、ティーンの時に慣れ親しみ“You Got Lucky”や“Jammin' Me”とか大好きで、カーステでもよくチョイスして聴かせてもらった人。最近はあまり聴いてませんでしたが、追悼の気持ちで代表作を振り返りです。
そんなことでこの名作は、バンドのブレイク・アルバム。ビリーのグラス・ハウスなんかと同じ頃で間違いなくアメリカン・ロック最盛期を代表する名作。私も少し遅れて中学の時、カセットで聴きました。なんの予備知識も無く、バンド名がカッコええってだけでトライでしたが、冒頭2曲の素晴らしさで“ずっと聴くべきバンド”と刷り込み。それが「Refugee」に「Here Comes My Girl」です。デビューからのギタリストで盟友のマイク・キャンベルと共に書かれたこの傑作。トムの粘っこく鼻にかかったような個性的な声もビシャっとハマります。シャープなボブ・ディランのような感じだったり、セクシーで力強くもある声はミック・ジャガー的でもあったりで、サウンドもストーンズやバーズ等の影響下で魅力を最大限に凝縮してくれたのが、この2曲でした。また本作には、キャッチーなシングル・ヒット「Don't Do Me Like That」も含まれてます。強力なR&Rタイプの曲も目白押しで、ポップな感覚も秀逸な「Shadow of a Doubt」、マイクのスライドGにベンモント・テンチのピアノも転がる「What Are You Doin' in My Life」あたりも本作を象徴するグレイト・ナンバー。最後はボニー・タイラーもカヴァーした哀愁あふれる「Louisiana Rain」で〆です。
現在のデラックス仕様は、本作セッションのボツ曲ながら良い曲「Nowhere」、「Surrender」、シングルB面曲「Casa Dega」、「It's Rainin' Again」や、エディ・コクランの絶品カヴァー「Somethin' Else」含むの80年ロンドン・ライヴ3曲、別テイクの「Refugee (Alternate Take)」やらもあって、さらに楽しめる内容です。
「リッケンバッカーを最もカッコよく抱えた男、トム・ペティ。ええ音楽をありがとう。R.I.P.」
Refugee
Here Comes My Girl
波野井露楠
No title