Snakeman Show 急いで口で吸え / スネークマン・ショー * 1981 Alfa

シュールな笑いが欲しかったので、ここはスネークマン・ショー。なんか、今の気分に合います。日本のラップとしても、先駆者的な曲を出していて、スチャダラパーやイースト・エンドよりも10年前にラップ・ヒットを放ってます。で、改めて久々に聴いた「咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3」や音源コント。ん〜、この時代にしては超斬新です。今で言うとグループ魂やヨルタモリの感じがシュールでいいです。ここでの中心人物、今も活躍のスネークマンこと小林克也氏。ベストヒットUSAの司会で当時、毎週見てた人です。番組での流暢な英語や、自分の音楽趣味を露わにせず、ゲストの外タレとも対等にしゃべる対等に話する姿勢も好感でした。J.B.御大が登場し、プレスリーを超えたとか、持ち歌が2000曲あるといったセルフ・ブーストを続けるインタビューを引き出したのも伝説です。なんせ司会やナレーターの真面目な姿を見てただけに、このチャラけたコミカルな面の落差に驚きましたが、タレントやアーティストの面も魅力的です。
桑原茂一と小林克也、伊武雅刀の3人でラジオのギャグ番組から始まった企画に、当時の精鋭ミュージシャンがジョイントして作られた本作。今、聴いてもおもろいです。絶品の「咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3」はブロンディ“Rapture”を下敷きにYMO一派(細野晴臣、高橋幸宏など)が演奏したコミカルでグルーヴィーなラップ。後半、モノマネ入り乱れのコントになり“Here We Go Everybody Come On Rock'n Roll”のフレーズ戻るトコなんてクールです。まだカーティス・ブロウやシュガーヒル・ギャングの時代にコノ曲やナンバーワン・バンドで“うわさのカム・トゥ・ハワイ ”でラップを実践してた小林サンはやっぱ凄いです。コントも最高で、薬局で買いにくいコンドームを買うやりとりの「これなんですか」や、当時来日して大麻で逮捕されたポール・マッカートニーの取り調べ室のやりとり「はい菊地です」、新しく組んだバンドのスタジオでなかなかシンガーが歌えない「Stop The New Wave」あたり笑えます。合間の音楽も、YMOの新曲「磁世紀 -開け心-」、シーナ&ロケッツ「レモンティー」、イギリスのネオロカThe Rockats 「All Thru The Nite」、モータウン・カヴァーのサンディー「ジミー・マック」、プラスチックスとYMOでのJ.B.パロディみたいなThe Crap Heads「黄金のクラップヘッズ」など、センス抜群。他にもクラウス・ノミやムーン・ライダーズ、加藤和彦なんかも参加。
「音楽と笑いのバランスが絶妙のスネークマン・ショー。こういう番組、やってくれないですかね〜」
咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3
これ、なんですか?
片山ニク