People Get Ready / The Impressions * 1965 ABC

来てるのか!?シカゴ・ソウル。日本橋・丸善に立ち寄ると、ウィンディ・シティ、シカゴに特化したソウルのムック本が売ってて2秒で購入決定。果たして全国で何人、買うのか分かりませんが何とも喜ばしいコトです。黒人比率の高い都市、シカゴ・ソウルっていうとジャッキー・ウィルソン、タイロン・デイヴィス、ジーン・チャンドラーとか名シンガーを数多く輩出してますが、ビッグ・ネームとして避けて通れないのがカーティス・メイフィールド。モータウンのスモーキー同様、独特の優しいファルセットでたくさんの自作曲を歌い名曲を量産した人です。70年代以降のファンキー&メロウな路線も素晴らしすぎですが、出発点となったグループ、インプレッションズでのシカゴ・ソウルを象徴する名演の数々も格別です。
60年代はカーティスのヴォーカル中心にヒット街道驀進のインプレッションズ。中でも、今も多くのアーティストに歌い継がれる名曲が「People Get Ready」。80年代にはジェフ・ベック&ロッド・スチュワートも大ヒットさせた、あまりにも有名な曲ですが、やっぱ絶品なのがカーティスが歌った本作収録版。“切符も荷物もいらない。ただ列車に乗り、神に感謝すれば報われる”という崇高な歌詞が胸を打ちます。そして、最高なのがシカゴ・ソウルのごきげんさを一発で伝えてくれる「Woman's Got Soul」。ヴォーカル・グループとしての素晴らしさと、ポップで親しみ易いカーティス印のメロディが絶品のヒット・シングルです。この時期、他シンガーにも多数曲提供もして、既に才能爆裂状態だったカーティス。センス溢れる曲作りは本作でも絶好調で、こちらも最高というしかないヒット曲「You Must Believe In Me」はじめ、「We're In Live」、「Just Another Dance」、「Get Up And Move」と軽快なシカゴ・ソウルを量産。スロウでも「I've Found Out That I've Lost」、「She The Real Me」と味わい深さは格別です。また特筆すべきは全編でエエ感じで鳴り響くカーティスが奏でるギターも聴きモノで、ソウル・ギターの手本といえる味のあるプレイが随所で聴けます。
「一度、聴いたら忘れない暖かいファルセットの持ち主。モータウンやスタックスに勝るとも劣らずのクオリティ!」
People Get Ready
You Must Believe In Me
ひるのまり
たぐりよせて買ったインプレッションンズのアルバム