Take Me To The River (A Southern Soul Story 1961-1977)/ Various Artists * 2008 Kent

Southern & Deep
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サザン・ソウルという魅惑の響きに魅せられて数十年。この60〜70年代に一時代を築き上げた素晴らしき様式美を体系的にまとめあげた編纂モノ。じっくりディープなソウルを聴きたい時にコレほどよく整理されたものは無いってくらい、基本を中心に聴かせてくれます。時間を忘れて聴き入ってしまうソウル黄金時代の名演が、最良のリマスター音質で味わえる贅沢な名編集。洒落たグルーヴィー・ソウルや、ちゃらいディスコ・ソウルも良いですが、時にとっくに廃れたこの濃ゆ〜いのを聴いとかんと私の体内細胞は満足しません。
 3分の曲中、僅か数か所のフレーズで涙し、その一瞬の感動を追い求めるのがサザン・ソウルの病み付きポイント。61年のスタックス初期を飾る歴史的バラード「You Don't Miss Your Water」を歌い上げたWilliam Bellから、こだわりの75曲。じっくり聴かせます。この分野でのキングOtis Reddingデビュー曲「These Arms Of Mine」の素晴らしさには何度聴いてもシビれますが、「Try A Little Tenderness」は(Take 1)なる聴いたことなかったテイクでこちらもグレイト。もちろん、Percy Sledge「When A Man Loves A Woman」、James Carr「The Dark End Of The Street」、 Aretha Franklin「Do Right Woman, Do Right Man」、Laura Lee「Dirty Man」、 Etta James「I'd Rather Go Blind」 、Don Bryant「 I’ll Go Crazy」、Spencer Wiggins 「Uptight Good Woman」 といった、金字塔となる超定番もしっかり収録。一方で、唯一の例外として西海岸録音ながら重要曲として収められたJoe Simonの64年作「My Adorable One」、絶品レディ・ソウルJune Edwards「You Ain't Woman Enough」、洗練された作品で知られるAl Johnsonの初期67年「Bless Your Little Sweet Soul」、白人ながらマッスル・ショールズで活躍した要人Eddie Hintonの傑作「Cover Me」など比較的知られていない名演も聴け、選曲の素晴らしさに唸ります。今年ダン・ペンのオリジナルも聴けるようになったJames & Bobby Purify「She Ain't Gonna Do Right」も激グレイト。
 60年代中盤から後半にかけては、単独編集も待たれるチェスのダイナマイト・デュオMaurice & Mac「You Left The Water Running」、泣き崩れるしかないBill Brandonの名唱「Rainbow Road」、ナッシュビルの偉人Joe Tex「Buying A Book」、フロリダのレディ・ソウルGwen McCrae「Lead Me On」といったところにグッときますが、Ollie & The Nightingalesの未発表曲なんかもシレっと聴けます。Fame絡みの要人Clarence CarterCandi Statonもさることながら、熱さ満開のKip Anderson、Thomas Bailey、Jimmy Braswell、ここで初めて聴いたPaul Thompsonといったマイナーながら胸を打つ名唱も嬉しい収録。
 そしてモダンな要素も帯びてきた70年代も、メンフィスの貴公子Al Green出世作「Tired Of Being Alone」を筆頭に、Mel&Tim「Starting All Over Again」、ミック・ジャガーも大好きFrederick Knight「I've Been Lonely For So Long」Luther Ingram「(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right」、Soul Children「I'll Be The Other Woman」など重要作をバッチリ収録。Ann Peebles、Denise LaSalleのHi録音、King Floyd、この時期を代表するレディ・ソウルMillie Jacksonといったポイントもしっかり押さえてますが、George Jackson「How Can I Get Next To You?」を入れてるとこにセンスの良さを感じます。シーンを支えた功労者Sam DeesBobby Womackや、水前寺清子ばりの歌唱を聴かせるTommy Young、初聴ながら素朴な良さを教えてくれたChet Davenport、オーラスをブルージーに〆るGeater Davisとコテコテの素晴らしさを満喫。
「サザン・ソウルのバイブルとして何年も君臨しそうな圧巻の3枚組。ベタの美学です!」

William Bell - You Don't Miss Your Water


GWEN McCRAE - LEAD ME ON


Bill Brandon - Rainbow Road


テーマ: Soul, R&B, Funk | ジャンル: 音楽

Dreams All Come True / Jeanette Jones * 2016 Kent (Golden State) | Home | Twelve Reasons To Die / Ghostface Killah * 2013 Soul Temple

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