1st OPTION 30th Anniversary Edition / Barbee Boys * 2015 Sony


昭和最後の美人って誰やったのか? そう言われると夏目雅子、美空ひばり、小林ひとみなど様々な人を思い浮かべるでしょう。ロックの世界でいくと、やっぱコノ人、バービーの杏子嬢! フレアーなスカートを華麗に体ごとクルクル回して、セクシーに歌うハスキー・ヴォイスは鮮烈でした。もちろん平成の時代も御活躍ですが、まさに女ぎつね杏子が駆け巡った80年代後半。新感覚のビート・バンドだったバービー・ボーイズのアイコンとして一際輝いていました。イマサが奏でる斬新なギター・ワーク、コンタの甲高いストレート・ヴォイス&サックスと共に三位一体となって繰り広げられた平成の架け橋となったオリジナリティ溢れるロック絵巻。これは今もビカビカに光ってます。
そんなことで3rd Breakで衝撃を受けその後に、聴いたバービーの昭和60年(1985)デビュー作。30周年リマスター&同年の渋公ライヴと共に再登場です。アンディ・サマーズをさらに鋭角的にしたようなイマサ氏の絶品ギターを軸に、まるでドラマのように男と女の会話を感じさせる曲は見事の一語で、今もこんなもん無いです。その証拠に、サウンドは30年前とは思えない新鮮さで、面白い音に耳釘付け、歌に興奮と、ほんとスリリングで良いバンドでした。その象徴ともいえるデビュー曲にして大傑作が「暗闇でDANCE」。カッティング&ハーモニクスのリフに、緊張感溢れる杏子&コンタの交互の歌、シビれるサックス・ソロと完璧な曲構成です。後半の2ndシングル「もォやだ!」から始まるコノ曲に至るまでの怒涛の展開は鳥肌モンで、エンリケのブリブリ・ベースも光る「Blue Blue Rose」、メロウな「小僧-cryin’on the beach-」も秀逸。もちろん、疾走するオープニングの「帰さない」、「ふしだら VS よこしま」、「Shit! Shit! 嫉妬」の3連発も強烈。タイトルからしてワクワクする曲が目白押しですが、この時点で既にバンド・サウンドが完成形なのに驚かされます。そしてガッツ・ポーズなのが今迄無かった公式無修正ライヴ音源の登場。2枚目“Freebee”発売直前で、1stの殆どの曲に「負けるもんか」や「マイティウーマン」、名曲「チャンス到来」とバービー・クラシックの嵐。これは興奮です。加えて、ライヴの定番「飛んでみせろ」、シングル曲の「MIDNIGHT CALL」、「瞳の奥でまばたくな」と、コイソ&エンリケのタイトなリズム隊もライヴで浮き彫りに。レコードにならなかった「あいさつはいつでも」や「わたしぢゃないの」も聴けます。後者は杏子のバービー最初期のソロで奥に秘めたエロスも漂う、まさにマーべラスな音源。
「高校2年から変わらん自分のアホさ加減と、バービーの先進性を見つめ直した優秀復刻。グレイト!」
暗闇でDANCE
もォやだ!
片山ニク