
「70年代の逆流の中で姿を消した、難破船のように沈んだいた宝を徹底的に探索して引き揚げられた音源」と非常にたいそうな文がライナーノーツに書かれたコロンビア・エピック系の入魂ソウルコンピ。しかしながら大袈裟なキャッチコピーは大好きですので、聴く前から埃をかぶった宝箱を開けるような感覚で聴くことができて、なかなかよろしいもんです。私でさえ結構知ってた曲も入ってたので、80年代初頭の発売当時は埋もれていた珠玉の音源ということだったのでしょうか?90年代になってお手軽なCD版として出されたこの編集盤はメジャーレーベルが手掛けたディープな音源がぎゅうーっと詰まっている非常に濃ゆい1枚となっています。
頭はヴァン・マッコイ制作の
Brenda and The Tabulations「One Girl Too Late」で華麗に幕開け。続いて濃い歌唱が定評あるブルージー・ファンク
Bill Coday「I'm Back To Collect」、余裕の歌唱がたまらん
Jackie Moore「Personally」とディープな展開ですが、前半でビカビカに輝くのはココで初めて知ったデトロイトのグループ
Essence「Sweet Fools」。実にナイスなスウィートソウルでシャラララ・コーラスも最高です。中盤はStax解散後の優秀ジャンプ
Soul Children「Finders Keepers」、心地良いシャッフルな中で魅惑のハスキーが冴え渡る
Betty LaVette「You're A Man Of Words, I'm A Woman Of Action」、Stax入社前の名作ゴスペル
The Staple Singers「Crying In The Chapel」、洗練前のギャンブル&ハフ仕事
The Vibrations「Love In Them There Hills」と泥臭いロウ・ソウルがにどっぷり浸れます。そしてこのコンピで知ってソロ・アルバムまで買いに走った
Freddie Scott「Are You Lonely For Me Baby」の登場です。ジャクソンヴィル行きの最終列車で旅立つ男の寂しさを何ともソウルフルに熱唱する絶品です。やっぱり哀愁ソウルと最終列車の相性は最高で、ガッタンゴットンと列車の如く刻むリズムもたまりません。その後も、何らダイアル期と変わら晩年の
Joe Tex快調ジャンプ「
We Held On」、人妻を抱いて後悔する詞が奥深い
Roger Hatcher「Caught Making Love」と佳作が続きますが後半のハイライトは
Bobby Womack & The Brotherhood。70年代に在籍したコロンビア録音「
Home Is Where The Heart Is」ですがマスル・ショールズ・サウンドと息の合った名演となってます。また愛を捧げる相手がいないと嘆く名スロウ
Howard Tate「Ain't Got Nobody To Give It To」、マイアミの歌姫
Gwen McCrae「Ain't Nothin' You Can Do」と終盤も興奮の展開ですが、最後を飾るのは最も古い'61年の
Don Covay & The Goodtimers「See About Me」。当時流行ったラテン・ビートを巧みに取り入れた哀愁あるメロディが光ります。近藤房之助もライヴで取り上げていた名曲です。
「メジャーが気合入れて作ったコンピはやっぱり凄いです。宝は埋もれさせたらあきまへんで」