The Exciting / Wilson Pickett * 1966 Atlantic

ブラック・ミュージックにハマり始めの頃、ちょうどアトランティック・ソウル・マスターズとかっていうシリーズで、オーティス・レディングやらサム&デイヴ、アーサー・コンレイ等がウジャウジャ出てた中で燦然と輝いていた一枚。内容もよくわからん私は完全にジャケットのカッコ良さで完全ノックアウトされ、一つ釦のタイトスーツで満面の笑みでジャンプするピケットは私の中でソウルの象徴でした。このジャケで中身が悪いわけないと確信して購入したレコードはよく部屋に飾って鼻を膨らましてました。
勿論、内容は名盤として疑う余地無く、今もCDで買い直して10万回目のリピート中です。当時アトランティック傘下だった南部StaxのMG'sとFameのマスルショールズで録られた、なんとも理想的なセッションはピケットと相性抜群で切れのいいハスキーヴォイスも冴えまくりです。“one two three!"と叫んだ瞬間、降参するしかない代表曲ともなったグレイトジャンプナンバー「Land Of 1000 Dances」で幕開けし、オリジナルののんびりムードを一蹴したソリッドなミディアム「Something You Got」、最高のミディアム「634-5789」とくる最強の展開はピケットの魅力を120%伝えてくれます。ニューオリンズのロバート・パーカーが歌った「Barefootin'」、ドラフトワンにも勝る切れ味のドン・コヴェイの「Mercy,Mercy」、ファルコンズ時代の「You Are So Fine」、ここまでのレコードでA面だった流れは完璧と言っていい60'sソウルのマスターピース。カヴァー曲もシャープにピケット調で仕上げます。1stから再収録のヒット曲「In The Midnight Hour」、スティーヴ・クロッパーもエエ味の唯一のバラード「It's All Over」を経て、着地点はもう一人のLast Soul Man を名乗るボビー・ウォマック作の会心K点超えジャンプ「She's So Good To Me」。これで文句言う奴の気が知れません。
「殆どバラード無しでこの完成度!タイトルに嘘偽り無し。ダンス天国に行ったピケットに合掌」
Land of 1000 Dances
Something You Got
トミー