Light Mellow / しばたはつみ * 2014 Clumbia

“はずみで抱いてもいいよ”となんか言われたことないですが、ドキッとするほどの説得力と歌唱力で迫るのが、しばたはつみ。評判のLight Mellowシリーズで聴いてみました。こういう企画モンでもなかったら、まず聴くことがなかった人。子供の頃、たまにTVで見たことある人で紅白にも出てた記憶だけがあった人です。ただ日本人離れした本格的な歌唱をする人やったというのは、宮本典子なんかと同様、なんとなく覚えてます。ヒット曲もひとつもも知りませんでしたが、今の視点で普遍的かつクールな楽曲を集めたLight Mellowならイイ曲に出会えると思ってトライです。
やはり最初の興味はソウルのカヴァー曲。注目はチャカ・カーンの激傑作1st“A Woman In A Man's World”のカヴァー、79年「はずみで抱いて」。原曲も超カッコいいですが、はつみさんの妖艶な日本語カヴァーも絶品。70'sディスコ風なアレンジも秀逸でクレジットを見るとパラシュート(林立夫、松原正樹、今剛、斉藤ノブ)のバックで後藤次利プロデュース。まさに日本のレア・グルーヴ的名演です。キャロル・セイヤー・ベイガー“It's The Falling In Love”はマイケルで有名ですが、ココでは「バイバイ・ジュエル」として見事な日本語カヴァー。腕利きミュージシャンのナイス・グルーヴのなか、カッコいい歌唱。今のJ-R&Bシンガーと比べると格上を感じます。またルパン三世のサントラで名を上げた日本のグルーヴ・メイカー、大野雄二手掛ける75年「シンガーレディ」は超絶グルーヴのなか、ジャジーにキメてくれてます。今もフロアで人気という超カッコ良い曲。大野雄二関連でいくと76年のジョン・レノン「Love」をポンタのドラム中心にグルーヴィーに変貌させたカヴァーや、幾見雅博氏のDavid T.Walker風ギターも冴え渡る77年「Feel Like Makin' Love」や、スティーヴィーの「I Wish」も秀逸。そして悶絶メロウ「もう一度聞かせて」といったオリジナルもあまりの高品質に腰抜かします。一方、ファンクに迫る「アンヌの物語」や、木森敏之の手掛ける75年「最終夜行列車」、クニ河内の「古い服なんか」もジャパン・メイドのソウルとして絶品。80年代も、エイブラハム・ラボリエルやグレッグ・マティソンがバックについたL.A.録音「Remind Me」や、音楽的には素晴らしい才能を持つ海老名泰葉(←小朝の元嫁)作のグルーヴィー・ナンバー「最後のリクエスト」、久石譲アレンジの「ラテン・ナイト」がたまらん出来曲が続々。最後は椎名林檎もカヴァーした「マイ・ラグジュアリー・ナイト」。唯一のヒット曲と言われる曲ですが、素晴らしいメロディを持ったスロウでマジ名曲。
「日本にもこんなにクールなグルーヴがあったと気付かされるナイス・コンピ。全然、古くない!」
ダイジェスト
シンガーレディ
duke
No title