音系戯言

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The Midnight Mover / Wilson Pickett * Atlantic 1968

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 ソウル・シンガーたるもん、どれだけカッコええシャウトができるかってのが重要な要素。ノリノリで唄っても、丁寧に優しく唄っても、合間にコレが一発決まると俄然と曲のクオリティが上がります。それでいくと、このウィルソン・ピケットは、J.B.と同格の最高峰塩辛シャウター。曲のどこで吠えたらええかを熟知してるおっさんです。さすがソウル界で最もケンカをこなしてきた男、マジで名作だらけのアトランティック時代は聴き逃せません。メンフィス・アメリカン・スタジオの道場破りで、えげつない大傑作“I'm In Love”を生んだ前作同様、同じスタジオで激グレイトなソウル・アルバムを作り上げてくれてます。スタックスでケンカしまくった挙句、結果オーライでフェイムとかアメリカン・スタジオなどのあちこちの南部名門スタジオでも天晴な痕跡。特にアメリカン・スタジオ期といえば、ベスト・パートナーだったボビー・ウォマックのツボを押さえまくったギターも聴きもので、ソウル・ギターの優秀アルバムとしても屈指の作品です。
 ド頭に位置した「I'm A Midnight Mover」で南部産名物のご機嫌リズムナンバーから堂々たる安定感ですが、ノックアウト必至なのがウォマック&リンダ・クック作のスロウ「It's A Groove」。決してワンパターンと言ってはいけないピケット渾身のシャウトとギタリストとしても超素晴らしいウォマックとのコンビ芸は本作の聴きどころです。これぞソウル・ギターのお手本といって良い、複弦&ハンマリング・プレイは絶品。もう一人のギタリスト、レジー・ヤングも味のあるバッキングで応えます。バラード系はどれもグレイトで「Down By The Sea」、鳩山のおっちゃんが言うのと重みが違う「Trust Me」と、何れも絶好調。しっかり泣かせてくれます。ウォマック自身もチェスで演ってたジャンプ・ナンバー「I Found A True Love」も上々ですが、これはヴァレンティノスのテイクがさらにカッコええ出来。ジャンプでは「Let's Get An Understanding」、レジー・ヤング&ウォマックのギターが左右に別れピケットの塩辛声と最高の相性を見せる「Remember, I Been Good To You」も聴き逃せない優秀ミディアム。しかしながら、曲が足らんかったのか初期のN.Y.録音「I'm Gonna Cry」、「For Better Or Worse」も何故か収録。ちょっと雰囲気がココだけ変わっちゃって残念です。
「どこで録音しても、見事に吠えたおしたピケット。男気、満ちあふれてまっせ!」

It's A Groove




Comments 2

ac

No title

「It's A Groove」!!!
ソウル・ギター界に燦然と輝く金字塔です!

2013-05-29 (Wed) 14:48 | EDIT | REPLY |   

ezee

No title

★acさん
 この激情型ヴォーカルに、歌心溢れるウーマックのギターはよく合いますね。
さすが自らも名シンガーだけに分かってらっしゃるバッキングです!

2013-05-29 (Wed) 23:08 | EDIT | REPLY |   

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