ソウルの申し子、ミュージック・ソウルチャイルド。なかなかの芸名ですが、決して名前負けするような輩ではありません。晴れがましいと感じたのか前作はMusiqとシンプルな名前にしてましたが、名門アトランティックへ移籍して元々の名前で復活です。なぜかしら、常にジャケでヘッドフォン着用ですが難聴には気をつけて欲しいもんです。ネオ・ソウルの新星として登場以来、その才能を遺憾なく発揮してきた人ですがセールスがちょっと落ちてきたからか3年程のインターバルがありました。しかし見事復活となったのが07年の本作。例に漏れずネオ・ソウルて呼称に疑問を持ってるミュージックさんですが、便宜上イメージするには持ってこいのこの言葉。古き良きソウルを、現代のテイストを加えてアップデイトさせたってことには間違いございません。「汗と涙を流して必死に基礎を作った人達との繋がりを明確にしたかった」と実に頼もしい発言もしています。アーバン過ぎず、古臭くもなく「今」に出した意義がある力作となってます。
中身は80曲もの候補曲から厳選の極上ソウルが選出。もうプリンス並です。しかも旬の人等も随所に起用で飽きることなく聴き進めます。Heartbeatサンプリングでヒップ・ホップ的アプローチもぴしゃりきめた「
B.U.D.D.Y.」から快調なスタート。Ne-Yoも絡んだ極めてスティーヴィー・ワンダー的な「
Ms. Philadelphia」、「
Teachme」と流麗な流れですが、引っかかるような展開は次に待ち受けます。ラファエル・サディーク制作の「
Batterman」です。ストリングスも心地よく絡めたフィラデルフィア印な音にファンクな味付けも加わった傑作でムチャええ感じです。アンダードッグス制作の「
Today」なんかも「スティーヴィーの後継者はあんたに決まり」とでも言いたくなるスムースな感覚が最高です。中盤は平凡な曲もありますが、後半での怒涛のようなスウィート・ソウル攻めは圧巻の一語に尽きます。さすが長年のつき合いでんなと感じるセクシーファルセットも冴える「
Lullaby」、ウォーリン・キャンベルが関わった「
Takeyouthere」、「
Greatestlove」と非の打ちどころ無しのスロウが3連発でこれはもう降参するしかございません。正にソウルの申し子と言える偉大な先人の良質エキスを見事に吸収した名唱にはホント聴き惚れます。
「さすがフィラデルフィアの実力者。もう貫録も十分ですわ」