Searching For My Love / Bobby Moore And The Rhythm Aces * 1966 Checker

はや12月。愛を探しながら聴きたいハート・ウォーミングなソウルがこちら。60年代、熱いソウルが各地で湧き上がるなか、シカゴのチェスが南部フェイム・スタジオを使いだした初っ端の大傑作「Searching For My Love」です。これを知った20才の頃、あまりに気に入って1日5回くらい聴いてました。泣きのメロディ、優しいサックスの響き、ソウルフルなリフレイン&ヴォーカルとぐっと心を掴む曲でした。テナー・サックス奏者ボビー・ムーア率いるリズム・エイシズは南部ニューオリンズ出身でアラバマを拠点としていたバンド。どういうわけかシカゴのチェスが契約し、この曲のヒットをきっかけにエタ・ジェイムス、アーマ・トーマスなどフェイム録音のチェス名作が増えた模様です。
バンドのギタリスト、チコ・ジェンキンスのイナたいヴォーカルが絶妙で、ソウル・バンドとして泥臭くも息の合った気持ちいい演奏で全編聴かせます。冒頭の表題曲でハート鷲掴みとなりますが、これ以外も結構いけます。「Come Back Baby」や、CDボートラで聴ける「Try My Love Again」、「Don't Make Me Cry」、「Can't Get Away」なんかでのチコの哀愁ヴォーカルとボビーのサックスの絡みは、同じ感触での良さが味わえます。50年代っぽいバラード「Mr. Starlight」もしっとり聴かせ、ノベルティ・ソングっぽくて楽しい「The Hamburger Song」、ストリップ・コントでお馴染み“タブー”調の「Hey, Mr. D.J.」など球種も豊富です。しかしながら最も馴染みが良いのは、サザン・ソウル・バラードのスタイルがバシッとはまる「How Can You Do It, Baby」、「I Will Never Trust Love Again」に加え、素晴らしきハチロク・リズムの「I Won't Cry」、ダン・ペン&スプーナー・オールダムの黄金コンビによる「Reaching Out」など南部匂いプンプンのスタイル。リズム・ナンバーも捨て難く「We've Got That」、 「Jenny Jenny」あたりでのノリはなかなかで、アーシーなバンド演奏で聴かすインストもありです。他にも、ヴォーカルはチコじゃないけどコレも素晴らしきスロウ「Wonderful Love Of My Man」、J.B.ばりのファンキーさで聴かす「Do You Know Your Woman」、抜群のノリで魅せるミディアム「Give Me Your Love Right Now」などLP本編以外の曲でも、良曲が多数登場で楽しめます。
「なんせサザン・ソウル・ファンは必須の作品。ただの一発屋や、おまへん」
Searching for My Love
golden blue