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音系戯言

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Wool / SMAP * 1997 Victor

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 ずっと当たり前にあるって思ってたものが無くなるのは辛いこと。エンタメも一緒で、SMAPというグループが、今年最後に消滅しちゃうってのはまだ信じ難いです。考えたら自分が学生の頃からずっと存在していて、25年間も輝き続けて活動していたってのも驚愕。これだけ長きに渡って国民レベルで楽しませてくれたことは感謝です。昨年、NHKの仕事で東北被災地に出向き、収録が済み中継もないのに600人あまりの地元の人だけに名曲‟世界に一つだけの花”を5人が自発的に歌い、皆が涙したってのも泣ける話です。いろいろ人間関係って難しいし仕方ないけど、また何年かして集まって歌ってくれることを期待します。しかしキャラの面白さに加え、トーク、コント、芝居と各々プロフェッショナルで少し完璧じゃないとこが身近で最高でした。女の子以外の、男や年配の人達にもファンが多い稀有なアイドルだったのも凄いとこ。音楽は意外性含め、いつも注目でしたが、90年代のNYファンク期あたりからは真性音楽ファンも熱心に聴くハイレベルさも維持して楽しませてくれました。
 そんなSMAPに改めて感謝ってことで97年に出たファンク期のベストです。当時、車とかでもよ〜く聴いたグルーヴィーでノリの良いスマップが満喫できます。岩田雅之や庄野賢一、林田健司、CHOKKAKUって音楽的に支えた立役者と共に、自由度の高い歌が魅力。森クンがいた6人時代後半位からN.Y.ミュージシャンとのコラボも始まりましたが、冒頭がその最初期94年“006”収録の「働く人々」。William"JuJu"House(E.U.)のドラム、James GenusのベースにブレッカーBrosのホーンをバックに、結構生活臭い題材を取り上げるっていうお得意のファンク・スタイルが確立です。ウィル・リーのブリブリ・ベースも光るスマップ版タワー・オブ・パワー96年「気になる」や、何回聴いても興奮した大ヒットでデニス・チェンバースのドラムも話題だった94年「たぶんオーライ」、デヴィッド T.ウォーカーも絶妙に弾きまくる「人知れずバトル」、Wah Wah ワトソンのファンキーなカッティングが光るアルバムVerの95年「KANSHAして」、トニー・レヴィンとレイ・パーカーJrのコンビネーションも抜群な96年「シャンプー3つ」、最初期のファンク・テイスト93年「ポケットに青春のFun Fun Fun」と思い出深い名演が続きます。そして凄いのがこのバックに歌が負けずとちゃんと主役で君臨してます。この存在感が、やっぱスマップです。その中で特筆すべきが、神保彰のドラムを加えた本作別ヴァージョン「しようよ」で、間奏での超絶的なプレイは語り草になってるほど。そして、この時期のメロウ傑作「どんないいこと」もフィル・ウッズのサックス入りの別ヴァージョンと、侮れない仕様となってます。6人時代末期の96年「胸さわぎを頼むよ」もやはり超名曲。オマー・ハキムとウィル・リーのリズム隊も気持ち良すぎでスマップを引き立てました。未発表曲だった「突然の夏」はデイブ・ウェックル、「月に背いて」はバーナード・パーディが各々ドラムを叩くグルーヴィーな良曲。この辺の良質コラボで、男性ファンも多くなったもんです。
「ありがとう、スマップ! 名曲の数々、これからも楽しませてもらいます!」

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