FC2ブログ
RSS
Admin
Archives

音系戯言

偏見に満ちた音楽観をだらだらレビュー。 あくまで保有音源整理の為と、自己満足備忘録。黒人系(R&B・SOUL・Hip Hop)とロック中心。リアルな音はココにある!!

カテゴリ
Funk (88)
Jive (2)
検索フォーム
Profile

ezee イージー

  • Author:ezee イージー
  • 男アラフィフ。人がいなくとも耳打ちで伝える、癖がすごい会社員。

    なお当ブログはLink Free 連絡不要です。
月別アーカイブ
01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06 
カレンダー(月別)
09 ≪│2007/10│≫ 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
RSSフィード
リンク
最近のコメント
FC2
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2007.10
30
Category : Cool Groove
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
ごろわーず


 
 以前パリに行った時、脳内BGMとして真っ先に流れたのがシャンソンでもオペラでもなくムッシュ・かまやつの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。70年代にタワー・オブ・パワーまで参加したジャパニーズ・レア・グルーヴの金字塔的名作ですが、幅広い活動のかまやつさんの曲の中でも最も好きな曲です。70年代のソロ活動ではフォークにまで手を出していたかまやつさんですが、同時にこんな最高なグルーヴも発信していたとは驚きです。粋なパリを題材にしたクール極まりない歌詞も最高なこの曲はオリジナル録音が一番ですが、突如90年代にアシッド・ジャズのアプローチで制作した本アルバムでもセルフ・カヴァーしていてなかなかの聴きものです。最近TVでたけしと爆笑問題が、小倉知昭を目の前にかまやつさんのカツラ・ネタも暴露してましたが、実際どうなのか分からんトレードマークのロングヘアーと共にいつまでも変わらずバリバリ現役選手です。しかしながらカメレオンのように何色にも変化する音楽性の広さには脱帽です。
 さてこのアルバム。アシッド・ジャズ・ミーツ・ムッシュってなコンセプトも素晴らしいですが、その参加メンバーも豪華です。ブラン・ニュー・へヴィーズにジェイムス・テイラー、D.C.リーなどのUK勢をトシ矢嶋が束ねるという、当時の錚々たる面々が集結した制作陣です。冒頭を飾る名曲「Gauloise」はシャープになアシッド・ジャズ版にリアレンジされガリアーノのコンスタンチンのラップもフィーチャー。もう今すぐにでもパリに飛んでゴロワーズを吸いたくなるようなエエ曲であることは、感触が変わっても決して揺るぎません。いきなり最大の見せ場となる名曲の登場ですが、後の曲も各々のプレイもファンキーに決まるカッコいい作品が多数収録です。ジェイムス・テイラーのハモンドが暴れまくる中、ムッシュ自身もラップ調Voでクールなグルーヴを成立させる「Denmark Street」、ブラン・ニュー・へヴィーズらしさが最もよくでた軽快ファンキーナンバー「Music, Music」、お洒落なムッシュの世界観が垣間見れる「Hotel Regina Isabella」とセンス抜群の日英同盟が友好的に締結。また間にはジェイムス・テイラー・カルテットの作品風の実にグルーヴィーな「Monsieur Taylor's New Brand」やジェラードのトランペットが光るファンキー・ジャズ寄りのアプローチがたまらん「Asian Monochrome Jazz」みたいなインストも効果的に配置。ジャムから発展させた楽しそうなレコーディングが目に浮かぶ好内容です。
「今度は仕事ではなく、ゆっくりパリに行きたくなるアルバム・ゴロワーズでした」
::more
2007.10
22
Category : 90's Female R&B
Theme : HIPHOP,R&B,REGGAE
Genre : 音楽
london d rock eith



アシッド・ジャズのブームで一気に注目を浴びるようになったイギリス産ブラック・ミュージック。正直、80年代のワム!やらABC、デキシーズ、スタカンなんかのブルーアイドソウル的視点で本場アメリカへの憧れをUK流で解釈するっつうのも結構楽しめましたが、90年代のアシッド・ジャズ以降は真打登場ってな感じでUS産とは違ったグルーヴィーで小粋なサウンドが溢れ出しめちゃ面白くなった感があります。ブームに乗ってインコグニートやブラン・ニュー・へヴィーズなど実に優秀なチームが輩出されましたが、このディー・インフルエンスも心地良いサウンド連発でございました。プロデュースチームとしても活躍の人等ですが、本人等の名義で出す作品のクオリティの高さにはビックリするほどのもんがあります。本場アメリカのソウル、ファンクやジャズの最良のエキスを他国視点で美味しいとこを抽出したようなサウンドは、国がでっかすぎ大雑把なマーケティングをせなあかんアメリカ勢では成しえないものかもしれません。
 この3作目でもグルーヴィー&メロウ・ジャジーなサウンドは職人技と言っていいハイレベルキープですが、やはり肉声ありきの私としてはサラ・アン・ウェブが素晴らしい歌唱が最高です。ファットでブサイクな黒人女性は絶対に歌が上手いっていう偏見を持っていた私の幼稚な定説を見事に踏襲する活躍ぶりは見事です。冒頭のシングル曲「Hypnotize」から生音重視のクール・グルーヴ炸裂でごきげんさんです。アコギ使いのしっとりスロウ「Falling」、スタックスサウンドを彷彿させるホーンやハモンドの味付けもグレイトな「There Can Be」、アーバンテイストなシティ・ソウルぶりがたまらん「Hold On」、チャカのソロ初期を彷彿させるダンス・チューン「Magic」とホントつまらんトラック皆無の本作です。しかしながらアルバムのハイライトは何といってもロジャー・トラウトマンが関わったクール極まりないミッド「I've Got My Mind Made Up」。ボトムを這うツボを押さえたベースが効いたザラつき具合も抜群のバックトラックにディープなサラの声が絶妙に絡む芸術品で2万回聴いても飽きません。この後に出たシングル「Rock With You」は言わずと知れたマイケルの名曲ですが、オリジナルの素晴らしいアレンジを崩すことなくD-Influence魂を注ぎ込んだ賞賛に値する仕上がりでコチラも必聴です。
「インコグニートのブルーイといい、レイ・へイデンといい侮れないUK職人。これからも刺激的なん頼んます」
::more
2007.10
20
Category : 00's Female R&B
Theme : HIPHOP,R&B,REGGAE
Genre : 音楽
Jamelia_-_Walk.jpg



 綺麗な笑顔です。こんな顔でホステスさんが祇園界隈でウロチョロされた日には入るしかないって感じです。UKR&Bシーンでも人気のこのジャメリア嬢。私生活でも2人目の子供を産んだ後に気合入れなおして発表したのが本作の自身3枚目となるアルバムです。しかしちょっと休もうもんならすぐに契約を切られるこのご時世。出産の度に休んで、しっかりアルバムをドロップさせるなどなかなかの対応を見せるパーロフォンレコード。女性に優しいええ会社です。まあそれだけ商売になる逸材やと買ってるんでしょう。前作からの「Thank You」なんか最高でしたので期待大でしたが今回はアレンジ的にロック色も強まり、UKらしく色んなもんがクロスオーバーされた多彩な内容となってます。といっても基本的にポップR&Bのテイストですのでお手軽に楽しめます。
 冒頭に収められた「Something About You」はいかにもシングル曲ってな感じのロック調のアレンジも施した曲ですがメロはとっつきやすくソコソコいけます。ただ人と違ったことを演りたいと仰るジャメリア嬢。アフリカン・バンバータを招いて制作されたエキゾチックな中毒性の高い80's調ビート「Do Me Right」や、なんとなんとの意表をついたストラングラーズGolden Brownのサンプリングがクール極まりない「No More」などはナカナカの策士やなぁと感じる頼もしさです。「Go」あたりでのわりとストレートなR&Bナンバーでは後半部で見せる力強い歌声などなかなかソウルフルで結構魅力的。またデンマークのポップR&Bの魔術師ソウルショックが手掛ける「Know My Name」や相棒カーリンも合流したぶつ切りストリングス・チョップが絶妙な「Get Up, Get Out」など健在ぶりが嬉しいトラックも収録。鋭角的ビートに分厚いサビが嵌まる「Window Shopping」やクール&ザ・ギャングのサンプリングもクールにきまる「Ain't A Love」、哀愁感溢れるアコギ使いも効果的なミッド「La La Love」など佳曲も随所に。しかしながらアルバム後半に待ち受ける「Got It So Good」が何といっても超強力。これぞポップR&Bの極みといえる素晴らしいメロディを持った秀作ミッドで、これ聴いて「あ~ジャケ買いして良かった」と心底思いました。またボートラには全く別曲になったと思うほどHip Hop的に変身した「Something About You」のH-Money Refixや、中途半端にロック色を導入したギターリフ主体の残念曲「Tripping Over You」なんかも収録。
「さすが柔軟な姿勢を見せるUK発のR&B。自らソングライティングも手掛ける才女且つ美貌のジャメリア嬢は要チェックです」
::more
2007.10
16
Category : New Wave + Punk
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
stranglers.jpg



 ニューウェーヴとかパンクって少しかじってた時期があったんですが、色々聴く中で最もカッコよく感じたりしたのがこのストラングラーズ。パンク括りではちょっと当てはめられん部分もあったりして、キーボードを大胆にサウンドに導入してるのがミソ。インテリ・パンクっていうか暴力的な中に知的な匂いも感じさせるのが特徴。日本では特に独特のゴリゴリベースを奏で三島由紀夫や空手にも傾倒したジャン・ジャック・バーネルがイエローブラッド期のARBに応援参加してたりして馴染みも深いところ。今でも活躍中みたいですが、最高なのは何といってもヒュー・コーンウェルが在籍してた頃のなんともダークで骨っぽいヴォーカルが聴けるサウンドです。ドアーズとの比較も多い彼等は、確かに雰囲気は似てたりする曲もありますが独特のダンディズムも保持しており、その退廃的なサウンドはパンクの中でも異色でかなり魅力的。でもデイヴ・グリーンフィールドのドアーズを彷彿させるキーボードプレイはやはりビカビカに光ります。
 本アルバムは自分がパンクに少し傾倒してた時期に聴いた馴染み深い音源が収録なのですが、やっぱ尖がった唯一無二の攻撃的な音は格別の味わいです。’77年のデビュー作「Get A Grip」や1stアルバム収録「Hanging Around」あたりも精神的パンクとでもいうような同時期パンクとは明らかに違うクールなサウンド構築を提示。続く2ndからのストレートな「Something Better Change」や、破壊的なベースフレーズから始まり特徴的なシンセサウンドが支配する「No More Heroes」あたりで初期のサウンド確立といっていい激カッコいい曲が出てきます。そして3rdアルバム「ブラック&ホワイト」からの身震いする程の名曲「Nice 'n' Sleazy」、シングル曲だったディオンヌ・ワーウィック・カヴァー「Walk On By」あたりは非の打ち所無しの傑作となってます。特にJ.J.バーネルのベースなどは特筆ものの過激プレイで、ヒューの独特のVoスタイルと共にバンドの色を決定付けます。暫くするとソフトなサウンドを強調しだしますがここでもまたたまらん名曲が。ヒューのシニカルな歌も心の琴線を刺激する「Golden Brown」や美しい旋律の中でパリでの人肉食事件を題材にした「La Folie」、ロマンティックでポップなメロディも素晴らしいEMI期最後のヒット「Strange Little Girl」とストラングラーズにしか出せないスタイルで魅せます。
「ファッションやサウンドだけでなく真のパンク・スピリッツを持った男達の記録。熱いです!」
::more
2007.10
11
Category : Roots Rock
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
s-doorsremix.jpg



ドアーズがデビューして40周年てな事で大いに盛り上がってる関連CDです。他の記事とかも読ませていただいたりして知った大きく変貌を遂げたリミックス盤が話題の中心です。リマスターとかリミックスは結構ウェルカム派だったんですが、大胆ないじり具合が賛否両論だったので恐る恐るの思いでした。やっとこさ軽い財布をほじくって「ベストでダイジェスト的に聴いてみたろ」と、ついに購入です。正直、唖然としたってのが第一印象です。以前フリーがボブ・クリアマウンテンのリミックスで登場した時のような衝撃です。知らん人が最近の新録やと思ってもおかしくないくらいの変貌ぶりやないですか。「ちょっと、やりすぎなんちゃう?」と思うくらいで、フリー同様最初だけ喜んで飽きてまうってのが心配です。モノクロ写真を最新テクノロジーでカラーにしたような感覚のサウンドは新鮮でもありますが、愛着の深い以前の音はどうなんにゃとも思ってしまいます。何せ全部のアルバムがこの仕様で再発ですから、えらいこっちゃです。果たして40周年記念ってことで今だけ出回るのか、今後はコレが基本仕様に変更になるのかよう分かりませんが、個人的には以前のオリジナル仕様も置いといて欲しいと願います。しかしながら今回携わった中心メンバーのレイ・マンザレクは「実際のレコーディングに近い本当の音を再現できた」と発言してますし、メンバー公認の最新リミックスなので今後はコレが基本となる可能性大です。これも時の流れと受け止めなければいけないのか?それともすぐに慣れてまうのか?。
 買い替え志向の方にはまずコレがサンプラーっていうか試金石になります。(たいそうな話になってえらいすんまへん)代表曲では「Break On Through」がシャキっとエッジが立って良好ですが、「Light My Fire」は何とピッチを上げよりソリッドな印象に。従って若干時間も短くなってますがあんまり違和感なし。「Love Me Two Times」や「Strange Days」は定位が変わった他、リヴァーヴ深めで少し違和感を感じます。大傑作「Riders On The Storm」はベースが際立ったのは良いですがギター音がまたもやリヴァーヴ深めに変化。「L.A. Woman」に至ってはイントロにイギリス国家フレーズがどういう意図か分かりませんが付け足し。渋く疾走する感じが良かったのですが、スネアやギターのリヴァーヴが深めすぎて少しぼけた感もあり。でも「Touch Me」や「Roadhouse Bluce」なんかは左に縛り付けられてたドラムスが真ん中に定位されかなりエエ感じです。他には「Love Street」が途中ダブル・ヴォーカルになってたり、「Soul Kitchen」で全編鍵盤が聞こえたり、「Back Door Man」でジムのシャウトやら新たな声が加えられたりでオリジナルをよく聴いた人ほど戸惑います。ラストの「The End」は地獄の黙示録サントラ・ヴァージョンでシーンが甦る構成でコレは初聴き。そんな感じで20曲ですが、各アルバム単体版にはさらにボートラ付新リミックス仕様とのこと。元々のデッドな感じも捨て難いですが、単体でも新版を聴きたくなるのも事実。ん~この微妙な感覚は時が解決するのか?
「とうに千の風となったジム・モリソンはどない思ってるのか非常に気になる40周年でした」
::more
2007.10
10
Category : Roots Rock
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
the band 2nd



  メンバーの大半がカナダ人であったからこそ成し得たのか分かりませんが、アメリカ・ルーツ・ミュージックへの憧れを“よそ者”視点で最高の形で昇華させたザ・バンド。クラプトンとかストーンズの関連アーティストを聴き進むと必ず辿りつくのがゴスペル、カントリーやR&Bといった根幹にある音楽ですが、数多のロック・アーティストの中でも最もその根幹を大切にした人等やと思います。それだけに実に渋く、ヒットチャート的なキャッチーさには欠けますが一回足を入れるととズブズブとはまっていく感じで長いこと聴け、ええダシの出る利尻の昆布みたいな良さがあります。そのサウンドは源流を熟知していないと出せない音であり、先人への愛に溢れるアプローチはオリジナル楽曲にもしっかり表れてます。そんなザ・バンドの最高傑作にも挙げる人が多いこの2nd。何しろロビー・ロバートソン中心に書き上げられた楽曲の品質の高さが尋常じゃないのに加え、アメリカ南部を念頭に置いたコンセプト、「木の香りがする音作りを」と練られたサウンドの素晴らしさなど非の打ち所が無いほんまにええアルバムです。
 まずはディキシー調の「Across The Great Divide」でスタート。このリラックス感がたまりません。フィドルを大胆にフィーチャーした「Rag Mama Rag」も快調で、ホンキートンクなピアノも絶妙。そして南北戦争を題材にしたヴァージル・ケインの物語「The Night They Drove Old Dixie Down」。もう言わずもがなの大傑作ですがリヴォンの感情溢れる歌唱も最高です。ニューオリンズ風のビートもたまらんヒット曲「Up On Cripple Creek」も泥臭いリヴォンの歌声が光ります。またリチャード・マニュエルが孤独感を表現した「Whispering Pines」も聴き惚れる逸品で実に味わい深いです。他にも力強いリック・ダンゴの歌声も冴えるハードな「Look Out Cleveland」、これまた傑作としか言い様のない哀愁スロウ「The Unfaithful Servant」、本編最後となるアーシーなガースのオルガンにロビーのペンペンギターも疾走する「King Harvest」と聴きどころ満載です。そして現行リマスター盤のボートラも聴き逃せん7曲です。上記掲載曲の別テイク集ですが、リハーサル丸出しの「King Harvest」などまた違った味わいがあり実に興味深いもの。シングル曲ながらライブ盤でも演ってた軽快に決める「Get Up Jake」の別テイクなんかも収録で大満足の1枚となってます。 
「聴くもんに困ったらザ・バンドってのが定石。なんか癒されるんですわ」
::more
2007.10
08
Category : Mainstream
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
953.jpg

 ボブ・ディランっていうとかなり崇高なイメージがあって、詩の世界を理解していないとディランは分からないような風潮も一部あったりして、結構近寄り難い存在でした。家にも80年代の作品中心に兄貴がチョコチョコ買っていたのでつまみ食い程度に聴いてましたが、ポップ・ミュージック・シンガーとしてもアクの強い声に言葉を詰め込んだ独特の節回しはかなり魅力的です。個人的に好きなのはバンド・サウンドでのディランで、ザ・バンドと接近していた60~70年代や本アルバム発売時のローリング・サンダー・レヴューでのディランはかなり愛聴しました。近年の枯れた魅力も捨て難いですが、力強い歌声でディランにしてはメロディアスに感じるこのアルバムは傑作と呼ばれるに相応しい力作です。特徴的なのはアコーディオンやマンドリンの音を大きくフィーチャーした哀愁溢れるサウンドで、特にスカーレット・リヴェラのヴァイオリンはアルバムの象徴的な音色を奏でており、やけにクオリティの高い粒揃いの楽曲に華を添えてます。
 まずは何といってもヒット曲ともなった「Hurricane」です。黒人ボクサー、ルービン・カーターが殺人犯にでっち上げられたあまりにも有名な冤罪事件の歌ですが、ストーリーテラーとしてのディランが本領発揮といえるドラマティックな内容で一気に惹きつけられます。効果的なヴァイオリンも素晴らしく、アレンジの素晴らしさとディランの熱い歌唱が激光りの傑作です。続く独特の3拍子で歌われる「Isis」、エミルウ・ハリスとのデュエットで陽気に革命を皮肉った「Mozambique」、南フランスでのジプシーの祭りの影響下でつくられた旋律も新鮮な「One More Cup Of Coffee」と印象的な曲が続きます。レコードではA面最後だったスロウ「Oh, Sister」がまた最高です。語りかけるように歌う優しいディランが何とも魅力的です。72年に勢力抗争で射殺されたマフィア大物を歌った「Joey」も素晴らしきスロウ傑作で印象的なサビも絶品。後年のグレイトフル・デッドとのライブ・ヴァージョンも必聴です。その後もメキシコの町を歌った「Romance In Durano」、カントリー調が心地良い「Black Diamond Bay」と佳作が連なりますが、最後の当時の妻へのラブソング「Sara」がまた良いです。その後結局離婚しますが切々と歌い上げる様は胸を締めつけます。
「ディラン信者じゃなくても必携の名作。サウンドのセンスにも脱帽です」
::more
2007.10
05
Category : R&B Compilation
Theme : HIPHOP,R&B,REGGAE
Genre : 音楽
harikeen.jpg



 殺人罪の濡れ衣を着せられ19年間の投獄生活から見事、冤罪を証明し無罪を勝ち取った黒人ボクサー“ルービン・ハリケーン・カーター”。'70年代の再審も白人陪審員らの下、再度有罪とされ希望を失いかけたハリケーンに、獄中で書いた彼の自伝を読んだ黒人青年レズラが生い立ちや境遇に共鳴し、最後の裁判に向けて周囲を動かし’80年代にようやく冤罪を晴らします。そんな人種差別が生んだ醜い偏見とたくましい人間愛を実話に基づいて描いた映画「ハリケーン」でしたが、主演のハリケーン役デンゼル・ワシントンの好演が光る良い映画でした。実際問題、色々な場面で差別は存在していますが非常に残念なことです。人種やルーツで人間の優劣などつけられる筈などなく、映画のように最後に正義が貫かれることは素晴らしいことです。そんな事を考えさせられるこの映画のサントラは映画使用曲と共感した黒人アーティストらの新録がバランス良く収められた好盤です。 
 まず使用曲では劇中効果的に流れるBob Dylan「Hurricane」です。'70年代の再審運動時にモハメド・アリ等と共に尽力したディランは本人とも面会しこの曲を発表。切々と冤罪を訴える劇的な名作です。またエンドロールで流れる同曲のコード進行を下にしたHip Hop版「Hurricane」も圧巻。Black Thought、Common、Mos Def、Dice Raw、Flo Brown、The Jazzyfatnastees & The Rootsと錚々たる面子での新録です。事件当時の旧曲はEtta James「In The Basement」Ruth Brown「I Don't Know」、Ray Chales「Hard Times No One Kows」、Gil Sott-Heron「The Revolution Will Not Be Televised」など劇中印象的に流れるソウルの秀作もしっかり収録。インスパイア曲ではジェイ・ディーの渋いトラックが光るBlack Star「Little Brother」、Kelly Price & Aaron Hallが極上のデュエットで迫る「Love Sets You Free」が出色の出来。ワイクリフの兄弟ユニットMelky Sedeckも「Still I Rise」なるピアノが美しいミッド佳作を収録。前述Ruth BrownをブルージーにカヴァーするThe Jazzyfatnastees「I Don't Know」、ソウルフルさ満開なK-Ci & Jojo「One More Mountain」あたりも注目です。
「主演デンゼル・ワシントンのいぶし銀な演技も必見の映画と御一緒にどうぞ」
::more
2007.10
03
Category : Hip Hop Compilation
Theme : HIPHOP,R&B,REGGAE
Genre : 音楽
s-def jam



 いや~しかし勢いあるレーベルの音ってのは、今も昔も旬の音が集まってきます。現在も秀作をドロップし続けるHip Hop系レーベル老舗デフ・ジャムですが、86年~97年の傑作爆発連チャンモード時代のコンピレーションです。設立当時のHip Hop黎明期は「こんな邪道なもん、はよ消えさらせ」くらい思ってましたが、シーンが大きくなるにつれ才覚あるアーティストも急増。知らんまにロックより断然おもろい音楽になってました。U2とか一部のグループとベテラン以外はな~んかスリルが感じられなくなった90sロックンロールを尻目に、トミーボーイとかデフジャムは実に時代に見合った需要を嗅ぎつけた音を発信してました。そんな当時、斬新であったサウンドの数々は、こうやって並べられると圧巻です。
 まずはレーベル初期からの功労者LL Cool Jの96年ヒットでチャカ&ルーファスの同名曲引用の「Ain't Nobody」でラシャッド・スミスがR&B的に決めます。LLは他にもメロウな「Hey Lover」、「Mama Said Knock You Out」と収録ですが、マーリィ・マール制作の後者は手に汗握るハードな力作で今聴いても血が逆流する名トラック。またへヴィなギターリフに乗っかった迫力あるラップが最高なBeastie Boysの特大ヒット「Fight For Your Right」はパンクな感覚もたまらんアゲアゲ感です。他にも集団ラップも迫力だったOnyxSlam」、マーヴィン&タミーの名曲をダークなビートに再構築した存在感抜群のラップが激カッコええMethod Man/Mary J.Blige I'll Be There For You/You're All I Need To Get By」、エリック・サーモンの懐刀でブチ切れラップも冴えるRed ManWhateva Man」、テディ・ライリーのBlack Streetsを従え堂々貫禄の女王Foxy BrownGet Me Home」、ミスターGファンクWarren Gのボブ・マーリィ大ネタ使い「I Shot The Sheriff」に、ティナ・ターナー大ヒット「What's Love Got To Do With It」とクールなトラック目白押しです。しかし何といってもズバ抜けたファンク感が素晴らしいのが初期の大物Public Enemy。「Don't Believe The Hype」に「Fight The Power」と誰もが認める2大クラシックが収録で何回聴いてもシビれます。歌物でもCaseOran Juice Jones等が収録ですが、2曲収録のMontell Jordanの初期ヒットはやはりグレイト。まさにHip Hop Soulなスリック・リック使いが衝撃的だった「This Is How We Do It」なんかトラック・歌共に身震いするカッコ良さですわ。
「ラッセル・シモンズさん。退屈せえへんかった20代をおおきにっと言いたいですな!」
::more
2007.10
02
Category : 90's Female R&B
Theme : HIPHOP,R&B,REGGAE
Genre : 音楽
alysonlaw.jpg

 ニュー・クラシック・ソウルってな括りで90年代にはBack To Bacicな動きが盛んでしたが、この分かったようでわからん括り。自分では60年代~70年代のソウルと同列で聴ける新録なんかいなぁと感じてましたが、ただ温故知新的な部分だけでなくHip Hop以降の味付けもなされているところがミソです。またデジタル機材を駆使=トレンド・最先端みたいな構図が崩れ、生音の見直しも始まりアナログ&デジタルの融和も技術的に進み拍車をかけたのかなと。そういう意味では突破口を開いたのがDef Jam傘下のOBRからの刺客達でした。ただまだまだ序章にすぎない模索期でもあり、今聴くとディレイ処理やドラムの音などややチープに感じたりしますがこのアリソンの素晴らしいハスキーヴォイスと楽曲のクオリティの高さは決して揺るぎないものです。
 アルバムは冒頭からムーディなスロウ秀作「Just Call My Name」でスタート。続いてなんとBlue Magicを引っ張り出してきてTed Millsのファルセットと対等に張り合う「We're Gonna Make It」、ここで一気に引き込まれるグレイトとしか言い様のない名スロウ「I Looked Into Your Eyes」、モーメンツのしっとりカヴァー「Not On The Outside」、そして自らのコーラスも完璧に決まる2万回聴いても全く飽きない大傑作「Masquerade」、Chuck Stanleyを迎えまるでサンダ対ガイラのような火花散る戦いが展開されるゴスペルチックな大作「I'm So Glad」と怒涛のスロウ攻めの前半戦。すでに大満足ですが、まだ女帝は休ませてくれません。後半は一転、デフジャムらしい展開でNikki-Dをフィーチャーした「My Love Is So Raw」、お馴染J.B.“ファンキードラマー”を大胆サンプリングの「Sleep Talk」などヒップ・ホップ・ソウルの先駆けみたいなアップR&Bが続きますが、ここでも歌の上手さは激光りです。終盤にはさまるアニタ・ベイカー的スロウ「I Need Your Lovin'」もグッと惹きつけられます。また白眉なのがボートラ収録で本格ソロデビュー前にデュエット・パートナーとして録音したChuck Stanleyとの劇的スロウ「Make You Mine Tonight」、クールなトラックに熱い歌唱が冴えまくるOran"Juice"Jonesとの「How To Love Again」。よくぞ入れてくれはりましたと感謝の念でいっぱいです。
「苦労人だったアリソンの才能が花開いた名作。リミックス・アルバムもイケてまっせ!」
::more
2007.10
01
Category : 90's Female R&B
Theme : 本日のCD・レコード
Genre : 音楽
mikihow.jpg



 新人女性本格派シンガーが台頭してきた80年代にホイットニー・ヒューストン、レジーナ・ベルらと並んで実績をしっかり残したミキ・ハワード嬢。シティ派ソウル・グループであるサイド・エフェクトにも参加していた実力派ですが、幼き頃に培ったゴスペルを土台にジャズもソウルも実に上手く歌いこなしています。実はチャートを賑わしていた80年代後半はミキ嬢のことは殆ど知らなかったのですが、中堅どころとなって90年代になって発表された本作は当時ミキ自身が女優として活躍し始めた頃で、映画「マルコムX」のビリー・ホリデイ役に抜擢されたともあって当時注目でもありました。
 一聴して思ったのが、「アダルトな音楽やなぁ」ってことでした。何せいきなりビリー・ホリデイのカヴァー「Good Morning Heartache」に、ダイナ・ワシントンの「This Bitter Earth」でしたから。ゴージャスなバックにも堂々たる歌いっぷりで、これらのスロウを冒頭に配したのも自信の表れと思えます。しかし当時の常に目が血走ってた私が期待したのはR&B実力派としてのミキの現在を表現するモノでした。「JAZZもエエけどR&Bはどうなっとんにゃ」と心配するのも杞憂だったのが3曲目のフィリー・ソウル・カヴァー「Hope That We Can Be Together Soon」。当時売り出し中の男性シンガーChristopher Williamsと共にテディペン&シャロン・ペイジの名曲を感情たっぷりに熱唱。しかしそれ以上に「これやがなっ」と喜んだのが必殺キラーミッド「Ain't Nobody Like You」。これはもう無敵の傑作でクール極まりないアレンジに、抑揚もばっちりのミキのソウルフルな歌唱が乗っかった物産展のウニいくら丼の上をゆく逸品。他にもミキのラップも聴けるHip Hop色濃い「Release Me」、スライ&ザ・ファミリー・ストーンへのオマージュ・ファンク「Thank You For Talkin' To Africa」、下世話なデヴィッド・フォスター制作の割には素直に感動できる「Shining Through」など随所に魅せどころ有りです。
「実に器用なお姐さん。レンジの広い熱い節回しは今も健在ですなっ」
::more