Face Value / Phil Collins * 1981 Virgin

Mainstream
phill collins



 自分がガンガン音楽を聴くようになった80年代初頭。今から見ると、やっぱサウンドが大きく変貌した特徴的な時期でした。今では当たり前のことの全てが斬新な時で、まずデジタル・シンセDX-7が登場。これは必ずスタジオにあって、万能神器のようにもてはやされてアマチュアまで浸透。で、誰もが同じ音に。そしてライトハンドと言われたギターのタッピング。これも曲調関係なく取り入れすぎで、ウンザリするほど氾濫。あと、新鮮に鳴り響いたのがゲート・リヴァーブと言われるヒュー・パジャムが始めた革新的なドラムの音処理。当時は急にイーグルスの音とかが20年前の音楽みたいに古臭く感じるくらい先進的でした。まあ、あまりにカッコよく感じて大流行し、デジタル機器なので誰でも何処でも同じことがスキル以上にできるようになったこともあって、80年代半ばになると極端な話、どれ聴いても同じ音みたいになってしまったのは功罪でした。あの人でないと、っていうのが段々無くなっていきます。ヴォーカリスト以外は。
 そんなことで近所のオッサン的イメージで大成したフィル・コリンズ。80年代はどこにでも顔出す人って感じでジェネシスのドラマーというより、ソウル好きのヴォーカリストってイメージの方が勝ってました。そのコリンズがヒュー・パジャムと組んで革命的なサウンドを編み出したのが本作冒頭の「In the Air Tonight」。曲中盤から出てきます。あのドラム・サウンドが。コレ以降、ホール&オーツやらパワー・ステーションやらでもガンガン使われたゲート・リヴァーヴの夜明けです。あまりに特徴的すぎて飽きられちゃいましたが、最先端の音を提示したのがコレでした。今でもたまに聴くと気持ちイイです。この曲のインパクトが強いですが、他も普通に良い曲が入ってます。ジェネシスの曲を再録音した「Behind the Lines」は優秀なポップ・ソウルで最高。アースから参加のフェニックス・ホーンズもエエ味出してます。直後に出た、フィルの最高傑作と信じるジェネシス“No Reply at All”に通じるカッコよさ。You Tubeで元のジェネシス版を聴いてみましたが全然違うプログレ版でした。結構、実験的なことも演ってて退屈なとこもありますが、シングル曲「I Missed Again」や、「Thunder and Lightning」のホーン参加のポップな曲は後のソロ・ヒットとも相通じるポップさでイケてます。「I'm Not Moving」なんかも優秀ポップで、ヒュー・パジャムと聞いて構える必要なし。「If Leaving Me Is Easy」なる優秀メロウ・スロウも聴けます。ビートルズの「Tomorrow Never Knows」もプログレっぽく演ってます。現在はデラックス・エディションもありで、ライヴやデモ音源も追加。あの名バラード「Against All Odds」のデモ・インストも収録です。
「なにげにFMで、何でもアホみたいに聴いてた80年代初頭。実は激変期でした!」

Behind The Lines


In The Air Tonight


テーマ: アルバムレヴュー | ジャンル: 音楽

In Vogue / Japan * 1996 BMG | Home | The Many Facets of Roger / Roger * 1981 Warner Bros

コメント

コメントの投稿


 管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ