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音系戯言

偏見に満ちた音楽観をだらだらレビュー。 あくまで保有音源整理の為と、自己満足備忘録。黒人系(R&B・SOUL・Hip Hop)とロック中心。リアルな音はココにある!!

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ezee イージー

  • Author:ezee イージー
  • 男アラフィフ。人がいなくとも耳打ちで伝える、癖がすごい会社員。

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2008.10
30
Category : Cool Groove
Theme : おすすめ音楽♪
Genre : 音楽
halko million



 圧倒的な歌唱力で存在感を示し、日本でも大橋純子と並ぶ指折りの本格派シンガーと称される桑名晴子姐さんのデビュー作。感情豊かでセンス溢れる歌唱はティンパン一派や芳野藤丸関連のセッションでも有名ですが、ソロ作で魅せたシティ・ソウル然としたアルバムは今でも評価の高いところ。なにわのロックンローラーで実兄でもある桑名正博同様、関西音楽シーンの重鎮として今も君臨です。AOR寄りっていうか、今ではフリーソウル的って言ったほうが収まりがよいココらへんの音はやはり魅力的です。数年前、徳間が暴挙としか思えん1,000円再発で買えた本作は完成度が高い人気作となってますがリンクを貼ってたらとんでもない値段に・・。びっくりしました。絶対、また再発するであろう名盤なので今からの人は待つのが正解です。
 録音はL.A.で発売当時A面だったハワイ・サイドは元カラパナでフリーソウル的にも再評価されたマーク・フェアリーが仕切り。シングル・コイル・Gカッティングにブリブリのクラヴィネットが心地良すぎる「あこがれのSun Down」からカッコええ晴子節も全開。アニキ正博氏作曲のナイス・スロウ「さりげなく過ぎゆく時に」は曲間には台詞も入り少し時代も感じますがイイ曲です。ピアノをバックに歌われるバラード「I Remember You」は短い曲ですが晴子さんの強弱の付け方も絶妙でシビれます。カラッとグルーヴする「You're Song」、後のHalko名義の作品も彷彿の優しくフォーキーな自作曲「よそうよ」、ブラジリアン・ソウルなタイトル曲「Million Stars」とマークのお洒落なアレンジにレンジの広いVoが縦横無尽に駈けていきます。後半のビル・ペインらのリトル・フィート勢制作のB面部分はファンキー風味が濃厚に。チャカ・カーンさえ感じさせる「Give A Little」、軽快にグルーヴする「待ち合わせ」や、リズムもタイトな自作メロウ・ミドル「Set Me Free」と後期フィートの垢ぬけたファンキー・メロウな音にしっかり対応。オマケにはポップなシティ・ソウル風シングル「バニシング・ポイント」、筒美京平氏のグレイト歌謡ソウル「Keyふたりで」、スロウ・ジャム秀作「Easy To Say Good-Bye」も収録。お兄ちゃん譲りであろう良い意味での強引な歌唱がメロウ・サウンドに見事融合した傑作です。
「メロウな中に真のソウルをしっかり主張。いちいちカッコええ節廻しにシビれまっせ」
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2008.10
28
Category : J's Mainstream
Theme : j-pop
Genre : 音楽
takeuti mariya

  あちこちで大人気の竹内まりや待望のオールタイムベスト盤。すでにデビュー30周年というのも驚きですが、50歳にしてこの美しさもたいしたもんです。自分が小学生の時にTVで初めて見た時は、洋楽っぽいアイドル歌手って印象でベストテンなんかでも可愛さ満点でした。それから結婚&出産なんかでTV出演も控えるようになり個人的にやや疎遠になりましたが、大人になってバンドで演ることになったりカラオケで常に誰か歌ってたりで何かとまりや嬢の音楽には接してたような感じです。何といっても魅力はデビュー時にすでに保持してたシティ・ポップス然としたオールディーズやアメリカン・ポップスの香りがする、まりや嬢の歌声に尽きます。
 さてこの3枚組。30年だけあってえらいヴォリュームです。好み曲をチョイスして聴いてますが改めてまりや嬢の魅力を再認識しまくりです。今やフリーソウル的に聴こえるデビュー曲「戻っておいで・私の時間」で最高の幕開け。最も好きなRCA女子大生時代の録音が多い1枚目はやはり格別です。可愛いメロも最高でキリンレモンCMを思い出さずにいられないブレイク曲「ドリーム・オブ・ユー」も最高ですが、何といっても「September」に「不思議なピーチパイ」です。キュートなまりや嬢の魅力が凝縮されたこの2曲の大ヒットはいまだにセットで一番のフェイバリット。この頃の松原みきなんかも手掛けてた林哲司氏の仕事っぷりも絶品です。ジャジーにドゥーワップする「五線紙」、TOTOメンバー参加のAOR風「Morning Glory」らもグレイト。至極のポップスと言いたいコニー・フランシス絶妙カヴァー「ボーイ・ハント」、アマ時代からの恩師らしい杉真理氏の名スロウ「Never Cry Butterfly」、旦那達郎氏とのデュエットのエヴァリーBrosカヴァー「Let It Be Me」と最近の録音も上手く織り交ぜ聴かせます。結婚後中心の2枚目はアン・ルイス版も素晴らしかったロッカ・バラード「リンダ」でスタート。この手の曲は大好物ですが、このセルフ・カヴァーもなかなか。この辺りからソングライターとしての才能も爆裂です。ビーチ・ボーイズを思い出さずにいられない「もう一度」、自分もバンドでもよく演った「本気でオンリーユー」、中山美穂へ提供した大ヒット曲「色・ホワイトブレンド」などの黄金のアメリカン・ポップス彷彿のフィル・スペクター・サウンドも悶絶必至。サウスの中西康晴氏参加も嬉しいシティ・ソウル「プラスティック・ラブ」はファンクも感じる最高のグルーヴ。マイナー・キーのメロドラマ風は正直苦手ですがこの辺りは抜群です。90年代以降円熟期の3枚目ではウエスト・コースト風バンドサウンドにのって夫婦愛をほのぼの唄う「家に帰ろう」から、同僚女子にも大受けだった「純愛ラプソディ」、キムタクの連ドラで印象的だった名スロウ「カムフラージュ」、その木村拓哉が驚き参加の「今夜はHearty Party」と打ち込みサウンドでの相性の良さもバッチリ披露。タイアップソングの女王として耳馴染みある曲の雨嵐です。近作で絶賛の嵐だったDenimセッションからサザン原由子参加の黒いグルーヴも光るシングル曲「チャンスは前髪」、キャロル・キングをも想起させる「人生の扉」、そして最新曲で初期のグルーヴを2008年に見事昇華させた「幸せのものさし」も嬉しい収録。こうやって聴くと全編で最高のアレンジを施した夫・達郎氏の手腕も流石です。
「売れて当然の究極ベスト。こういうのが売れるシーンも捨てたもんやないです。」
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2008.10
26
Category : Funk
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
Maceo_Parker-Funkoverloa.jpg



 「メイシオ!ブロウ・ヨ・ホーン!」と御大が叫べば、必ずナイスなアルト・サックスを傍で鳴らし続けた男、メイシオ・パーカー。ファンクの神、ジェイムス・ブラウンの全盛期を懐刀として支え、70年代はジョージ・クリントンのP-Funk帝国でも大活躍し、ファンク史の中でも最重要人物の一人として認識される人です。80年代に再び部分的にJ.B.とも合流したりしてましたが、90年代以降は自らのリーダー・アルバムを中心に発表。相方ともいえるトロンボーン奏者フレッド・ウェズリーはJazz丸出しのアルバムもソロで演ったりしてましたが、メイシオはJ.B.流儀のファンクを基本に据え素晴らしいアルバムを連発です。インスト中心の録音も多かった90sメイシオでしたが、息子コレイのラップも加え自らも歌いまくりのファンキーなアルバムがこちら。勿論、御大(当時は現存神として君臨)は不参加なので、独特の緊張感はございませんが直系のサウンドはJBsファンも大喜びのグルーヴィーなサウンドが満載です。この音の中にJ.B.自身もいて欲しかったと言いたいところですが、いたらいたで指示しまくりの筈ですから本人達にしたら多分うっとおしかったに違いないので「これでいいのだ」やということです。
 中身はオリジナル半分、カヴァー半分でバランス良くファンクしてます。多くに盟友フレッド参加やオルガンもしっかり交えたそのサウンドは往年のJ.B.'sのアップデイト版を彷彿させてくれます。冒頭曲でその名も「Maceo's Groove」と題されたいきなりのグレイト・サウンドは一気に興奮間違い無しです。コレイのラップも大々的フィーチャーですが、元々70年代のJB'sもラップみたいに御大が絡んでましたので何の違和感も無しでカッコ良さ抜群です。オリジナル曲はどれもファンク度100%と非常に満足度が高いブツが並びます。中でもJB's丸出しのアレンジで、メイシオの年輪を感じるVoやサックス・フレーズもクール極まりない「We're On The Move」や「Do You Love Me」などは思わず「よっしゃー!」とガッツポーズの鳥肌モンの逸品。またカヴァー曲も品質が高いトラック連発です。以前のライブでもよく取り上げていてよっぽどお気に入りと思われるマーヴィン・ゲイ曲「Let's Get It On」もラップ入りでなかなかクールですが、凄まじく上出来なのが「Inner City Blues」。マーヴィンの名作をこの上ないJB'sマナーで素晴らしき調理。天晴れの一語に尽きます。他にもスライの「Sing A Simple Song」、ルーファスの「Tell Me Something Good」を楽しくプレイ。古いR&Bでギャップ・バンドなんかも演ってた曲「Going In Circles」では唯一の落ち着いたインスト・スロウとしていいアクセントに。安心印の良いアルバムです。
「御大には失礼ながら、90年代以降はまともにJB's直系サウンドを継承してる人。これからも頼んまっせ!」
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2008.10
24
Category : Rolling Stones
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
Undercover33.jpg

 サム・ガールズ~刺青の男までの名作3部作の後なので、少し分が悪いライブ活動停滞期のスタジオ・アルバム。口が悪くて申し訳ないのですが90年代以降のブランド維持に注力するストーンズではなく、現役感バリバリの時の作品として今では君臨。発売当時、大注目だったスティル・ライフのツアーの後だったので、中坊ながら大きな期待を持ってコレ買いました。正直、最初は「まあまあやな」って印象でしたが、当時はストーンズが好きになれない自分が嫌だったので何回も聴いてると馴染んできました。MTV時代に突入し凝ったPVも作られだしたのもこの辺からです。その時は超悪党連中ってことで「政府の許可がおりない」とか「麻薬持っていけるとこでしかライブはしない」、「キースは血を全部入れ替えとる」とかワケのわからん都市伝説も飛び交っていて、来日は永遠に無理ってな感じだったので日本では正に伝説のバンドでした。大傑作とはいいませんが、愛着は結構あるのが本作です。  
 中身は当時の問題作「Undercover Of The Night」からスタート。当たり外れの多いミックの“でしゃばり”トレンド挿入志向がココではもうひとつですが、これが無いとストーンズがただの泥臭いバンドになってしまうのでしょーもなくても支持しちゃいます。最初「何じゃこりゃ」ってな感じでしたが、ひいきめに見るとアフロな感じはなかなかです。鍵盤参加のチャック・リーヴェルはこっからの付き合い。ジッパーがはじけるPVが印象的だったキース・リフ炸裂R&R「She Was Hot」。従来の曲調登場にヤケに落ち着きます。そしてお約束のキースのヴォーカル曲「Wanna Hold You」です。この安もん臭さ(←褒めてるんです)が漂うヘロヘロ声が響き渡る逸品は、いつもの調子のグダグダ感がたまりません。本作のレゲエ・ナンバーはダブ・サウンドにもチャレンジの「Feel On Baby」で正直、アクセント程度。そしてB面頭に位置していた「Too Much Blood」。これもミック趣味満開のパーカッシヴな曲ですがこちらは最初からお気に入り。続くロン・ウッドも曲作りに貢献した「Pretty Beat Up」は特有の猥褻感も秀逸で、後になればなるほどハマった傑作。こんなのがあるから憎めんバンドです。地味ながら王道R&R路線の「All The Way Down」は密かに一番好きな曲で、安心印のカッコ良さが爆裂です。これの前後を挟む「Too Tough」や「It Must Be Hell」がリフ主体の“ストーンズっぽい曲”ながら、あんまし好きやないので余計と光ります。
「こっからミックとキースの仲も悪化。詰めがもうひとつなのも、その辺に起因なんすかね」
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2008.10
23
Category : Roots Rock
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
DireStraitsBest.jpg



 春雨ヌードルが食べたくてしょうがない時があったりしますが、そんな感じでやや軽めでもダシを効かしたモノを欲する時にはこの人。熱心に聴き続けてるわけではないですが、たまに無性に聴きたくなるマーク・ノップラーの歌とギター。今もコンスタントに活動中のマーク・ノップラーのダイアー・ストレイツ時代からの軌跡をコンパクトにまとめたお手軽ベスト盤です。ボブ・ディランから影響を受けた独特のヴォーカル・スタイルと、唯一無二といえるフィンガーピッキング主体の華麗なギターワークでイイ曲をぎょうさん届けてくれてます。元々、ダイアー・ストレイツ自体がマーク・ノップラーのソロ色濃いバンドであったのでバンド名義もソロ名義も全く違和感無く1枚に収まってます。
やはりまずデビュー時のヒットで、この人等っていったらコレってのが「Sultans Of Swing」。実際のパブで演奏してたディキシーランド・バンドをモデルに書かれた劇的なナンバーで、マーク・ノップラーのペキぺキのカントリーにも影響を受けたようなクリーンなサウンドがいちいちカッコよろしいです。オブリからソロまでセンス良すぎのギターが既にここで確立済み。「Tunnel Of Love」なんかもシンプルなロック・スタイルでのダイアー・ストレイツが堪能できる佳作。実にソリッドなロックもカッコええのですが、抒情的な「Love Over Gold」、「Romeo & Juliet」、「Private Investigations」と小説や映画のようなスロウでは詩人マーク・ノップラーの真骨頂発揮です。そして80年代の代表作は何といってもMTVを皮肉った「Money For Nothing」。Stingも参加したこの曲は、なんとMTVから火がついて全米でも大ヒット。続いてヒットした「Walk Of Life」も、地下鉄のストリート・ミュージシャンを唄ったアコーディオンもフィーチャーした軽快ナンバー。ツアーやグループ活動に疲弊したマークがダイアー・ストレイツ活動停止前に発表した'91年の「On Every Street」の後は、マークのソロ作が収録。'83年の映画ローカル・ヒーローの主題歌のインスト「Going Home」以外は比較的最近の作品が中心です。ドイツへ出稼ぎに行った労働者を歌った「Why Aye Man」、マクドナルド・ビジネスで大成功したレイ・クロックを取り上げた「Boom, Like That」など題材の面白さが光ります。中でも最高なのはヨーロッパ各国で大ヒットしたアルバム「セイリング・トゥ・フィラデルフィア」からの「What It Is」。ヴァイオリンも上手く使った、ディランのローリング・サンダー・レヴューを彷彿させるサウンドもドラマティックでエエ感じです。最後はEmmylou Harrisとのデュオ「All The Roadrunning」も実にいい曲で、カントリー調な佇まいに二人の声が優しく響きます。
「詩人としても、ギタリストとしても尊敬すべきオッサン。ハゲとってもカッコええ人です。」
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2008.10
22
Category : Rock'n Roll + Rocabilly
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
StrayCats+RockTherapy_convert_20150921212414.jpg

 最初、日本とイギリスでしか受けいれられなかったネオ・ロカビリーの雄、ストレイ・キャッツ。80年代前半に激グレイトアルバム連発で一気に本国アメリカでも大ブレイクしてましたが、仲違いなんかで即行解散。各々メンバーはソロ活動となりほんまにガックリでしたが、解散してまもなく知らぬ間に何のプロモーションも無しにひっそり出たのがこのアルバム。「言えよ~」ってブライアン・セッツァーに言いたいくらいでしたが、契約の都合上でやむを得ずプチ再結成して出したアルバムのようでした。3枚のオリジナル・アルバムはベタ惚れでしたので出すのを知ってたら即買いでしたが、情報源も少ない高校時代。不覚ながら暫くしてから発見し聴くに至ったのですが、相変わらずのカッコ良さで、この数年後の華々しい本格再結成の“つなぎ”としても重要なアルバムです。大半がロックン・ロール・クラシックのカヴァーですが、とてつもなくカッコええ仕上がりです。肩の力抜いたような感じがまたたまりまへん。
 1発目から本作の格がグググッと上がること必至のアルバム・タイトルともなったジョニー・バーネット・トリオのグレイト・ロカビリー「Rock Therapy」が登場。最初に聴いたとき、あまりの嬉しさに当時組んでたバンドをロカビリー・バンドにしようと思ったほどでした。また震えるほどカッコええのがジーン・ヴィンセントの「Race With The Devil」に、バディ・ホリーの「Looking For Someone To Love」の連続攻撃。たいして気合も入ってないのに、このカッコ良さは何なんやと思った余裕の仕上がり。しばらく一緒に演ってなかった筈なのに息ぴったりの間合いは「さすがでんなぁ」としか言いようのないグレイト・トラックです。また後半もチャック・ベリー「Beautiful Delilah」に、チャーリー・フェザーズ「One Hand Loose」と絶妙のカヴァーで他のネオロカ・バンドとは格の違いを感じる出来。攻撃的なスネアにブライアンのバカテク・ギターも炸裂の「I'm Rocker」や、アコギも使って豊かにスウィングする「Change Of Heart」とネオロカ王者の貫禄も見せつけます。またバンジョー炸裂のブルー・グラスなオリジナル「Broken Man」も懐の広さを見せつけた秀作。ただ古いだけやないSomething Newと共に世界中を魅了した3人組のアンサンブルにはココでも脱帽です。大ブレイクの後のプレッシャーから解き放たれたような開放感が見事に奏功してます。
「この数年後、パワー全開の名作“Blast Off”へ。スリムだったブライアンがカッコ良すぎでっせ」
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2008.10
21
Category : Mainstream
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
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えらい昔にチョコかココアか何かのCMで流れまくってた美スロウ「オネスティ」。心の琴線を刺激する美しいメロディに日本国民がシビれまくりでしたが、私が最初惹かれたのはロケンローラーとしてビリーでした。何げに家に置いてあった兄貴の友達の本作「グラス・ハウス」。ベストヒットUSAなんかでも見たビリーは皮ジャンにミラーサングラスでマイクスタンドを振りかざして歌う気取った兄ちゃんでした。ピアノ・マンの影は全くございませんで、ワルなイメージ重視の当時の私には「こらぁカッコええぞ」と一発で重要アーティストになりました。それからもジャジーなバラードにオールド・ソウル・スタイル、ロックンロールと器用にこなすビリーはチャートの常連だったので「ハートにファイア」(←原題忘れました。)くらいまで何やかんやチェックしてましたが、当時聴いたモノはしっかり頭に染みついてます。
 さてこのビリーの諸作の中でも実にロッキンなアルバム。ガラスに向かって石を投げんとするジャケも何となく反抗的で、ロックンロールなアルバムにピシャリです。シングル・ヒットしてた「You May Be Right」は1曲目を飾る本作を象徴したようなドライヴィン・ロックン・ロールで、ガラスが割れる効果音で始まるとこなんかもメチャかっこええです。また次にシングル・ヒットしたと記憶するエルヴィス・スタイルでの極めつけロカビリー曲「It's Still Rock And Roll To Me」も最高で、邦題「ロックン・ロールが最高さ」ってのもグレイトでした。間奏のリッチーのサックスといい、吐き捨てるようなビリーのワイルドなヴォーカルといいまぁとにかくカッコええ曲です。「オネスティ」のイメージからすると異色やったのかもしれませんが、これもビリーの持ってる本質やと思えるグレードの高さで、ちょっとカジった程度ではこんなにカッコよくロックン・ロールできません。さすがステージのリハではエルヴィスやらレイ・チャールズを演りまくりなだけあります。他もクオリティの高い曲がいっぱいでワイルドなビリー爆裂の「Sometimes A Fantasy」に、ピアノの連打が強烈な「All For Leyna」の他、ポップで聴きやすいビリーも楽しめます。これもシングルで家にあった「Don't Ask Me Why」など当時のアホ丸出しの私にはポール・マッカートニーとマジで区別できませんでしたがここらも実にエエ曲です。LPの時は完璧すぎるA面ばっか聴いてましたので、B面にあたる後半は印象が薄いのですが初期のコステロみたいな「I Don't Want To Be Alone」や、軽快なN.Y.ロックンロールてな趣きの「Sleeping With The Television On」あたりも今聴くとなかなかの佳曲でした。
「今では毛も薄くなって、オヤジ丸出しのビリー。80年代前半、ええ感じで尖がってました。」
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2008.10
20
Category : Mainstream
Theme : おすすめ音楽♪
Genre : 音楽
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 ベストヒットUSA世代には忘れられん男であるリック・スプリングフィールド。その甘いスケベな二枚目マスクで俳優としてブレイクした人やったと記憶しますが、本来は音楽でデビューした人らしいです。80年代前半はヒットシングルを出し続けて、それから鳴かず飛ばずやったような感じでしたが、このワンちゃんがジャケに登場してた頃はパワーポップ代表選手としてイケイケでございました。今聴くと結構しょーもないポップなロックも多く、自分やったら「こんなん恥ずかしいて、ようやらんわ」と思うような青春ド真ん中ロックみたいな展開の曲なんかもあったりします。でもヒット曲などは聴きやすさ抜群で、PVなんかで見る男前なリックはカッコ良かったもんです。「こんなもん、ロックやない」と批判も多かった人ですが、歴史的名曲が存在するの事実。それは大ヒットした「Don't Talk To Strangers」です。何せ最初から最後まで完璧と言える曲で、ミステリアスに始まってポップなサビへ持っていくたまらん展開です。結構女々しい内容の歌詞もよろしいです。何せ、この曲のせいでリックは私の中ではOKな人です。全体的には、曲調はブライアン・アダムスとかにも通じるポップなメロを書く人で、洗練されたというか何のヒネリも無いとも感じる真っ直ぐさがアカンかったのか、すっかり「あの人はいま?」的な感じなのも少し残念です。まぁ今さら絶対買わんであろうアルバムだったのでコレも図書館に感謝です。
 アルバム全体をゆっくり聴いてると実に毒気の無いパワー・ポップな展開です。ブライアン・アダムスから泥臭さを抜いたような感じの曲が全体を支配。オープニングは威勢よく「Calling All Girls」でパワフルにスタート。「♪だけど悲しい時もある・・」ってな感じの歌謡曲的なBメロ展開がちょっとだけ琴線に触れます。続いてヒット曲「ジェシーズ・ガール」とまんま同じ展開やんけと思ってしまう「I Get Excited」、実に売れ線な「What Kind Of Fool Am I」、オーストラリア人ながら能天気アメリカン丸出しな「Kristina」と聴きやすいですが、どうっちゅうことない展開が微笑ましくもあります。中盤はスペインのロス・ブラボーズ唯一のヒット曲カヴァー「Black Is Black」なんかもありますが、やはり世紀の名曲「Don't Talk To Strangers」が光り輝いております。後半も爽快に普通なパワーポップな展開で取り立てて書くことないかと思ったのですが、スロウ「Still Crazy For You」やキャッチーな「American Girl」は青臭いながらよく出来た楽曲に感心。今さらながら、なかなかエエ曲です。
「男前がやる売れ線ロック。ひがみもあって文句ばっかですんまへん。」
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2008.10
19
Category : New Wave + Punk
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
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 日本では一般的に一発屋みたいなイメージで認識されているデキシーズ・ミッドナイトランナーズ。それは今もあちこちで頻繁に流れ愛され続けている超名曲「カモン・アイリーン」の存在が大きすぎるところがありますが、他にも数枚アルバムも出しているようです。無知で申し訳ないですが、たしかにコノ曲の普遍的な良さは絶対的でイントロのフィドル&バンジョーからして何回聴いても気分アゲアゲになってしまいます。そしてかなり特徴的な要のヴォーカリスト、ケヴィン・ローランドの独特なソウル歌唱。米国60sソウルの影響下でケルティック魂を注入しジャグ・バンドのテイストも織り交ぜた独自のスタイルを突きつけた事は称賛に値します。当時はただ単にニュー・ウェーヴの一環で出てきたちょっと変わったバンドくらいにしか思ってませんでしたが、今から見るとコノ人等の個性は明らかに突出しています。ちょっと後から、このテイストを求めポーグスとかも聴いてみましたが、デキシーズほど耳に残りませんでした。
 アルバムは冒頭にも傑作「The Celtic Soul Brothers」が配置されていて、アルバムでも気分高揚間違い無しです。スカ・バンド風の「Let's Make This Precious」もフィドルにホーンがバッチリ効いていて楽しさ満開。もの哀しい雰囲気の3拍子曲「All In All (This One Last Wild Waltz)」、タイトルからして興味をひくヴァン・モリソン作の「Jackie Wilson said」、ケヴィンのソウルフルな歌唱も良いスロウ「Old」と良曲揃い。また中盤は「Plan B」、「I'll Show You」とケルティック・ソウル・ブラザーズの一丸となった勢いに乗った演奏が満喫できます。後半は、女性コーラスと泣き声のケヴィンの対比もシビれる「Liars A To E」、しみじみりーソウル組曲「Until I Believe In My Soul」と琴線をしっかり刺激。そしてオーラスは「Come On Eileen」。ほんまにポジティブなエエ曲です。あんまり名曲すぎて聴くたびにバンジョーまで弾きたくなるほどです。ジャーナリズムと絶縁宣言したり、メンバー入れ替えまくったりと偏屈の塊みたいなケヴィン・ローランドですが、創り出した音楽はピカピカに今も輝き続けています。パンクを通過した人だけあって尖がったとこも持ち合わせたとこも魅力で、独特のケルティック・ソウルが花開いてます。
「久々にオーバーオールが着たくなる名演がココに。偏屈男のこだわりソウルが熱い!」
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2008.10
17
Category : Mainstream
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
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  80年代といえば私の洋楽リスナー・デビューの時であり、全盛だったFMや勃興したMTV中心に何でもかんでも吸収した時代。FM雑誌が全盛の最中、暇な夜は結構FM付きラジカセで音楽を録音したもんです。またベストヒットUSAやMTVも釘付け状態で没頭し、今まで雑誌の写真でしか見れなかった海外アーティストがTVで「動いとるやんけ~」ってな具合。海外アーティストも、より身近な存在になりました。そんな中で、よく覚えてるのがブリテッシュ・インヴェイジョンやらニュー・ロマンティックとかのイギリス勢の台頭です。奇抜なビジュアルながら、ポップでとっつきやすい曲が受け結構な盛況ぶりでございました。そんな賑やかな80年代のUK・USAごちゃまぜのナイスなBBC編集盤がコチラ。たいがいオムニバス盤は好きでついつい借りてしまいますが、こちらは思わず購入までしてしまったナカナカの選曲のブツです。
 アルバムは80sボウィでは最も好きな曲のひとつDavid Bowie 「Ashes To Ashes」でスタート。ボウィは86年の映画ビギナーズでの名曲「Absolute Beginners」も収録。気取った感じが最初ムカついたSpandau Balletはファンキーな「Chant No.1」に、この曲で文句が言えなくなった名スロウ「True」が収録。女の子に大人気ながら、今思えば結構な演奏力とファンキーさがあったDuran Duranは「Girls On Film」、カミング・アウト後は精彩を欠いてるのが残念な偉大なシンガーであるジョージ・マイケルのWham! 「Bad Boys」、気持ち悪かったが歌は結構良かった“君は完璧さ”でお馴染みCulture Club 「Do You Really Want To Hurt Me」、ホンダCMでひょうきんさも披露してたスカバンド重鎮のMadnessの激名曲 「Our House」、キッチュな魅力満載だったAltered Images 「Happy Birthday」と素晴らしきラインナップ。他にも、高校で留年した先輩同級生がディスコでかけまくってたDead Or Alive 「You Spin Me Around」、しゃがれ声が印象的だったTerence Trent D'Arby 「If You Let Me Stay」、オトナを感じたThe Style Council 「You're The Best Thing」と中学・高校時代を彩ったミーハー魂が甦る楽曲がズラリ。他にもAdam & The AntsFun Boy ThreeThe Human LeagueFlankie Goes To Hollywoodなど懐かしい名前がてんこ盛りです。またアメリカ勢もよく聴いた曲が多数収録で、ラジオでアホほどかかってたBlondieの大ヒット 「Call Me」、何回も見た映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」主題歌のHuey Lewis & The News 「The Power Of Love」、ラップを全世界に知らしめたRun DMC feat. Aerosmith 「Walk This Way」、パンクの感覚で聴いてたBeastie Boys 「Fight For Your Right」、ベースレスが新鮮だったPrince & The Revolution 「Kiss」とこちらも強力。またA-Ha 「Take On Me」Belinda Carlisle 「Heaven Is A Place On Earth」など何処でもかかってたような大ヒットや、個人的に避けて通れない思い出深き楽曲がウジャウジャでご機嫌さんです。今聴くとちょっとチープな音であったりしますが、当時のチャート曲はやっぱ聴きやすいエエ曲多しと再確認です。
「何となくカセットで聴きたいヒット集。ほとんど知ってるミーハーな自分に半分あきれてます。」
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2008.10
15
Category : Jazz Funk
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
free blue

 最初はナメてかかってたフリーソウル・シリーズも美味しんぼ並みの長寿シリーズとなり、もはやブランド化してます。このシリーズの楽しみは仁鶴ではありませんが「大発見や~」(←古い)的な、「知らんかったけど名曲やでコレは」ってな曲を教えてくれるところ。浅い知識で、皆に百も承知のような顔して喋ることが好きな私にとっては打ってつけのコンピです。古い曲でもクラブシーンで好まれるような現代のヒップな感覚で聴けるものをチョイスしてるとこがミソで、逆に言うと「今、聴くにはちょっとイタい曲」は省いてくれてるので実にありがたいブツです。今迄は大手レーベル別にソウル曲中心に編集したものや、アーティスト別に通好みの選曲された編集モノが多かったのですが、本作はジャズ名門ブルー・ノート・レーベルでのフリー・ソウルの冠が付いたモノっていうことですごく気になってた盤。借りモノではありますが、やっと音源ゲットです。
 中身はGene Harrisのスティーヴィー・ワンダー・カヴァー「As」で最高の幕開け。元曲が名曲中の名曲ですので、こっちもやはり良いです。クラヴィネット爆裂の70sグルーヴ満喫間違い無しのRonnie Laws 「Always There」も心地良さ満開です。都会的なグルーヴが素晴らしいトランペッターで、レーベルの重要人物Donald Byrdはヴォーカル入りのソウル寄りの名曲を3曲も収録。「You And Music」、「Think twice」とありますが、ファンキーなベース・ラインに乗って洗練された男性Voも素晴らしい「Dominoes」でのダンサブルな感触は激黒です。ゆったりとした昼下がりグルーヴの中、突然テンポアップしてオルガン・ソロ炸裂のRonnie Foster 「Tuesday Heartbeak」も聴きモノですが、ファンク臭が充満して換気が必要な中盤の流れもシビれます。御大JBの名インストの激クール・カヴァーでGrant Green 「Ain't It Funky Now」、オルガン奏者Lonnie Smithの泥臭い「Move Your Hand」とJB'sファンは必聴の山場。JazzとFunk,Soulが濃い血縁関係にあることを改めて証明です。この後も、淡々と進むベースラインにコンガが納豆のように絡みピアノ・ヴィブラフォン・フルートでモードに決めるDuke Pearson 「The Phantom」は麻薬のような中毒性の高いトラック。ハービー・ハンコックの「カンタロープ・アイランド」を彷彿させてくれます。そして言わずもがなのロバータ・フラック曲のグレイト・カヴァーMalena Shaw 「Feel Like Makin' Love」。定番中の定番メニューでいつ聴いても心地良さ抜群です。最後は女性フルート奏者Bobbi Humphrey 「You Make Me Feel so Good」で華麗なグルーヴで締め。
「70年代のブルー・ノートに疎遠な人にもってこいのナイス・コンピでした!」
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2008.10
10
hotter than



 80年代前半、すでに神様みたいな存在として君臨してたスティーヴィー・ワンダー。来日時の武道館ライブもゴールデン・タイムにTV放映され、TDKカセットのCMなんかにも登場し、すっかり日本でも茶の間レベルで超メジャーな人となってました。それこそ中学生だった私等でも、「おい、昨日スティーヴィー見たか!あれは凄かったなぁ」と分かったような顔して学校の行き帰りに話題にするくらい。その格とか位置づけは当時のオールスター・チャリティー「We Are The World」を見れば明白でレイ・チャールズ、ボブ・ディランらと共に別格的にフィーチャーされてます。言わずもがなですが、もはやソウル云々の範疇で語ることのできない幅広い音楽性は、圧倒的なポピュラリティを得るには充分すぎるほどです。しかもポップでめっちゃ聴きやすいのに、その音楽を紐解くと非常に高度なレベルで構築されていて簡単にコピーできない楽曲ばっかり。雑誌でいうと「アドリブ」読者あたりに崇拝されるような存在で、今もそうですが一般的にもミュージシャンからも尊敬の的の人でした。今聴いても「何と気持ち良い完成された音楽であるか」って感心しきりのコンポーザー&ミュージシャンです。ヒット曲ひとつとっても全てエバーグリーンな輝きを放ってます。
 80年の本作は当時の愛聴盤で、その後CDが出始めの時にも「何か音の良さが体感できるモノを」って思って即購入した録音もクリアで美しい名作。まずシビれるのが軽快なオープニング「Did I Hear You Say You Love Me」から間髪入れず入る名曲「All I Do」の流れ。モータウンの蔵出し盤でタミー・テレル嬢がすでに60年代歌ってたこともビックリした後者はクールなエレピに乗っかるスティーヴィーの熱い歌いっぷりが冴えまくりです。神秘的な「Rocket Love」、ポップなアプローチも絶妙な「I Ain't Gonna Stand For It」、ジャジーにグルーヴする「As If You Read My Mind」といつ聴いても感心する飽きない構成。またCMで流れまくりだったボブ・マーリィ調のレゲエに取り組んだ無茶苦茶カッコええ「Master Blaster」、ポップに疾走する心地良さ満載の「Do Like You」、お得意のクラヴィネットが実にファンクを感じる「Cash In Your Face」とこの辺りも絶妙。終盤も、後にジョデシも取り上げた美しすぎるバラード「Lately」、公民権運動に尽力したキング牧師に捧げた「Happy Birthday」と未だに全曲ともレベルの高さに驚愕です。
「大ベテランと思ってた本作当時で何とまだ30歳のスティーヴィー。ホンマの天才です。」
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2008.10
09
byallmeans.jpg

 今の歌ものブラック・ミュージックが再びR&Bって呼称となるチョイ前に、ソウル復権を唱えた渋いグループ “バイ・オール・ミーンズ”。正直、画一的な感じが「しょーもない」と感じていたブラック・コンテンポラリーなるアーバン的な装いのブラック・ミュージックが席巻してた80年代半ばでしたが、現行ロックさえもしょーもなく感じ始めてた80年代後半になって勃発し始めたレトロ・ヌーヴォー(←ワインちゃいまっせ)なる興味深いムーヴメント。60~70年代のソウルに見られたオーソドックスな熱き歌心を復興した、温故知新的な新型ソウル・ミュージックの台頭は「ベタなソウル好き」の私にとっても大歓迎でした。勿論、技術革新があった激動の80年代を通過した音ですので、打ち込みサウンドなんかも上手く活用した上でのコンテンポラリーなサウンドに仕上がってるのがミソ。この辺がエエと感じた後には今まで「何とくだらん音楽」と思ってた他のブラコン・サウンドまでもが魅力的に感じ始めるようになり、Hip Hopの隆盛と共に当時の現行ブラック・ミュージックが一気に気になり始めました。
 そんな事で、デビュー作となる本作。昔はレンタル屋の定番でしたが、いつのまにやら廃盤にもなり忘れられた存在に。最近になって見事リマスター仕様での復活は嬉しいニュースでした。肝となるのは、プロデューサーのスタン・シェパードが創り出す都会的で無駄に装飾のないグルーヴィー・サウンドに、全盛時のテディペンを彷彿させるソウルフルなバリトン・ヴォイスで熱唱するジミー・ヴァーナーの歌心。いきなりかますエレガンスなスロウ・ヒット「I Surrender To Your Love」がこのチームの自信の大きさを窺えます。まさに本アルバムを象徴する名曲です。続く「I'm The One Who Loves You」は平凡なアーバン・ダンサーかと思いきやジミーのグレイトな歌唱で逆転勝ちのトラック。ゆったりしたグルーヴで優美にきめる「You Decided To Go」も本作といえるハイライトで、スタイリッシュながらしっかりソウルしてるとこがたまらん名曲。そんな感じで前半3曲で大量リード確保で圧勝のアルバムとなってます。中盤もピーボ・ブライソンがやりそうな美しいスロウ「I Believe In You」、スムース・グルーヴの極み「I Want To Thank You」と佳作が続きますが、最後まで手抜き無しのクオリティの高さで迫ります。ブッといグルーヴながらお洒落な感覚も同居する「Let's Get Started Now」から、クワイエット・ストーム系のとろけるスロウ「Slow Jam (Can I Have This Dance With You)」への流れも秀逸。またアルバム最後を飾る「We're Into This Groove」はファンク・バンド出身のスタン・シェパードの意地を感じるナイスなファンク・ナンバーで華々しく締めます。
「ブラコンなんか“へたれ”の音楽やと思ってた認識を一変させてくれた、濃厚ソウル盤。」
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2008.10
05
Category : Funk
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
cameo.jpg



 ますます厳しい景況悪化となり、どこもかしこもアホほど経費削減です。幸か不幸か予定の出張も中止となり今頃は北海道の空の下やった筈やのに、不参加の予定だった子供の運動会に行けたりしてます。今の情勢では色んな会社が更なる経費削減やリストラを迫られる事が懸念されますが、80年代にも同じようにテクノロジーの進歩もあってバンドにもリストラ旋風が吹き荒れた時期がございました。70年代全盛を誇った大所帯のバンド編成のファンクやオーケストラサウンドも、画期的なサウンドを生み出したシンセサイザーなどに取って代わられツアーにもレコーディングにも金や人手がかかってしゃあない人力サウンドは下火に。代わりに新鮮でもあったデジタル・サウンドは上手く黒人音楽中心に一気に浸透します。そんな中、時代に取り残され消えていった人達もたくさんいたようですが、時代を読んだリストラ奏功で加速度を増して生き残った人もいます。その代表格がラリー・ブラックモン率いるファンク・バンドのキャメオ。初期のアルバムでは10人くらいメンバーがおったのに、80年代中盤の全盛時にはたった3人で株価をしっかりあげてます。「スリムになってもウマイ事やったら業績が上がりまっせ」と今の不況にも参考となるラリー・ブラックモンの処世術は見習うべきものです。
 さて本作はそんなキャメオのマーキュリー時代をまとめた決定版的リマスター・アンソロジー。1枚目は70年代後半中心の大所帯ファンク・バンド時代が収録。最初はP-Funkの模倣的ですが徐々に強烈なオリジナリティを発揮。ファンクでは「Insane」、「Shake Your Pants」、「Keep It Hot」など国宝級名演がズラリ。メロウ&グルーヴィーも秀逸で「We All Know Who We Are」、「Sparkle」、「Feel Me」と何れもクオリティ激高ですので、正直1枚づつ聴くのがオススメです。そして2枚目はリストラ時代突入です。メンバー半減で打ち込みサウンドも目立ちますが、グルーヴはさらに磨きがかかってるのが凄いところ。5人になっての「Just Be Yourself」や「Alligator Woman」、ラップも取り入れた異様なクールさがたまらん「She's Strange」と絶好調です。その後メンバーは4人、3人と最少編成へ移行ですが硬質グルーヴもシビれる「Single Life」、リストラ時代の集大成といえる「Ward Up」、マライアも取り上げた激ナイス・グルーヴ「Candy」とさらに大ヒットが連なります。晩年のマイルスとも接近した時代の秀作「Skin I'm In」や、スクラッチも効果的に加えNew Jackにも色目を使った88年の「I Want It Now」まで時代を読んだ動きで最前線で奮闘した輝かしい軌跡が辿れます。ただスリムになって時代とシンクロしたカッコ良さが増したものの、今になって聴けば人の温もりの良さが消えたのも事実。どっちがええとかはナンセンスですが、ラリー・ブラックモンの経営者的嗅覚の鋭さは特筆モンやということは間違いおまへん。
「激動の時代を生き抜いた珠玉の30曲。“嘆いてるより行動せよ”と音で教授してくれます。」
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2008.10
04
Category : Hard Bop
Theme : JAZZ
Genre : 音楽
miles_bags.jpg



 JAZZのイメージっていうと、まずどうしても頭に描いてしまうのが所謂ハード・バップ的なもの。本当はもっと自由で色んな形態があるのでしょうが、個人的には渋くクールな匂いが充満している50~60年代のプレスティッジやブルーノート周辺のJAZZは魅力的なものが多いです。テーマがあって、わりとメロディアスなアドリブが展開されるハード・バップはJAZZの王道みたいな感じで実に親しみやすさを感じたりします。そこに強烈な個性を持ったプレーヤーがエネルギッシュな演奏で魂を注入するところがたまりません。マイルスはどの時代にも名演を残してますが、この時代のものが一番しっくりきます。なぜなら!親父のレコードが家にあり“ただ聴き”できたからなんです。身近なもんに自然に愛着が沸くってのはしょうがないっすな。昔は大橋巨泉とかがTVでじゃんじゃんJAZZの良さを吹聴してて、結構ポピュラーな音楽として君臨してたみたいです。信じられんです。
 しかし不変のカッコ良さがあるのがJAZZの凄いところ。このハード・バップの夜明け的な名盤とされる本作も緊張感溢れるアドリブ・プレイが満喫できる素晴らしき作品。まず冒頭に収められたタイトル・トラック「Bags' Groove」。クールなテーマが実にイカすMJQでも有名なブルース作品です。間をうまく使ったマイルスのソロがまずスタイリッシュに決まると、ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンがシビれるソロを。このミルトの中盤が実にグレイトでこのアルバムの象徴的な場面やと思ってます。ほんまエエ感じです。そしてピアノのセロニアス・モンクが個性的なソロをとってマイルスのトランペットに戻るって場面もシビれます。2テイク収められてますが、緊張感に満ちた1stテイクのほうが好みです。続いてはクッキンでも演奏されたソニー・ロリンズのオリジナルにして名作「Airegin」。激しいシンバルさばきがモロにハード・バップ的で最高です。豪快なソニーのテナー・サックスが何といっても聴きもの。またマイルスお得意のミュート・プレイも炸裂する「Oreo」では、パーシー・ヒースのグイグイくるウッド・ベースや、これぞファンキーと言いたくなるホレス・シルヴァーのピアノもたまりません。エラ・フィッツジェラルドも歌ってたスタンダード「But Not For Me」も2テイク収録ですがリズミカルに進行していくソロ回しも聴きどころ。ブルージーかつコンパクトにブイブイ吹きまくるソニーの自作曲「Doxy」もグレイト。ってことで、どれも名演と呼ばれるだけあります。
「なんでもバグスってのはミルトの目のくまから命名。タイトル・センスもシャレてます。」
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2008.10
02
Category : Mainstream
Theme : 洋楽CDレビュー
Genre : 音楽
Discipline.jpg

 ジャネット・ジャクソンの近作ではありません。キング・クリムゾンのファンク・アルバムです。80年代当時ベストヒット・USAで見たキング・クリムゾンは結構な衝撃でした。塗装の剥がれたストラトで象の鳴き声まで奏でる変態的なおっさんに、ロックなのに座って黙々と複雑なギターを弾く気難しそうなおっさん、ハゲでちょび髭の変な弦楽器を弾くおっさん、手数多くアフリカンなドラムを叩くおっさんとバンドの構図も今まで見たことのない興味深々の絵面で一気に惹かれました。そしてニューウェーヴの進化版みたいな画期的なサウンドです。プログレなど語れるほど造詣が深くないこの私ですが、やはりこの頃のキング・クリムゾンは唯一無二で格別です。その後、初期のクリムゾンなども聴きましたが1st以外はIQレベル激低の私には全くもって意味不明でした。邪道かもしれませんが、適度にポップで変態ファンクなこの頃のクリムゾンが一番好きです。黒人のファンクのそれとは一味も二味も違ったひねくれた複雑ファンクですが、気持ちええことには変わりありません。
 アルバムは何と言ってもこの編成での代表曲「Elephant Talk」です。ジョン・レノンのラスト・アルバムにも参加してたベーシスト、トニー・レヴィンの奏でる新兵器“スティック”とテクニカルなビル・ブラッフォードのドラムが複雑怪奇に絡み合い独特のグルーヴを形成。そこに奇才ロバート・フリップのぶっ飛んだバッキング、正に象のように吠えまくるトリッキーな音にファンキーなカッティングも交えたエイドリアン・ブリューのギターが乗っかるプログレ変態ファンクの極みとでも言うべき独自性満開のサウンド。それは痛快極まりない何回聴いても興奮できる傑作です。コレだけじゃなくこの後も凄い展開です。さらに変態性に磨きをかける1世紀先を行ったブッ飛びの「Frame By Frame」もイカついですが、ブリューのギターではカモメ音も登場し江戸家猫八状態で芸達者ぶりを披露する「Matte Kudasai」(←待ってくださいって日本語)も癒し系のナイス・サウンド。露天風呂に入ってるような感じが心地よさ抜群。後半もワケわからん曲もあったりしますが、しっかり聴かせどころが。アフリカ的グルーヴ爆裂の中、ブリューの強烈なヴォーカルも冴えまくる「Thela Hun Ginjeet」や、ポリリズムが病みつき間違いなしの表題曲「Discipline」も文字通りおっさん達の年輪を感じる鍛練ぶりが窺える傑作です。
「ちなみにエレファント・トークって“無駄話”だそう。真剣に無駄話するこの人等、最高ですわ」
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