Silk Degrees / Boz Scaggs * 1976 Columbia

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 なんか黄昏れてます、バラード聴いて。ここはAORの大御所、ボズ・スキャッグス。私が若い時の印象はと言えば、ドレス・コード付きのライヴを演ったとか、マーヴィン・ゲイアル・グリーンの足元にも及ばんくせに何イキっとんねんという嫌悪感でしたが、今や私もオトナ(←というか初老)。ブルー・アイド・ソウルって言うにゃったらエリック・バードンくらいの熱さで歌えっとか、熱さの無いソウルなんかソウルちゃうって心の狭いコト、もう言いません。なかなかの小洒落たブルー・アイド・ソウル・マンやという認識でたまに流してます。でもジョン・オーツマイケル・マクドナルドとかと比べたら骨太感が無いのですが、このナヨナヨしたしなやかさも気持ち良く感じる年齢になってきました。(←遅い) 
 で、どうしても認めなくてはいけないのが名曲中の名曲「We're All Alone」。こんなええバラード、そうそう書けませんヨ。たまに夜、ギター弾いてて“凄い曲が出きてしもうた!”と思うことがありますが、次の日に冷静になって聴いたらたいしたコトないってのがよくある話。でもコレは出来た時点で万歳三唱したに違いない奇跡曲。二人だけとも、皆一人ぼっちともとれる歌詞も粋で、70年代バラードの代表と言えます。楽しい夏休みも終わり、また家族と離れて過ごす日々が始まった今の私。バカ息子の置いていった冷蔵庫のチョコなんか見ると歌詞の意味は違えど、く〜っ染みるぜ。そしてクール・グルーヴの大傑作「Lowdown」も本作。よりソウルフルなヴァージョンが聴きたければインコグニートのカヴァーが激グレイトですが、オリジネイターであるボズのクールなアティチュードも絶品。フロアから火が点いたのも納得の名グルーヴはエヴァー・グリーンな輝きで、ジェフ・ポーカロの8ビートなのに16を感じさせるハイハット・ワークも絶品。アルバム全体を見渡すと、スカッとした何とも心地良い演奏で統一されていて、そこを仕切ったのが鍵盤奏者デヴィッド・ペイチ。ここでのセッションを元にTOTO結成まで発展したそうです。冒頭の「What Can I Say」もジェフ・ポーカロのビートが気持ちいいブルー・アイド・ソウルで、ボズの少し頼りないヴォーカルもハマります。また「Georgia」がAORと言われる音楽の良さを1曲で表したようなグレイトさ。西海岸サウンドの最良の部分をバシッと伝えます。この爽やかさの中で、ウィルソン・ピケット全力が歌ったら恋人たちのドライヴBGMにはならないので、ボズのライトな歌唱がウケたのも納得。後半に登場の「It's Over」も同じ感じで脳天気な気持ち良さ。他では、レス・デューデックの豪快なスライド・ギターが聴けるサザン・ロックな「Jump Street」、アラン・トゥーサンのカヴァー「What Do You Want the Girl to Do」あたりでは、元々泥臭い指向のボズも垣間見せます。なんとなくTOTOっぽいシャッフル・ビートで時代を彩るモーグ・シンセが鳴り響く「Lido Shuffle」や、もう一つの人気スロウ「Harbor Lights」も優等生なサウンドでAORと言われる所以か。
「お洒落サウンドの代表格とまで言われたボズ。イイ曲書いてます!」

We're All Alone


Lowdown



テーマ: 洋楽CDレビュー | ジャンル: 音楽

Gettin' Ready / The Temptations * 1966 Motown | Home | Naked & Warm / Bill Withers * 1976 Columbia

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