The Last Waltz / The Band * 1978 Warner

Roots Rock
last waltz

 ロックの素晴らしさを見事に切り取った、1976年に行われたThe Band最後のステージ「ザ・ラスト・ワルツ」。音楽の力が信じられなくなった時、聴くべき名演集です。前提にあったマーティン・スコセッシが撮った映画も、構成・カメラワーク共にこの手のモノで最高峰で、この夜を最良の形で伝えてくれます。ロビー・ロバートソンが、ビジネス・ライクにでっち上げたとかオーバーダブだらけのパッチワークだとか色々いわれてますが、劇的なこのコンサートを後世に形で残してくれたことは大いなる功績です。ライヴ活動を終わらせたかったロビーと、反対したリヴォン・ヘルム等の残り4人は結局、対立してこのメンバーでのThe Bandはあとスタジオ盤1枚で終結しますが、70年代ロックの集大成的な内容となった大傑作です。
 根幹を成すライヴは、The Bandの名曲群と、ノーギャラで参加したという同志ゲスト達の名曲を共演するという、たまらん内容。ゲストでは、初期キャリアで共にしたRonnie Hawkins、縁深いニューオリンズからDr.John、ハープを決めるPaul Butterfield、メンバーも喜んだ巨匠Muddy Waters、ギターバトルも伝説のEric Clapton、同郷のJoni Mitchell、言うほど悪くないNeil Diamondと、名場面続出。映画には映らなかった名ライターBobby Charlesも客演です。中でもハイライトとなるのは3人の男達。コカインを決めて絶好調だったというNeil Youngは素晴らしすぎる傑作「Helpless」はじめ3曲で好演。中盤登場のVan Morrisonも存在感抜群で、リチャード・マニュエルと歌った「Tura Lura Lural」、伝説ともなった名演「Caravan」で大いに盛り上げます。そしてトリで出てきた盟友Bob Dylanは鬼気迫る熱演で、最後となる阿吽の呼吸を見せつけます。特に大名曲「Forever Young」から予定外だったという「Baby Let Me Follow You Down (Reprise)」への流れは何べん聴いても鳥肌モン。アップ・グレード盤に収められた「Hazel」含め必聴です。大団円となる出演者全員にRingo Starr、Ronnie Woodも加わった「I Shall Be Released」は“感動”の一語しか見当たらない場面で、最後まで歴史的名演が続きます。このままアンコール的にゲストでジャムった後、真夜中のオーラスがゲスト抜きでの「Don't Do It」。これがまたリチャードとリヴォンのWヴォーカルがシビれる絶品で、映画のオープニングにもなってます。5人のお馴染み曲も「It Makes No Difference」、「The Weight」、「Acadian Driftwood」、「The Night They Drove Old Dixie Down」あたり、熟練のアンサンブルも最高。ロビーのシビれるピッキング・ハーモニックスも冴えまくってます。最後に組曲としてMGMスタジオでの録音が入りますが、これがまた絶品。カントリー・テイストのEmmylou Harris「Evangeline」、珍しくロビーが歌うバラード「Out of The Blue」、ここで完成形ともなったゴスペルThe Staplesとの共演の名曲「The Weight」とこれらも実に素晴らしき内容。
「ルーツ探訪への旅は、70年代終焉と共に閉幕。表層は変わっても本質は変わらず。」

Don't Do It


Neil Young - Helpless


Van Morrison - Caravan


I shall be released


テーマ: 洋楽ロック | ジャンル: 音楽

Live and Dangerous / Thin Lizzy * 1978 Vertigo | Home | Dictionary / 石田長生 * 1996 meldac

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