Once More With Feeling / Dorothy Moore * 1978 Malaco

Southern & Deep
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 70年代後半位から急に聴くべきモノが激減するサザン・ソウル。実は簡単なようで、ええ塩梅の味を出すのが非常に難しいのがこの手の音楽で、器材の進化に比例して音の方は陳腐化が進んだジャンル。エイドリアン・ヤングやないですが、68年くらいの機材・音処理のアナログ・テイストで録音してこそ輝きが倍増するややこしいジャンルです。ダンス・ミュージックやアーバンなメロウ・ソウルはデジタル・テイストでもエエのが多いのに、この味噌汁音楽はやたら手作りアナログ感覚と相性が良いのです。なので歌の技量に関係なくサザン系の優秀シンガーが時代とともに懐メロ歌手化していった感じですが、唯一スタジオの進化にもなんか分からん特効薬で輝きを与え続けたレーベルが、スタックスSS7フェイムではなくマラコでした。ベーシック・ソウルの良さを守り抜いた優秀なレーベルです。
 そんなことで、あの泥まみれの音楽にモダン・テイストを注入したマラコの筆頭シンガー、ドロシー・ムーア。南部のグラディス・ナイトと呼ばれるほど、声質もスタイルも似てますが曲作りでもあの“Neither One Of Us”で名を上げたJim Weatherlyを多く起用して見事なアルバムを作ってます。鳥肌モンの絶品スロウ「Being Alone」はじめ「If I Could Just Find My Way Back To You」、「He Knows Just Where To Touch Me」と、ドロシーのスムージーなハスキー声とジムの曲が抜群の相性。グラディスも74年作で歌った「The Going Ups And The Coming Downs」までリズミカルにカヴァーしてます。そして更に格を上げるのがサム・ディーズ作の2曲でビル・ブランドンでも有名な「Special Occasion」と、人気のライト・メロウ「Girl Overboard」。ラルフ・グラハム作グルーヴィー傑作「What Am I To Do」も今のフリー・ソウル的な曲調でグレイトです。サザン・ソウルの範疇に収まらないポップなテイストも素晴らしく、なによりドロシーの魅力的な声に惹かれます。他も、「(We Need More) Loving Time」あたりモダンなミディアムで心地よくドロシーが歌ってます。一番、南部らしいつくりのキング・フロイド作「Write a Little Prayer」はホッコリするものの正直そこそこ。
「美味しい実を作れなくなった南部の畑を整地したマラコ・サウンド。落ち着いて聴けます!」

Being Alone


Girl Overboard




テーマ: Soul, R&B, Funk | ジャンル: 音楽

Stairsteps / Stairsteps * 1970 Buddah | Home | Dreams All Come True / Jeanette Jones * 2016 Kent (Golden State)

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