Nightmares...and Other Tales from the Vinyl Jungle / J. Geils Band * 1974 Atlantic

なんと美人本格派女優、北川景子も大のファンで全部揃えたというJ.ガイルズ・バンド。デヴィッド・ボウィとピーター・ウルフがフェイバリットっていうから、センスあります。80年代に解散しましたが、最近もフル・アルバムこそ出してないものの、チョコチョコ集まって演ってるみたいです。日本にも来てくれへんかなぁ このバンド、大雑把に分けると泥臭くファンキーなAtlantic時代、より洗練されて都会的なアプローチとなったのがEMI時代。どのアルバムも各々聴きどころがあってどれ聴いてもハズレって思うことが少ないグレイトなバンドです。特に70年代中盤の諸作は、個人的に当時のストーンズより好きだったりします。そんなことで、名盤“Bloodshot”に優るとも劣らないグレイトなAtlantic6枚目、イケてます。
中身は1曲目からハート鷲掴みのグレイト・ナンバー「Detroit Breakdown」。激ファンキーなセス・ジャストマンのピアノ、J.ガイルズの切れ味鋭いカッティング、マジック・ディックのハーモニカが絡み合って圧倒的なグルーヴで突き進みます。殆どの曲がVoのピーター・ウルフと、ピアノのセス・ジャストマンで作られてますが、この辺は神懸かり的。ピーターの♪Doing the Detroit Breakdown, Motor City Shakedownってフレーズからしてシビれまくり。そして普通にロックしてるだけなのに無茶苦茶カッコいい「Givin' It All Up」から、本作もうひとつのハイライト「Must Of Got Lost」への流れは完璧。シングル・ヒットもした後者はピーターのソウル趣味も上手く出た哀愁傑作で、アレンジも素晴らしい逸品。パーカッシヴでアフリカンなビートに、ピーターがラップする「Nightmares」で前半を〆た後は、マジック・ディックのハープ爆裂の「Stoop Down #39」。ここらはバンドを1曲で体現したような熱演で、ライヴでも映えそうな名演です。ミーターズを彼等なりに解釈した感じの「Funky Judge」あたりもユルくていいです。最後はシャープなビートに、またもやセスのピアノ&オルガンも大活躍の高速ナンバー「Gettin' Out」で〆。
「脂が乗りまくりの全盛期、J.ガイルズ・バンド。そりゃ北川景子も惚れますわ!」
Detroit Breakdown
Must Of Got Lost
片山ニク
No title