

80年代、それまで近所にタバコ買いに行く格好としか認知されてなかった白TシャツとGパンをファッションにまで格上げしたロッカー、ブライアン・アダムス。勘違いして「俺のファッションはコレ」とその安上がりなスタイルを貫く輩がやたらと現れましたが、それが絵になったのはジェームス・ディーンと尾崎豊とこの人だけ。普通の人がやっても「貧乏くさっ」と言われておしまいです。気をつけましょう。さて健全なアメリカン・ロック(ていっても、この人カナダ出身ですが)を体現していたロックンローラー、ブライアンですが何せカラっとしてます。ワイセツ感が無いのが特長で、太陽の下で聴いても全然OKですわ。若大将キャラながら知らん間に25年ものキャリアを築いた集大成となる新曲入り2枚組です。
個人的に親しんだのはDisc1の全米ヒットチャートの頻繁に登場した頃の親しみやすい青春ロックです。最初んっ!?と思ったのが「
Cuts Like A Knife」。ホロリ系哀愁メロにエッジの効いたギター、そしてカッコええハスキーヴォイス。ロックを分かりやすく近所の兄ちゃんが演ってる感じにグッと惹かれました。メジャーkeyの青春ロックは傑作連発で「
Somebody」、「
Summer Of '69」、「
One Night Love Affair」と向かうところ敵無し状態でした。また丁度その頃、劇的な復活を果たした
Tina Turnerとのハスキー対決「
It's Only Love」もスリリングな掛け合いがたまらん最高の出来です。その後は男の渋みも増し、ややヘヴィーな曲調ながら魂の叫びが震える傑作「
Heat Of The Night」、毒を抜いたストーンズ調の「
Hearts On Fire」と期待通りの展開で新作の度に「よっしゃ」と拳を握ってました。ただ正直バラードなんかは何の照れも無しに青春一直線で迫りますので、ぐれた音楽が好きだった私など何か恥ずかしくなって聴いてられんかったてのもあります。
90年代以降のDisc2は個人的にはあまり馴染みが無い曲が多いですが、イギリスではずっと継続してトップ10ヒットを放っています。
Sting、
Rod Stewartとの夢の共演となった大ヒットサントラ曲「
All For Love」はさすがにエエ曲です。また
Bonnie Raittが渋い喉にスライドもかますナイス・デュエット「
Rock Steady」などかなりええ塩梅です。出た当時、聴きもせんかった“18 Til I Die(死ぬまで18歳)”という凄まじきタイトルのアルバムの曲なんかもタイトルに反して肩の力が抜けた「
Let's Make A Night To Remember」などエエ曲入ってます。他にもスパイス・ガールズ
Melanie Cとの「
When You're Gone」、ポップなメロが最高の'99年発「
Best Of Me」や80年代を彷彿させるストレートロックの新曲「
So Far So Good」などブライアン節で快調に飛ばします。何故かジャム&ルイスと組んだR&B調の「
Here I Am」など興味深い珍品も収録。
「何の汚れも無いわいっ!てな時に聴いたら、ワケわからんガッツが出てきます!」