The Even Dozen Jug Band / The Even Dozen Jug Band * 1964 Elektra

Roots Rock
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  関西人の家に必ずあるのが、「たこ焼き器」と、キー坊と有山の「ぼちぼちいこか」。これ常識。超のつく名盤で、国宝級の傑作の数々は、なぜか東京の街で聴いてもしっくりきません。土曜の昼下がり、花紀京あたりが出てる頃の吉本新喜劇が終わった後のほっこり暇な時間に聴くのが一番ハマる感じ。有山が歌う「梅田からナンバまで」や、金子マリとキー坊が歌った「買い物にでも行きまへんか」あたりの名曲は、そのルーツとなるものが存在していて、アノ時代にタンパレッドのThe Hokum BoysWashboard Samあたりの戦前ラグタイム・ブルースを聴いて影響を受けていたとは奥深すぎです。1920年代の黒人音楽ジャグ・バンドを、白人がリバイバルした1960年代のイーヴン・ダズン・ジャグ・バンドも、“ぼちぼちいこか”ファンならお気に入り間違いなしの名演です。
 これは64年に残したバンド唯一の作品で、ジャグ・バンド・サウンドをがっつり聴けます。マリア・マルダーはじめ、アーシーなマンドリンを鳴らすデヴィッド・グリスマン、ハープを吹くジョン・セバスチャン、洗濯板を鳴らすスティーヴ・カッツなど後の著名なミュージシャンもここから巣立ってます。グレイトなステファン・グロスマンのギター&バンジョーもバッチリ。ディキシーランドジャズやラグタイム、カントリー、ブルースが一体となった、ジャグ・サウンド(←水道の蛇口をベースに使用したのが由来)がたまらんです。もちろんフィドルやバンジョー、カズ−も大活躍。初っ端の「Take Your Fingers Off It」から楽しさ満開です。ウォッシュボード・サムをカヴァーした「Come On In」では、後にアル・クーパーと組んで活躍したスティーヴ・カッツと21才の歌姫マリア・マルダーが、キー坊&金子マリの如く素晴らしいデュエットを聴かせます。 Come on in Ain't nobody here but me♪が“買いもんでもいきまへんか♪”とした関西人センスも改めて脱帽の素晴らしさです。バックで鳴り続けるカズ−の響きも最高。Memphis Jug Bandの「Overseas Stomp」、カズ−もええ味の「France Blues」でも軽快な歌声を聴かせます。また「Mandolin King Rag」や「The Even Dozens」、「Original Colossal Drag Rag」なんかのインストはジャグ・バンドの“踊れる感じ”の楽しさをバッチリ伝えます。「I Don't Love Nobody」や「On The Road Again」を歌うピート・シーゲル、「Rag Mama」や「All Worn Out」を歌うピート・ジェイコブセンもそれぞれ、エエ味。
「全てのバンド・サウンドの根源となるスタイルが楽しめるゴキゲンな音。なんにもイキってない粋音ですわ!」

Take Your Fingers Off It


Original Colossal Drag Rag


テーマ: 本日のCD・レコード | ジャンル: 音楽

Open Your Eyes / Maria Muldaur * 1979 Warner Bros | Home | I've Got My Own Album to Do / Ron Wood * 1974 Warner

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