Funky Monkey Baby / Carol * 1973 Philips

無念。闘病中だったジョニー大倉氏が、とうとう力尽きました。自分がジョニー存在を知った時は個性派俳優のイメージが強かったのですが、元々バリバリのロックン・ローラー。永ちゃんに惚れて、聴いたのがキャロルでした。小学校からのクールス・ファンだった友達が貸してくれた“ラスト・ライヴ”は本当にカッコいいジャパニーズR&Rで一発でお気に入り。ジョニーも大きく関わってていたという皮ジャンやリーゼントっていうコンセプトも、ムサい70年代からすると凄くクール。ただのツッパリ・バンドやと思ってる人も未だに多いですが、数多あるツッパリ系とは全然次元が違います。ここまで初期ビートルズ並みにロックン・ロールをカッコよく体現したバンドは、そうそう無いです。ジョニーと永ちゃんの2枚看板も絶妙で、アレンジ・センスやハモリまでクールな巻き舌ロックの先駆者。真摯に音楽に取り組んでたのが、よく分かります。ここはジョニーを偲んで代表作の2ndを。
なんといっても「She Belongs To Him 〜 彼女は彼のもの」。キャロルが終わった後も、ジョニーも永ちゃんも歌い続けた大傑作です。本当にいい曲ですが、一番しっくり来るのは、やっぱジョニーが歌ったキャロルのオリジナル。切ない歌詞に、ジョニーのスウィートな歌声がバッチリはまってます。他も全曲オリジナルで、「レディ・セブンティーン」、「コーヒーショップの女の娘」、「二人だけ」とキャッチーなR&Rからメロウなラブ・ソングまで絶好調。ジョニーの素晴らしさがじっくり味わえます。永ちゃんとWヴォーカル的にハモる「ハニー・エンジェル」、「愛の叫び」なんかでの二人の融合はキャロルならでは。マジ最高。スタイル的にも、チェッカーズなんかの原型がココにあります。また永ちゃんのヴォーカル曲も増えてきて、代表作のひとつ「憎いあの娘」、ソロでもよく演る「ミスター・ギブソン」もココ。そして頭とケツが最高なのが本作で、永ちゃんの出世作ともいえる日本ロックの金字塔「ファンキー・モンキー・ベイビー」は、やっぱキャロル・ヴァージョンが一番です。問答無用の大傑作。ラストの「0時5分の最終列車」もハズせない哀愁R&Rで、ハモりのジョニーもカッコよすぎです。ビジネスマン永ちゃんと比べてあまりにも生き方が不器用だったジョニー。でも二人のハーモニーをもう一度聴きたかった。。裕也さんのニューイヤーでThe PLEASEの時、「いろいろあるけど、続けることが大事」って、ジョニーが真剣に語ってたのが今も忘れません。皆、愛してました。
「サンキュー、ジョニー。安らかに。」
ジョニー大倉~彼女は彼のもの
ファンキーモンキーベイビー
ファンキーモンキーベイビー
Juke
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