Emotional Rescue / The Rolling Stones * 1980 EMI

かれこれ25年にわたってずっと私の心底に居座り続けるロックンロールチーム、The Rolling Stones。いろいろ聴き漁った中で、いまだに最高傑作やと個人的に確信するのが本作です。なんや分からんまま中学時代、初めて聞いたタイトル曲「Emotional Rescue」のシングル(←兄貴が持ってた)がストーンズ初体験でした。「最強ロックンロールと聞いてたのに、何なんや。このけったいな曲は!」と思ったのも最初だけで、その奇妙に感じた裏声ヴォーカルとクールなビートに惹きこめられ、結局未だにフェイバリットであり続ける恐ろしい曲です。多分ミックジャガーのトレンド趣味(←これが無いとただの正統派R&Rバンドだったと思います。)やらがブレンドされた奇跡の曲で、カーティス・メイフィールド影響下のファルセットが冴えまくります。程なくして家にあった本作で、己とストーンズの長いつき合いが決定的となります。
まずド頭のストーンズ・ファンク「Dance」が無茶苦茶カッコ良い。黒人が演るソレとはまた違う適度なルーズさに猥褻さに虜になりました。また泥臭いようでいて洗練されたソリッドな音作りも非常に魅力的であり、ニューウェーヴやパンク通過のガキ世代も「コレならOK」と言わしめたところも流石でございました。そんなことでロックンロールも「Let Me Go」、「She's So Cold」、「Where The Boys Go」等、超強力作をしっかり収録。3曲ともソリッドで贅肉そぎ落としたようなサウンド。最高すぎます。そして忘れちゃならないのがレゲエ趣味満開の「Send It To Me」です。どっちが弾いてるのか分からんくらい絶妙な絡みを見せるキース&ロンのコンビに、ミックのセクシーな声が乗っかる傑作でこちらも大推薦。カントリー趣味が光る「Indian Girl」、やたらへヴィーな「Down In The Hole」も聴きどころです。しかも最後に居座るのがキースのヘロヘロVoも味わい深いソウル趣味満開バラード「All About You」です。隙間だらけのやたらカッコいいサウンドには当時は一目惚れに近い衝撃があり、もうアホほど聴き倒しました。
「スカスカ3部作(他は前後の2作)の頂点に立つ大傑作。」
Emotional Rescue
She's So Cold
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