The Singles Volume ten 1975-1979 / James Brown * 2011 Hip-O

James Brown
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キング・オブ・ファンクであるジェームス・ブラウンがディスコに飲まれたような時代のシングル集。輝かしいキャリアの中でも最も威光が薄れた時期であり、信者以外は聴くべき曲が少ないのが残念なところ。もはやトレンド・セッターとしての輝きも無く、新たに登場したディスコに追随したような曲が多く登場するのが特徴です。ディスコ系はそれなりにカッコええスタイルですが、御大が振り回されることはなかったのになぁと感じます。初心者がコノ辺から間違って聴き始めると“なんや、コノおっさん”となること間違い無しです。でも、代表曲といえるようなエッジの効いたファンクはどんどん少なくなってきていたものの、ここぞという時に鋭いバッティングで長打を放っているところは腐ってもJ.B.です。
 冒頭の75年「Sueprbad, Superslick」から自信のヒット曲“Super Bad”をディスコ風味を加えてレイドバックさせたようなグレード・ダウンの焼き直し。合いの手からして“Hustle!!”と女性コーラスで、勇ましいボビー・バードの声ではありません。バンマスのフレッド・ウェズレー(tb)もここでバンドを去ります。象徴的なのが75年の小ヒット「Hot (I Need to Be Loved, Loved, Loved, Loved)」で、一聴してDavid Bowieのディスコ・ヒット“Fame”を流用したのが分かる作り。この辺のあつかましさは好きですが、これまでファンクの模範を示してきた男が追随する格好になるとは寂しくもあります。それよりディスコ風味を加えつつもJ.B.印を前面に押し出した曲の方は、やっぱカッコいいです。ヒット・ナンバー「Get Up Offa That Thing」はイケイケの分かりやすいファンクで、映画「天使にラヴ・ソングを」でデロリスも決めていたナンバー。外部プロデューサー、ブラッド・シャピロを迎えてアラバマにて製作された79年ヒット「It's Too Funky in Here」はコノ時期最大の成果で、オリジナル・ディスコ・マンと宣っただけのことはあります。後年のライヴでも必ずレパートリーに入れてた名ディスコ・ファンクで、低迷期とはいえこんなのがあるから、やっぱコノ人は神です! でも真性ファンクの真髄を味わいたいならコチラ、The J.B.'s名義の76年「Everybody Wanna Get Funky One More Time」。自身が興したpeopleレーベルの最後期の一撃で、切れ味抜群の正真正銘J.B.スタイルが存分に楽しめる強烈ファンクで超カッコいいです。でも正直「Bodyheat」なんかはモノ足らん出来。また、フリー・ソウル的に軽快なグルーヴなのは、サム・クックでもお馴染みのスタンダード「(I Love You) for Sentimental Reasons」や、J.B.sとしての「People Wake Up and Live」。らしくないですが隠れた名演です。スロウでは、サンプリングもされたメロウ「Kiss In 77」が出色。他は、平均点ながら流石のグルーヴで押し通す「Dooley's Junkyard Dogs」、最も長く御大の女房役を務めたMartha Highとのデュエット「Summertime」、77年にしては往年の緊張感を垣間見せる優秀ファンク「People Who Criticize」、モダンにカヴァーしたエルヴィス追悼の「Love Me Tender」、自らをなぞるものの軽すぎる「The Spank」、78年のヤケクソ気味の軽いマイアミ風「Nature」、全盛期の片鱗を見せる「For Goodness Sakes, Look at Those Cakes」あたりがコノ時期です。
「J.B.再発見にはもってこいのディスコ低迷期。一見ゴミの山(←すんません)にも光ったモン、眠ってます!」
It's Too Funky In Here


Everybody Wanna Get Funky One More Time




テーマ: Soul, R&B, Funk | ジャンル: 音楽

Emotionally Yours / The O'jays * 1991 EMI | Home | Rejoice / Emotions * 1977 Clumbia

コメント

No title

僕も思います、ソウルの低迷期って、似通りよりも
発見が大きいなぁと。苦労して生み出す音も、評価されなかった自然な才能も
なんかあれこれ詰まってて、自分は好きな2CDでした。
でもこのシリーズってパート11で終わっちゃいましたよね。
自分としては80年代JBももっと追究してほしかったりするんですけどね。

2014/05/17 (Sat) 10:11 | YO-SUKE #ZTXz2U4Q | URL | 編集
No title

★Yo-SUKEさん
 明らかに70年頃よりも聴く頻度がガクンと落ちますが、無視したらもったいない音がありますね。
しかし賞賛モンのこのシリーズ。これは借りずにちゃんと買いました!

2014/05/18 (Sun) 00:47 | ezee #- | URL | 編集

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