

テクノとの融合も進み、バウンス系やらサウス以降の電子音を主体に分厚く組み立てられるようになった最近の主流Hip Hopがしんどいとお嘆きの向きにピッタリのコンピレーション。コチラは90年代主流であったJazzやらOld Schoolのサンプリングや弾き直し主体に組み立てられてた、今やアダルトなHip Hopとして括られることが多くなった渋い音が充満したナイスな編集盤です。といってもココ3〜4年の新録中心です。ピート・ロックやQ-Tip、ビートナッツ等が持て囃されたアノ時の音が今もしっかり継承されてるのは嬉しい限りです。アルバム全編、メロウなビーツで統一されておりオシャレで実に聴きやすいHip Hopで制作者のセンスの良さが伺えます。肝となるのはフェンダー・ローズ系のエレピ音やビブラフォン、ジャジーなギターですわ。
イントロといえる
Caural「In Tandem」から続く
「Keep It Alive!」が本アルバムを象徴するといってよい心地良いエレピのメロウ・ループ炸裂で思わずニヤけてしまいます。正直
Kero Oneの出世作であるこの大傑作が頭に収録ってことで中身も保証付きやと確信しました。収録曲ではこの曲しか知りませんでしたが、この味わいが全編味わえるとなるとコレはえらい事やと勝手に興奮してしまいました。そんなことで全編タイトル偽り無しのアンダーグラウンド中心に活躍してるアーティストのナイスなメロウ・グルーヴがひしめいてます。西海岸の
Prestoは
3rd Khindをフィーチャーしたシタールが印象的に決まる「
Searching」、UKジャジーHip Hopの草分け
Funky DLのフレンズ・オブ・ディスティンクション・ネタが心地良さ抜群の「
Don't Even Try It」と前半数曲でもう顧客満足度急上昇間違いなし。マイアミ・アングラHip Hopの良心
Cyneの「
Growing」、サンディエゴからのJazzyな一撃
Sound Providers「Braggin And Boastin」では
Little Brotherも登場とギラギラHip Hopとは対極にあるCoolなサウンドに浸れます。途中、実にイカしたインストも収録ですがブルー・ノートの名プレーヤー、ボビー・ハッチャーソンへのオマージュとなる
J. Rawls「A Tribute To Bobby」などヴァイヴの音気持ち良すぎです。後半に進むにつれ癒し系Jazzyトラックが充実で、
Thes One 「Tribute To Weldon Irvine」や
Flyphonic Feat. Cecilia Stalín 「I Will」などピアノが実に印象的な佳作が収録。最後は神秘的な雰囲気さえ漂う
Panacea 「Limitless Pages」で美しくフィニッシュ。
「猫好きの人も心踊る、美的センス抜群のアルバム・カヴァーだけでも買いでっせ」