Happy House / Sheena & The Roketts * 1988 invitation

一つのことをやり続けるってホント大変な事なのに、こんなにブレなかったバンドも珍しいです。自分がティーンだった頃から現役で演り続けてくれてた貴重なバンドで、これはもうThe Modsと並んでリスペクトの存在でした。新作が出ても必ず期待に応えてくれ、ストレートなR&R、シーナのキュートなポップ・テイストがいつも絶妙のバランスでした。しかも絵的にもクールで、ロックのアイコンとしてかくあるべきみたいなことを自然体でやってくれてた素晴らしいバンド。そんなシナロケのヴォーカリスト、シーナが永眠。生涯、ベスト・パートナー鮎川誠とのR&R絵巻を披露し続けてくれると思ってったので、あまりに早すぎ。去年も新作をブチかましてくれてた中で、唐突すぎます。今では貴重な、ロックのカッコよさを分かってる現役ロッカーだっただけに残念。コレは自分が大人になる少し前にリリースされ“流石!”と思わせてくれた、とてもヒップに存在感を示した傑作R&Rアルバム。最高のR&R夫婦に敬意を表して紹介です。
基本は変えずに様々なスタイルを披露してくれてましたが、ココではN.Y.録音ってこともあって鮎川誠のラフなワイルドなギターを全面に押し出した実にカッコいいミックスで全編ロックン・ロールしてます。中でもガッツポーズ連発だったのがアルバム前半部分。冒頭のドライヴィング・ナンバー「Happy House」は代表作の一つともなった、このバンドの素晴らしさを体現した激傑作R&R。鮎川氏のロック・ギターとはこうやって弾くモノっとでもいうような素晴らしいプレイに、シーナのキュートでスリル溢れるヴォーカルが乗っかる無敵ナンバーです。“人生は童話のストーリー”と言ってのけたシーナの歌詞も最高すぎます。勢いそのままにファスト・テンポでぶっ飛ばす「Jet Coaster」もエクセレントの一言。なんじゃかんじゃ色んな音楽聴いてても、やっぱロック最高やなっと引き戻してくれます。続く「Wild One」ではシーナも声をぶっとくしてタイトル通り、ガツンとかましてます。そして鮎川氏へのピュアな愛も感じるスロウ「Glory Of Love」は、今聴くと泣けてくる名曲。「Ya Ya Ya」や「Rough Neck Blues」ではホーンも上手く導入してますが、後者はスライド・ギターとシーナ&鮎川のWヴォーカルも光る名演。他も、クリス・スペディングとも共演の「Poison」、モッズなインスト「The Spy」や、コケティッシュなシーナも光るオーラスの「Earring」までガッツリROCKのクールさを伝えてくれます。しかし、こんなにカッコいい二人の並んだ絵がもう見れないのは寂しすぎます。
「女としても、ロッカーとしてもカッコよかったシーナ。今迄、本当にありがとう。R.I.P」
Happy House
Jet Coaster
GLORY OF LOVE
ひるのまり
No title