Say It Live and Loud: Live In Dallas 08.26.68 / James Brown * 1998 Polydor

さぁ降りてきました、神が日本に! 映画「ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~」が封切りです。早速、ららぽーとで拝見。マジで音楽映画でも1,2を争う素晴らしき内容で必見です。ここは脂が乗りまくってた頃の超激熱ライヴを! 90年代に入り“Star Time”や“Foundations Of Funk”、インスト・ベスト“Soul Pride”なんかで小出しにされてて、ファンが一日千秋の思いで待ちわびた発掘ライブ・アルバムが、この68年ダラス録音。これで67年録音ニュージャージーとN.Y.アポロ2枚目、69年のジョージア、71年のパリ・オリンピアにN.Y.アポロ3枚目と、クリームの5年間での6枚ものライヴ録音が出揃った格好。ハッキリ言ってすべて必須です。ハイ、これほんま。ライヴ聴かずしてJ.B.知ることなかれって言うほど、スリル溢れるファンクの真髄が堪能でき、映画でも要所で登場。ここでのバンドもクライド・スタブルフィールド&スウィート・チャールズ・シェレルのリズム隊にジミー・ノーランのギター、そしてセント・クレア・ピンクニーにフレッド、メイシオ、ピーウィーと揃い踏みするホーン・セクション、女房役にマーヴァ・ホイットニーと役者がズラリです。
肝心のオープニングMCはメイシオが担当で熱い「Show Introduction」から登場すると、トニー・ベネットのスロウ「If I Ruled The World」をwithストリングスで余裕シャクシャクのスタート。キング牧師が暗殺されたこの年、聴衆も声高らかにレスポンスする「Say It Loud-I'm Black And I'm Pround」、熱いバラード「I Guess I'll Have to Cry, Cry, Cry」、ウィルバート・ハリソンの「Kansas City」とファンクは小出しの憎い構成。そして御大が一旦引っ込みバンド・タイムですが、ここでファンク・ボムの導火線にいよいよ着火。「Soul Pride」から、皆大好き「Tighten Up」になだれ込んでソロ廻しする場面など興奮です。メイシオの仕切りも抜群。そうするうちに、お馴染みのヒット曲連呼での煽りが始まり御大が再登場。怒涛のファンク・タイムに突入で「Licking Stick, Licking Stick」からマジ鳥肌もん。ソロ廻しに“Soul Man”や“Ride Your Pony”を盛り込んだ長尺な「Cold Sweat」の後に登場する「There Was a Time」がこれまた歴史的名演。恐ろしいくらいの緊張感をクライドのビート中心に構築です。スロウ「Medley」の後には「Papa's Got a Brand New Bag」、「I Got the Feeling」、「Maybe the Last Time」、激高速「I Got You」と客大喜びの必殺曲連打。軍隊のように乱れることない統率でバンドも突き進みます。マント・ショー「Please Please Please」で大団円と思いきや、再び勃起確実の鋭角的ファンク「I Can't Stand Myself」。シビれる〜 最後は再びこの時期の重要曲「Say It Loud-I'm Black And I'm Pround」で〆です。
「ゴッドファーザー・オブ・ソウルの異名が誇張でも何でもないことを証明するライヴ。映画の後に是非!」
There Was a Time
Tighten Up
片山ニク