

二十歳になるかどうかの頃、中学からの友人が目を血走らせながら「こういうなん、聴いとかなヤバイで」とよくわからんセリフと共におもむろに出してきたアトランティック・ソウル集。「おまえ、デュラン・デュランばっか聴いとったやないか」とすかさず突っ込みましたがオーティスやらベン・E・キングなんかが入っていたと記憶するそのLPで、1曲目の最高のツカミとなってたのがアーサー・コンレーの「
Sweet Soul Music」。ソウルといえばライオネル・リッチーかマイケルと思っていて、R&Rのルーツ探訪なども興味が無かったのでこのカッコ良さは結構衝撃的でした。10代の頃で貪欲な時ですので、自分が生まれる前の音源であっても新譜のように新鮮に聴けたもんです。それから暇な時、ソレばっかり聴いてたらアーサー・コンレーが無性に欲しくなってブチ当たったのがこのデビュー盤。オーティス・レディングがバックアップしてデビューした、そのスタイルはサム・クックそっくりの歌唱ながら荒々しいシャウトや南部特有のアーシーなバラードも織り込まれ一気に惚れこみました。ヨーロッパ・アンティーク調の椅子に座った黒人女性の構図もセンス抜群の素晴らしいジャケットも気に入り、ますますオールドソウルにはまっていくキッカケにもなった名作です。
やはり本作でも1曲目に収められたソウル・レジェンズ賛歌である最高のアップ「
Sweet Soul Music」は傑作です。サム・クックのYear Manの改作ですがリズム感が増し、実にダイナミックに仕立て上げたアーサー一世一代のグレイト・ジャンプとなっております。ちょっと乱暴なサム・クックって感じがたまらんところ。続くスペンサー・ウィギンスの傑作バラード「
Take Me (Just As I Am)」は味わい深い演奏も素晴らしく、よくオリジナルに劣ると言われますがアーサー版も素晴らしい出来です。またこれと同じくFame録音で、モロにサム・クック調なのが思わずニヤけるミディアム「
I'm Gonna Forget About You」もええ感じ。リズムナンバーも「
Who's Foolin' Who」、「
I Can't Stop (No,No,No,)」など師匠であるオーティス・レディングばりに迫る熱演で好感度大ですが、中でもオーティスが書いて自身も録音している「
Wholesale Love」など溌剌とした歌唱にグイグイ引きこまれます。オーティス関連ではスロウの「
Let Nothing Separate Us」も味わい深い逸品。アルバムはスタックスでの録音も収録ですが、最も“らしい”のが「
Where You Lead Me」。サム&デイヴが演りそうなリズムナンバーでココでもサム・クック調の節回しが冴え渡ります。
「オヴェィションズとまではいかずとも、サム・フォロワーとしては絶対外せん人。グレイト!」