
高校生の時、流行ったカフェバーを思い出す「80年代でっせ」的なジャケットが切ないヒューマンボディの1stアルバム。再発の嵐で何がホンマにエエのやらワケわからん状態の旧盤復刻の昨今ですが、コレはマジで待望だった1枚。学生時代にザップ(っていうかロジャー)のファンクネスに心酔して殆どのアルバムを聴きあさり、それだけでは物足らずシャーリー・マードックあたりも全部レンタルさせてもらいました。そんとき既にライナーノーツとかで秀作として触れられてたのがこのヒューマン・ボディでした。聴きたいと思っても当時既に入手困難なアルバムやったんですが、それから10数年の時を経て見事再発。ほんまに「何でも出まんなぁ」と感心します。ロジャーといえばエレクトリックの波に押され次々に撃沈していった70年代のビッグネームを尻目に、抜群のセンスで唯一古臭くないファンクを体現していた賞賛すべき才人です。エリック・サーモンが執拗にサンプリングしてたのも頷ける、80年代で今聴いても古くないアーティストでプリンスと共に双璧です。そのロジャーが曲作りから演奏まで仕切ったヴォーカルグループってことでツチノコ(←古い)くらい幻の音源と言われてたのが本アルバムのヒューマン・ボディなんですな。ロジャーのキャリアでもバリバリの時に作られた音で、ただ単にレコード会社の倒産っていう不運な理由で埋没したこのアルバム。悪いわけありません。
メンバーもザップ・ファミリーでお馴染みのレイ・デイヴィス、ラリー・ハッチャーに、ロジャーがしきりに尊敬するアーティストとして名を挙げていたオハイオ・プレイヤーズのビリー・べックという面々がザップ・マナーのファンク&メロウを奏でます。冒頭のタイトル曲「
Make You Shake It」や「
Keep You Head It」ではザップのアルバムに入ってても何の不思議も無い非常に水準の高いファンクがアルバム前半でいきなり楽しめます。「
Tomorrow」ではギターの名手でもあったロジャーのメロウなプレイも光ります。また最高なのがEmotionsの名曲Best Of My Lifeさえ彷彿させるスウェイビート曲「
Hit Me」。このポップ感はたまりまへん。そして後半も驚きの展開で何と名スロウ「
As We Lay」のオリジナルが登場です。ご存知ザップファミリーのの歌姫シャーリー・マードックのヒット曲でJ.Loもサンプリングしてた名曲ですが、この人等がオリジナルだったとは、ちーっとも知りませんでした。男声のこの曲もなかなかオツなもんです。その後も何故このアルバムが伝説になってたかすぐに理解できる激名スロウ「
Please Help Me Find Her」や洗練されたスタイルながら実に黒い「
There Is Nobody」など1曲たりともスキップさせん構成は流石としか言いようがありません。ザップ的ではありますがヴォコーダーが殆ど登場せず肉声で迫るとこが、別名義たるところですが実に素晴らしい内容です。
「天国のレイ・デイヴィスやロジャーも向こうで祝杯をあげたに違いない傑作」