One Dozen Berrys / Chuck Berry * 1958 Chess

巨匠中の巨匠が永眠、チャック・ベリーです。50年代から活躍し、当時リアルタイムで直接聞いて刺激を受けて広めたビートルズやストーンズの連中。そっからさらに影響を受け70'sに80's、90'sと永遠に続くロックンロール輪廻の源流というべき人です。90年の人生、おつかれさまでした。元々はカントリー・スタイルや、ブルース、ラテンにもルーツは遡ると言われるそのスタイルは、相棒ピアニストのジョニー・ジョンソンの影響も大きかったそうですが、そこらをミックスして超クールな俺様仕様に確立したのが偉大なところ。独特のギター奏法は人種の垣根を超え立派なスタンダードとなって、世界中で繁殖力抜群のパワーを誇った激カッコいいものでした。60年代に猛威をふるったビート・バンドの殆どがレパートリーにチャックのカヴァーが含んでいたことが、その影響力の凄さを実証しています。
そんなチャックのルーツや多様性が垣間見れる自作曲1ダース入りの2ndアルバム。冒頭のヒット曲「Sweet Little Sixteen」でチャックのお馴染みのスタイルがしっかり聴けます。スウィングする複弦奏法に白人ティーンにもウケまくったライフスタイルを見据えた歌詞、と当時じゃなくとも今でも充分に鮮度を保つグッド・ミュージックです。そしてビートルズでもあまりにも有名な「Rock and Roll Music」。タンゴでもマンボでもなくロックン・ロールなんだと歌い、ピアノでロックしてくれと韻を踏んだ後にジョニー・ジョンソンが連打するとこなどたまりません。小ヒット「Oh Baby Doll」はメイベリーンと同様のビート。他にもロックンロールでは「Reelin' and Rockin'」がありますが、黙ってきいてたらほぼカントリーな「It Don't Take but a Few Minutes」など、楽しく聴ける12曲の構成。ラテンな「La Juanda」あたりセンス抜群です。アニマルズがカヴァーを残したブルージーな「How You've Changed」も本作です。また半分ほどあるインストでは、ジェフズ・ブギーの元曲で注目の「Guitar Boogie」、ブルース「Blue Feeling」に「Low Feeling」、スウィング・ジャズ風「Rockin' at the Philharmonic」、R&Bな「In-Go」など雑食性豊か。
「モンキー・ビジネスと揶揄しつつ、ロックンロールを人生にした男チャック、R.I.P.。 Hail! Hail! Rock'n'Roll !」
Sweet Little Sixteen
Rock 'n' Roll Music
goldenblue
No title