

白、黒、紅と続いたナイスな昭和的エロジャケを施した斉藤和義の企画盤3部作。3作目のカヴァー中心の本作は30代以上のおっさん世代にはたまらん選曲の好企画となってます。最近国内外問わずカヴァー・アルバムやトリビュート盤が氾濫していて「なんや、またかいな」と辟易することもしばしば。逆説的に考えたらそれだけ良いメロディが昨今出てきてないということでしょうか。それともオッサン受けがエエもんやから商売として各社狙ってのことでしょうか。しかし斉藤和義のカヴァー集となれば別です。まあ名曲は何回でも色んなヴァージョンで聴きたいもんでして、私も一度気に入ったらソレばっか聴くというのがしょっちゅうですが、こうやって良い歌が受け継がれていくってのはエエことやなあと思ったりもします。この斉藤和義氏自身も聴き継がれるべき名曲をもってますが、ミスチルの桜井氏も取り上げた「歌うたいのバラッド」は90年代屈指の名曲であると改めて思ったように、人のカヴァーなんかを聴いてそれを確信することも多々あります。私の場合、1曲でも爆弾級の名曲に遭遇したアーティストには己の中で勝手に、「コノ人は聴くべき人!」と決めつけますので斉藤和義氏が取り上げるカヴァー集は興味深々です。(サザンは「勝手にシンドバッド」、山崎まさよしは「One More Time〜」で決めつけました!)巷に溢れる安直なカヴァー企画ではない、気合の入った曲群は聴きものです。
さてこのアルバム単なるカヴァー集ではなく恋愛ストーリーの短編小説仕立てになってる粋な構成となっています。冒頭「
ベリー・ベリー・ストロング」は様々な出会いをロック調に奏でた曲で、強力なビートで幕開けです。そしてビートルズ風のナイスなオリジナル「
恋と愛がある国で」は何と森雪之承が作詞参加。カヴァーでは、その森氏が早川義夫に書いた「
天使の遺言」、独自の解釈で詞をつけたジョン・レノン「
ジェラス・ガイ」、南佳孝の傑作ロッカバラード「
スローなブギにしてくれ」と絶妙の出来。中でもボニー・ピンクが素晴らしいハモリも聴かせるサザンの大傑作「
真夏の果実」はサザン版まで改めて聴きたくなる名カヴァー。他にも70年代後半の原田真二「
キャンディ」はG弾き語りで、沢田研二「
ダーリング」派手なロックンロール調でと楽しませてくれます。打ち込みビートが説得力を増す「
君は僕の何を好きになったんだろう」、パフィーへの提供曲セルフカヴァー「
らくだの国」など自作曲でも聴かせます。オリジナルは知りませんが浜田省吾の「
君に会うまでは」はドゥーワップ調のアカペラが瑞々しいです。そして最後は結婚何年目の人もPureな気持ちになれる美しいオリジナルヒット「
ウエディング・ソング」でまたもや歴史的名曲をドロップ。ハッピーエンドを大事にする斉藤氏。さすがです!その後の同曲インスト「
ブライトン斉藤とメイ和義バージョン」はクイーン知ってる人は笑えまっせ。
「考えたらストーンズの最初もカヴァー集みたいなもん。愛情溢れるカヴァーは名曲再発見にもなってエエもんです」