Newport 1958 / Mahalia Jackson * 1958 Columbia

突然、襲ってくる非日常。地球上で頻繁に地震が起きますが、1人でも友達がその地にいるとなると、当たり前のことながら身近に感じ、怖くもなります。被災し翻弄される地域の方々に対し平穏な生活が戻ることを祈るだけです。本来、ここで天国へ行く予定じゃなかったのに連れて行かれた人や、家を離れなければならない人には、何とも言いようがありません。何もできない地の人ならささやかな支援だけでもするのが懸命です。でも、こういうときにはフェイスブックってのは役立ちますね。久しぶりに使いましたが、安否確認の連絡網としては最適です。仲良かった熊本在住の先輩にも連絡が取れて一安心です。そこでアップされてた、製薬会社勤務の別の先輩ベーシストが自ら出演する、笑みが溢れるCMも見れてホッコリです。そんなことで、普段の喜んで聴いてるアホみたいな音楽も、なんとなく後ろめたくてスッと入ってきませんので、神に祈る気持ちでスピリチュアルな黒人霊歌です。
人間、誰しも気弱になったときには何かにすがりたくなるもの。無宗教な私も時に都合よく神に祈ります。元々、無理矢理に奴隷として連れてこられた黒人が、与えらたキリスト教を元に苦しみからの解放を求めて発展させたゴスペル。祖父母が奴隷ニグロだったマヘリアの伝説のニューポート・ジャズのライヴでは「An Evening Prayer」から、優しく、雄大に、力強く人間を鼓舞してくれます。ミルドレッド・フォールスのピアノ、オルガンと共にマヘリアの声は会場を一体にします。映像でもお馴染みの「Walk Over God's Heaven」から「The Lord's Prayer」の流れはなんとも感動的です。リズミカルな躍動感を持ったゴスペル「Didn't It Rain」や、美しすぎる「My God Is Real 」、スタンダード「Joshua Fit The Battle Of Jericho」と、ごま塩と飯だけがこんなに旨かったのかというように惹きつけます。そして最後に、どんな苦境にあっても神は見守ってくれると説く「His Eye Is On The Sparrow」。あらゆる人を励ましてくれる素晴らしい歌唱です。
「苦しい時に心をリセットするのは大変なこと。人の力で励まし合ってください!」
Newport Jazz Festival 1958
His Eye Is On The Sparrow
新神戸山脈